俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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キッチリと

 

 

八幡side

 

 

授業が終わって放課後、今日は部活があるから2人とは一緒に帰れない。その事に若干渋りながらも先に帰ってもらった。俺は奉仕部の部室に向か………っているのではなく、屋上に居る。葉山を連れて。

 

 

八幡「………」

 

葉山「………」

 

八幡「……で?言ったのは貴女だそうじゃないですか、どういう事か説明してくれるんですよね?知らなかったじゃ済みませんよ、雪ノ下さん。」

 

陽乃『………まさかそんな事をしたなんて。比企谷君、ホントにごめ「能書きなんてどうでも良いんだよ。何勝手に人の家の事情喋ってんだって言ってんだよ………何処の会社でも常識だろうが。個人情報は漏洩はしてはならない、高校生なら当然だし、勉強してる中学生でも知ってるような事だぞ。」………うん、その通りだね。』

 

八幡「それをあろう事か、俺の目の前に居るバカが喋りやがった………ホントにふざけた事をしてくれたもんですよ。揃いも揃って。」

 

葉山「っ………」

 

陽乃『……昨日、雪乃ちゃんを除いた私達雪ノ下家と葉山家で話したんだ。そこではこの事は他言無用って事になってたの。君の言ってた通り、個人情報だったから………それにこういうのは1度弁護士にも相談する必要があるから、隼人のお父さんにしたんだけど………』

 

八幡「それが間違いだったようですね。」

 

葉山「だ、だが俺は本当に比企谷の助けになろうと『隼人、黙りなさい。』して………」

 

陽乃『比企谷君、これは雪ノ下家の責任です。この事は雪ノ下建設社長に報告するものとし、再度家でしっかりと処分を決めます。当然、私も。』

 

八幡「……生温い処罰だったら容赦しませんよ?」

 

陽乃『分かってます……』

 

八幡「………取り敢えず分かりました。一先ずは雪ノ下さんを信じます。俺からは両親や夜十神家に報告はしないでおきます。俺からは、ですけどね。柊と涼風はどうするのかは知りません。」

 

陽乃『うん、分かった。じゃあ隼人、アンタはすぐに家に帰って来なさい。そして自分のやった事を両親に、特におじさんにはきちんと説明しなさい。これが夜十神さんに知られてみなさい、私達の信用なんて地に落ちるわよ。もう落ちてるようなものだけど。』

 

葉山「………分かった。」

 

八幡「じゃあ切ります。」

 

陽乃『うん。比企谷君、本当にごめんなさい。』

 

八幡「どうにもならない謝罪なんてもうどうでも良いです。失礼します………正規の手続きにはなってるみたいだが、下らん事したな、お前。」

 

葉山「………」

 

八幡「お前がどんな考えであの場であんな事言ったのかなんて理解したくもないが、これだけは言ってといてやる。少しは人の事考えろ、バカが。」

 

 

ーーー奉仕部ーーー

 

 

はぁ………疲れた。何で悩みの種が無くなったと思ったら、また別なのが増えるのかね?葉山の奴、ホントに面倒な奴だ。一緒の空間にも居たくない。3年になってからの教室、別々になんねぇかなぁ………

 

 

ガラガラッ

 

 

八幡「よう。」

 

雪乃「こんにちは比企谷君、随分遅かったわね。何かあったの?」

 

八幡「あぁ、どこぞのバカが余計な事を言ったもんだから告げ口した人と一緒に会話してた所だ。」

 

雪乃「大体理解したわ、噂になっているものね。」

 

由比ヶ浜「でもビックリした、ヒッキーの……」

 

八幡「雪ノ下も知ってんのなら言い淀む必要ねぇだろ。あとお前も発言には気を付けろ。」

 

由比ヶ浜「え、どういう事?」

 

八幡「お前が俺を家に泊めるとか言ったろ?それのおかげで柊と涼風、お前を睨み殺しそうな目で見てたぞ。気持ちはありがたいが、2人の家が金持ちなのは知ってんだろ?そう考えたら普通泊まる家くらいある。」

 

由比ヶ浜「そ、そうだったんだ………うん、気を付ける。」

 

八幡「はぁ………」

 

雪乃「随分と大変だったみたいね、どうぞ。」

 

八幡「まぁな……サンキュ。」

 

 

はぁ〜やっと落ち着ける………いやもう本当に参った。とんでもなく迷惑な放火魔の次は常識知らずの同級生と来たもんだ。心が休まらん。

 

 

雪乃「それで、そのおバカさんは?」

 

八幡「家に帰ったよ。多分コッテリ絞られるだろうな………もし甘い内容だったら許さないけどな。」

 

雪乃「そう………」

 

 

雪ノ下も当然ながら葉山には興味無いようだ。どうなろうが自分には関係ないと。まぁそりゃそうか、雪ノ下は………ん?

 

 

八幡「そういやお前は知ってたのか?」

 

雪乃「いいえ、知らされてないわ。だから知ったのは今日の昼休みよ。」

 

八幡「……そうか。」

 

 

♪〜♪〜

 

 

八幡「ん?」

 

 

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・To:比企谷 八幡

・From:夜十神 柊

 

 

内容:八幡君、今日の葉山君の事どうする?お父さんに報告する?するなら今言っちゃうけど?

 

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……柊の奴、容赦するつもりはないらしい。だが一応チャンスはやっちまったわけだし、ここは止めておこう。

 

 

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・To:夜十神 柊

・From:比企谷 八幡

 

 

内容:まだしなくていい。さっき俺と葉山と雪ノ下さんと話して、じっくりと話し合う事になったから。

 

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よし、これで良いだろう。

 

 

雪乃「今のは夜十神さん?」

 

八幡「まぁな。【♪〜♪〜】ん?」

 

 

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・To:比企谷 八幡

・From:夜十神 柊

 

 

内容:分かった!でも言いたい時はすぐに言ってね♪私も一緒に報告するから!それに私、葉山君の事ツブシタイシ………ね♪

 

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………返信はしないでおこっ。

 

 

 

 

 


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