俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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お休みと裁判予想

 

 

八幡side

 

 

戸部「うぅ〜ん………隼人君、今日は遅いべ〜。何してんだべか?」

 

大岡「あぁ、いつもは俺達より早いのにな。」

 

大和「それな。」

 

戸部「なんかアレっしょ、隼人君が居ないとあんまし気分乗らないべ。」

 

 

学校の奴等は知らんだろうが、アイツは自宅謹慎中だ。多分その事は平塚先生から言われるだろうな。細かい事情は省かれるだろうけど。それにおじさん経由でだが、雪ノ下社長からも借金の事は問題なく行うって言ってたみたいだから、その辺も問題無いだろう。葉山の親父さんと会話した事なんて1度もねぇからどんな人かは分からんが、あの社長の弁護士やってんだから大丈夫だろう。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

平塚「お前等席に着けー。」

 

戸部「おっ、今日は先生早いべ〜。」

 

平塚「あーお前に1つ連絡事項だ。今日欠席している葉山だが、家の事情で新学期まで学校を休む事になった。詳しい事情は話せないが、葉山とは3年生になるまでこの学校では会えない事になるから、そのつもりで居るようにな。」

 

戸部「え!?せ、先生、どういう事だべ!?」

 

平塚「詳しい事情は話せないと言った筈だ。私も教師だ、守秘義務がある。おいそれと他人の家の事情に首を突っ込んでいいわけがないだろう?聞きたければ葉山に直接聞いてみたまえ。それでアイツが答えればの話だがな。」

 

戸部「……分かりました。」

 

 

普通そうだよな。守秘義務って大事な事だよな。他人の家の事情に首突っ込まないのは当然だよな。アイツ、それ一気に2つも破ったから。

 

 

平塚「それから2月には期末試験がある。呆けているとテストはすぐやって来るからな、今の内に復習しておくように。以上だ。」

 

 

………にしても2ヶ月か、意外と長かったな。

 

 

柊「八幡君、どう思う?」

 

八幡「意外と長いって思った。1ヶ月とかそこらで復帰させるもんだと思ってたが、葉山さんもそれなりに重くしたんだろうな。」

 

涼風「八幡さんに言われたからではありませんか?生温い罰では容赦しないと。」

 

八幡「脅したつもりなんて無いんだけどな。」

 

柊「でもさ、これで正解だと思うよ。私達はそういう事した事ないから分からないけど、罪の意識ってさ、やっぱり自分の問題だからさ。」

 

涼風「そうですね、認めないまま塀の中に行った方達を私達は見てきていますから。」

 

 

あぁ〜森崎と天之川の事か。もう2度と会いたくねぇ奴等だな、2人にストーカー紛いな事してた挙句に片や誘拐、片や殺人未遂だもんな。もう思い出したくもない………でもよ、不思議なもんだよな。嫌われてたって分からんもんなのか?俺ならすぐに分かるぞ。

 

 

柊「で・も〜これで暫くは安心だね♪」

 

涼風「はい。」

 

八幡「とか言ってまた厄介事が出てきたらどうする?俺もう勘弁して欲しいってなるぞ?2年後半になってからのラッシュヤバ過ぎるだろ。」

 

柊「確かにね………」

 

涼風「私もそう思っていました。そしてその中心に居るのが、殆ど私達ですから………」

 

柊「八幡君、ほぼとばっちりだもんね………」

 

八幡「最初の一声『なんでこんな奴と付き合ってんだー』みたいな台詞ばっか聞いてた気がする。他人から見てそんなに不釣り合いかね?」

 

涼風「私はそうは思いません。八幡さんとお姉様はとってもお似合いの恋人同士だと思います。」

 

八幡「俺が言うと自慢になるかもしれないが、柊と付き合っていける男って俺くらいだろ?他の男が近寄ってもダメな気がする。」

 

柊「そりゃそうだよ。私は八幡君だから付き合ってるんだもん。他の考え無しとは付き合いたくないよ。それにさ、八幡君なら周りよりも私を選んでくれるでしょ?」

 

八幡「当たり前だ。」

 

 

天秤にかける物にもよるが、俺はそこいらの奴よりも柊を取る。あっ、涼風を掛けられたらすんげぇ迷うかもしれん。だって大事な義妹だし。

 

 

涼風「八幡さん、来週の裁判の事ですが……どうなると思いますか?」

 

八幡「どうもこうも、俺達の一方的な勝利になると思うぞ。向こうに弁護士がついたとしても、反論出来る事なんて一切無いしな。多分おじさんは慰謝料とかを搾り取る気なんだと思う。建設費は半分に抑えられたから、他の費用とかを取りに行くと思うぞ。それに向こう側は放火までしたんだから間違いなく刑務所の中にぶち込まれる。最悪、死刑だしな。」

 

涼風「そうなのですか………あの、もしかして泰納グループも?」

 

柊「きっと閉業すると思うよ。こんな騒ぎになるんだもん、一時的な休業にしたとしてもお客さんなんて寄ってこないと思うよ。だってあの会社ってあっても無駄でしょ?」

 

八幡「まぁ近年の様子からして、残しておく価値はあまり無いかもな。柊の言う閉業が確定したら、何から何まで押収されるだろうな。」

 

柊「そしてその分をお父さんの所に?」

 

八幡「金が不足してたらな。順番的には慰謝料や損害賠償が出て、もし金があったらそれで解決。足りなければ自宅の金品を押収してそれで払う。間に合えばそれで良し、間に合わなければ……それ以上は分からんな。借金ってパターンになるのかもな。」

 

涼風「ですが、今の話の流れになると………」

 

八幡「生き残れたとしても極貧生活は免れない、って事になるな。」

 

 

何にせよ、ご愁傷様です。

 

 

 

 

 

 


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