俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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両家の話し合い

 

 

ーーーーーー

 

 

葉山「………っていう事を起こしてしまい、ました。それでさっき、陽乃さんにも注意されて………」

 

 

葉山父「………」

 

秋乃「………」

 

陽乃「………」

 

 

誰も口を開かないばかりか、とてつもなく重苦しい雰囲気がその場を飲み込んでいた。今日の午前、葉山隼人が比企谷八幡に『家が焼けてしまった』事を言及したからである。この事は雪ノ下家と葉山家で他言無用と言われていた事なのだが、あろう事か葉山隼人はそれを本人に言っただけでなく、クラスメイトが居る教室内で言ってしまったのだ。

 

人気の無い屋上や体育館裏で2人でならまだ理解は出来るだろうが、教室内で行った事により比企谷八幡の家が全焼してしまった事が知れてしまった事が問題になっていた。

 

 

葉山父「隼人、何故そんな事をした?」

 

葉山「俺は、事実確認として聞いたんだ。」

 

葉山父「ほう?まさかとは思うが、それは雪ノ下社長が昨日言った事を信じられなかったからと捉えて良いのか?」

 

葉山「ち、違う!違うんだ父さん!俺はそんなつもりは毛頭【ダンッ!!】なくっ!?」

 

葉山父「お前にその気がなくても、こちら側にはそう聞こえているんだ!!お前は自分が何をしたのか分かっているのか!!?」

 

葉山「………」

 

葉山父「お前の余計な一言で比企谷君の情報が出回ってしまったのと、彼に恥をかかせてしまったんだぞ!!お前これをどう落とし前つけるつもりだ!!」

 

 

息子に対して怒鳴りつける葉山父。雪ノ下建設社長の秋乃とその娘の陽乃は止める様子もなく静観していた。どうやらこの2人も同じ思いのようだ。

 

 

葉山父「隼人、お前は知らんだろうから教えてやる。昨日の場では雪ノ下社長が他言無用と言ったが、本来であれば個人情報の他者への開示は絶対にやってはならない事だ!というよりも、あれはお前への警告でもあったんだぞ!それを無碍にするとは………」

 

葉山「そ、それならそうと言ってくれれば「いってくれれば良いだろう?そう言いたいのか?」あ、あぁ……だってそうだろう?」

 

葉山父「ならばもう1度質問をする。お前はとある人から話を聞いたとしよう。その後はどうする?ちなみにその相談相手はあまり人には言えないような相談と言う事にする。」

 

葉山「………解決策をおおよそ考えてから、他に何か無いか知り合いに相談する、とか。」

 

葉山父「………隼人、知り合いというのは何人程度だ?」

 

葉山「……自分の友達とか、そういうのに詳しそうな人とか、かな。」

 

 

再び重苦しい雰囲気が場を包んだ。そして………

 

 

陽乃「隼人、アンタおじ様の話聞いてたの?」

 

葉山「も、勿論。」

 

陽乃「じゃあさ、相談相手は人には言えないような相談なのに、何でアンタはそれを破るような事をするわけ?」

 

葉山「っ!」

 

葉山父「話にならないな………社長、ウチの愚息が大変申し訳ございません。この件に関しては私の方から夜十神さんと比企谷さんにご報告させて頂きます。」

 

秋乃「………陽乃、比企谷さんは何と?」

 

陽乃「比企谷君は処罰に関しては私達に任せるみたいだけど、隼人に関しては生温い罰だったら許さないって言ってたよ。それから夜十神さんには報告はしないけど、御令嬢の2人がどうするかは知らないって。重要な話し合いの場とはいえ、私が比企谷君の家の事を話したのは事実だから私にも罰はあっていいと思ってる。」

 

秋乃「そう………葉山さん、我々は再建費の約5割を減額。加えて陽乃を1週間の期間、自宅謹慎とします。良いですね?」

 

陽乃「うん、覚悟はできてる。」

 

秋乃「これが我々の処遇です。」

 

葉山父「分かりました。我々に関しては正直結論を出しかねています。愚息を謹慎にさせようとは思っていますが、他に何をさせれば良いのか………」

 

陽乃「でしたら私から提案します。隼人はしょっちゅう比企谷君に迷惑を掛けてるので、金輪際彼に関わらないようにするのが1番だと思います。偶に私にも愚痴をこぼしたりしていますので。」

 

葉山「っ!?」

 

葉山父「お前、まさか今回だけならずこれまでにも何か迷惑を掛けていたのか!?」

 

秋乃「葉山さん、それはまた後でにしましょう。此処にいる皆さんに言っておきますが、私はようやく掴んだ【Nigh-Ten・Group】との繋がりを手放したくないと考えています。あの会社と繋がりを持てるのはとても心強い事です。陽乃、隼人君、もう理解しているとは思いますが、軽はずみな行動は慎むように、良いですね?」

 

陽乃「うん、分かった。」

 

葉山「……分かりました。」

 

秋乃「ではこの話は終わりにします。葉山さんは比企谷さんへの対応をお願いします。私は夜十神さんから対応をします。」

 

葉山父「分かりました。家に着き次第、早速連絡します。」

 

 

こうして雪ノ下家と葉山家の話し合いは終了した。

 

 

秋乃「………向こうと関わりを持って早々にこのような事になるとは、予想外でした。」

 

陽乃「私から比企谷君に電話する?その方が早いと思うけど……勿論、両親も一緒にだけど。」

 

秋乃「いえ、それでは逆に不快感を与えてしまいます。親がそれを知っていながら子に電話をさせると、もしかしたら何かを言ってくるかもしれません。私から見た比企谷さんは油断ならない方ですから。陽乃、携帯番号を教えて下さい。」

 

 

 

 

 

 


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