俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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ギュー!

 

 

八幡side

 

 

さて、あれから1週間が経って今日は裁判の日だ。俺は4時間目が終わったら早退をすると平塚先生にも言ってある。事情はもう説明済みだ。流石にしないわけにもいかないしな。そんなわけで俺は今、皆で朝食を食べているわけなのだが………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「………」ギュー!!

 

涼風「………」ギュー!!

 

 

………彼女とその妹に抱き着かれて上手く食事が取れません。どうしたらいいでしょうか?

 

 

八幡「あの、2人共?そろそろ「やだ。」………涼風「私もです。」………これじゃあ俺が食事出来ないんだけど?」

 

柊「私達が食べさせるもん!」

 

八幡「いや、雛に餌付けする親鳥じゃないんだから自分でやらせてくれよ。まだ朝だろ、学校には午前まで居るんだから我慢しろよ。」

 

柊「八幡君は私達に死ねって言いたいの!?」

 

八幡「何でそんな悪い方向に発展してるの?」

 

涼風「私達は八幡さん成分を摂らないと死んでしまうのですよ!?それなのに八幡さんは私達を死に至らしめようとしているのです!これがどんなに残酷な事か!」

 

 

あぁ〜そんな成分もあったね。いやでもね?そう考えたらさ………

 

 

八幡「じゃあ俺が家に居る間の平日の夜とかはどうなんだ?俺、その時は居ないはずなんだけど?」

 

柊「だってあれは分かってた事だもん。八幡君に明日から会えるって。でも今日のは想定外なの!1週間前から知らされてた事だから日常化されてない事なの!」

 

 

おい、仕事しろよ成分内容。ガバガバだぞ。

 

 

小町「ここの暮らしには慣れたつもりだったけど、お兄ちゃんと柊さんと涼風さんのアレには、まだ慣れそうもないね。」

 

八幡「兎に角1度離れ「「嫌です!」」て……そしたら俺が朝飯食えないの!」

 

柊「私達が食べさせるもん!」

 

涼風「食べたいのは何ですか!?」

 

八幡「………譲る気は無いのね。」

 

 

こうして俺は朝から姉妹にベッタリされながら、学校へと向かったのだが、いつも以上にくっついているからか、注目度が2倍くらい上がっていた。それもそうだ、腕にギュッとしがみつかれているのだ。興味がない奴だって2度見するくらいだしな。

 

 

戸塚「お、おはよう八幡……あはは……」

 

三浦「アンタ、朝から何見せつけてくれてるの?」

 

海老名「今まで見てきた中で1番情熱的だね……」

 

八幡「物申したいのならこの2人に行ってくれ。俺も朝から言ってるんだが離れてくれないんだよ。幾ら事情があるとはいえ、くっつき過ぎなんだよ。」

 

三浦「事情って?」

 

八幡「今日ちょっと用事があるから4時間目が終わったら早退すんだよ。そのせいで2人がいつも以上にベッタリでな………昼から俺に会えないからって大袈裟だろ?」

 

柊「大袈裟!?何を言ってるのさ八幡君は!私達にとって八幡君は生活する上で欠かせないんだよ!?それが3時間も会えない状況になっちゃうなんて………」

 

涼風「いえ、お姉様……もしかしたらそれ以上かもしれません。私達が帰ったとしても居ない可能性だってあるのですから………」

 

柊「やあぁぁだあぁぁぁ!!」ユサユサ

 

 

おいおい揺するな揺するな、君の立派なのが俺に引っ付いてる状況なんだからやめろ!っておい涼風、お前も抱き締める力を強めるな!

 

 

戸塚「八幡も大変だね………」

 

八幡「今日は特に、な。」

 

 

そして時は過ぎて行って漸く来てしまった4時間目の終わり………あろう事か2人が俺のコートとマフラーを抱き締めて離さなかった。

 

 

八幡「………」

 

柊「………」ギュー!!

 

涼風「………」ギュー!!

 

八幡「……俺はもう行かなければならない。なので、それを渡しなさい。」

 

柊「うぅぅぅ〜………」

 

八幡「唸ってもダメ。ほら、渡す。」

 

涼風「………」ウルウル

 

八幡「涙目もダメ。ほら、渡す。」

 

 

この2人、前よりもダメダメになってる気がする。さて、どうしたものか………

 

 

八幡「はぁ………このまま行くか、どうせ車の中はあったかいだろうし。柊、涼風、コートとマフラー絶対に家に持って帰れよ?でないと明日、俺が困るんだからな?」

 

柊「じ、じゃあ今日の帰りは………私達がこれを使っても良いって事!?」

 

涼風「そ、そうなんですか八幡さん!?」

 

八幡「あーそだねーうん、使っていいよー。独り占めとかすんなよー。」

 

柊「……少しだけ希望が見えたね、涼風!」

 

涼風「は、はい!これは念入りに話し合わなければなりませんね、お姉様!」

 

 

なんかもう面倒だから2人に任せた。

 

 

ーーー校門前ーーー

 

 

御影「学校お疲れ様………アレ、コートとマフラーは?行く時してたよね?」

 

八幡「娘さんの餌食になりました。」

 

御影「あぁ………そういう事ね。八幡君と離れるのが嫌過ぎて、とうとう八幡君の私物にまで手を出してしまったわけか………」

 

八幡「少しだけ言い方がマズい気もしなくもないですが、大体そんな感じです。」

 

御影「ま、まぁ兎に角中に入りなよ。外に居ると八幡君が冷えちゃうからね………ねぇ八幡君、アレ。」

 

八幡「え?……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊『………』

 

涼風『………』

 

 

2人が教室の窓からこっちを見ていた。コートとマフラーを抱きながら涙目になって。

 

 

八幡「………行きましょうか。」

 

御影「あはは………」

 

 

 

 

 

 

 


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