俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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疲れも吹き飛ばす甘さ

 

 

御影side

 

 

どうも皆さん、夜十神御影です。今さっき入って来た電話の内容に少しだけ憤りを感じている所なんだ。聞けば学校で八幡君の家が焼かれた事を聞こえる声で言ってしまったと………いやぁ葉山さんの息子さんは凄いね、本当に。だが聞けば聞く程驚いたものだよ、他言無用と言われていたのにも関わらず本人に聞いた。これだけならまだいい、いや、本当はあまり良くないんだけど。だがそれを周りに聞こえる程の声で言ったのが間違っている。

 

葉山さんの息子さん曰く『事実確認として聞いた。』みたいなのだが、それは八幡君や僕達が嘘をついていると、信用出来ないから聞きたいとしか聞こえない。遠回しに否定されるとは思わなかったよ。まぁ本人はそんなつもりはないって言ってるみたいだけどね。

 

けどまぁ色々と話しちゃったなぁ〜後で八幡君や娘達にも葉山君の事を聞いてみよう。多分嫌な顔すると思うけど。

 

 

♪〜♪〜

 

 

………雪ノ下建設さんからかな?

 

 

御影「もしもし、夜十神です。」

 

秋乃『こちら雪ノ下建設社長の雪ノ下です、先日はありがとうございました。』

 

御影「いえ、こちらこそ。」

 

秋乃『はい。それで早速なのですが、今回お電話させて頂いた件の事です。もうお分かりになっているかと存じます。』

 

御影「えぇ、先程葉山さんからお電話を頂いてお話をしました。」

 

秋乃『はい、こちらも葉山からお話は伺いました。それで、こちらも比企谷さんとお話をしまして、謝罪と補足をしておきたいと思い、お電話をさせて頂きました。』

 

 

補足?

 

 

御影「…詳しくお聞かせください。」

 

秋乃『ではお話します。この度のご迷惑のお詫びとして、夜十神さんにお支払いして頂く予定だった2500万円ですが、その5割の1250万円を雪ノ下建設で負担するのと雪ノ下陽乃と葉山隼人の謹慎、葉山隼人の比企谷八幡への接触禁止については聞かれたと思います。』

 

御影「はい。」

 

秋乃『そこに追加で葉山隼人に我々の会社が負担する1250万円のおよそ2割の250万円を借金として支払わせる形になりました。』

 

御影「250万円……学生にしては少ない金額ではありませんね。」

 

秋乃『はい。しかしこれは比企谷さんにご提案して頂いた金額でもありますので、それに従おうと思っています。』

 

御影「成る程……」

 

秋乃『そしてもう1つ。もし葉山隼人が比企谷さんに接触した場合、この事をウチの娘である陽乃に報告するという事になりました。比企谷さんは報告するだけだとおっしゃっていました。我々も比企谷さんに乗っ取り、この件は陽乃に任せる事にした所存です。』

 

御影「ふむ………」

 

秋乃『以上が先程、比企谷さんとお話して変更のあった部分です。夜十神さんからは何かお聞きしたい事等はございますか?』

 

 

もう八幡君がお話したんだ……ならいいかな。

 

 

御影「いえ、私からは特にありません。八幡君がそれで良いのなら私も文句はありませんので。」

 

秋乃『何も、ですか?』

 

御影「えぇ。ただ1つ申し上げるとすれば、もしウチの娘にも迷惑を掛けるようであれば………その時は考えさせて頂きますが。」

 

秋乃『……分かりました。私の娘と葉山さんに必ず伝えておきます。』

 

御影「よろしくお願いしますね。」

 

秋乃『分かりました。では、失礼します。』

 

 

………八幡君もやるなぁ、学生に250万円の借金なんて。けど少しだけ気が晴れたよ。

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

御影「おや皆、お揃いみたいだね。」

 

柊「さっきまで八幡君に雪ノ下建設社長との電話の内容を聞いてたんだ。」

 

御影「その事で少しだけ聞きたいんだけどさ、3人は葉山君ってどんな印象なんだい?聞かせて欲しいんだけど。」

 

八幡「面倒事や厄介事を持ってくる迷惑極まりない男です。」

 

柊「自分の事しか考えてない単細胞生物。」

 

涼風「自分で作ったグループも碌に守れない低脳無能です。」

 

「「「「………」」」」

 

涼風「?あの、何か?」

 

 

いや、3人からの低評価はある程度予想してたけど、涼風がここまで言うとは思わなかった………低脳無能って凄い事言うね。

 

 

八幡「いや、すごいハッキリ言うなって思ってよ。いつもなら言わないだろ?涼風が他人に対して悪口なんて。」

 

涼風「確かに言いませんが、八幡さんにしつこく付き纏ってあれだけ迷惑を掛けていれば言いたくもなります。それに今言ったのは本心ですから。」

 

柊「うん、よく言った我が妹よっ♪」

 

紫苑「正直、私も少し驚いてるわ……」

 

御影「うん、僕も………あっ、じゃあ2人は八幡君の事はどう思ってる?」

 

柊/涼風「最高の彼氏(義兄)だよ!!」

 

御影「そ、そっか………他には無いのかい?例えばこういう所はちょっと嫌だなぁとか。」

 

柊「え、無いよ?最初は揶揄うの少しやめて欲しいって思ってた時もあったけど、今ではそれも心地良いって思ってるから♪」

 

涼風「八幡さんに嫌いな所なんてある筈がありません。とても理想的な方です!」

 

八幡「いや、なんかあるだろ、少しは探せよ。」

 

 

………うん、八幡君は我が娘達にすごく愛されているのがよく分かったよ。電話での疲れが一気に何処かへ吹き飛んじゃったよ。ありがとね、我が愛娘達と義息子君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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