俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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昨日は投稿出来ず、すみません………少しトラブルがあったもので。


姉妹の在り方

 

 

陽乃side

 

 

陽乃「ふぅ〜ん、学校はそんな感じなんだね〜。そういえば雪乃ちゃん、奉仕部はどう?最近依頼とか無くて退屈なんじゃない?」

 

雪乃「依頼がないのは良い事だと思っているわ。困っている生徒がいないという事だもの。」

 

陽乃「そう?それなら良いんだけどさ。あぁそうそう、雪乃ちゃん。聞きたいんだけどさ、雪乃ちゃんのクラスで比企谷君の家が燃えた事って広まってたりする?」

 

雪乃「確かに話題にはなってるけれど、表立って話題にする人は居ないわね。」

 

陽乃「あれ、そうなの?」

 

 

あれぇ〜なんか意外。今の総武高の生徒なら、間違いなく食いつきそうな話題なのに。しかもその中心が比企谷君でしょ?内容からしてみても、もっと食いつきそうだけどなぁ〜。

 

 

雪乃「姉さんは知らないと思うけれど、比企谷君って怒るとかなり怖い印象があるみたいなのよ。私は直接見ていないから見た印象は知らないけれど、怒声が聞こえて来る程だから。」

 

陽乃「ど、怒声?あの比企谷君が?何で?」

 

雪乃「何でも、夜十神さん達が作ったお弁当を床に落とされたらしいわ。相手は知ってるけれど言わないでおくわね。それで相手側の人達が言い合いをしてたら、比企谷君が怒ったのよ。」

 

陽乃「うわぁ………要するにそれって擦りつけをし合ってたって事でしょ?醜いねぇ〜。」

 

 

でも比企谷君が大声で怒るって印象全く無かったからなぁ………私も警告はされた事あるけど、それだけでもかなり雰囲気違ったからなぁ。きっとアレ以上なんだよね。

 

 

陽乃「成る程、だから比企谷君を怒らせないようにするっていうのが、今の総武高の暗黙のルールだったりするのかな?」

 

雪乃「私はそういうのに詳しくないけれど、そうかもしれないわね。」

 

陽乃「……ねぇ雪乃ちゃん、私ってもう少し比企谷君とか夜十神ちゃん達にちょっかいかける回数、減らした方がいいかな?」

 

雪乃「どんなちょっかいをかけてるのかは知らないけれど、間違いなく減らした方が良いと思うわ。」

 

陽乃「あははは………だよね。」

 

雪乃「まぁ、姉さんの印象が既に固定されていると思うから警戒を解くにはそれなりに時間がいると思うけれど、まだ何とかなると思うわ。既に修復不可能な人が私達の身近に居るでしょう?」

 

陽乃「アレはもう病気でしょ。普通学校であんな事聞かないって。しかも教室でだなんてなに考えているのかサッパリだよ。」

 

雪乃「えぇ、そうね。彼の事なんて考えたくもないもの。想像もしたくないわ。」

 

 

ありゃりゃ、雪乃ちゃんからも強烈な嫌われ具合だね〜。まっ、無理もないけど。

 

 

陽乃「じゃあそろそろこんな辛気臭い話は止めにして………はい、コレ。雪乃ちゃんに誕生日プレゼント〜♪パンさんのぬいぐるみ、鬼○隊服バージョンだよ〜!」

 

雪乃「っ!そ、それって1番人気の………」

 

陽乃「そっ!主人公の竈門○治郎の羽織と瓶の代わりに刀を持ってるんだよ!やっぱりコレかなぁって思ってさ、妹のと悩んだんだけどさ〜。」

 

雪乃「………」ニギニギ

 

 

あはは、夢中になってる!けど気に入ってくれたのならそれでいっか。けど雪乃ちゃん、ホントにパンさん好きだよね〜。知ってるけど。

 

 

雪乃「………っ!ごめんなさい姉さん、つい夢中になってて。」

 

陽乃「良いの良いの、気にしないで。気に入ってもらえたようで何よりだから。それにしても今度はアレかな?パンさんの寝間着とかプレゼントしたらさ、雪乃ちゃんは使う?」

 

雪乃「………観賞用に飾らせて貰うわ。」

 

陽乃「えぇ〜着ようよ〜絶対似合うって!」

 

雪乃「パンさんの寝間着だなんて……恐れ多くて着る事が出来そうにないわ。」

 

陽乃「雪乃ちゃんってさ、パンさんを何だと思ってるの?神格化してるの?なんか部屋に神棚作って飾ってそうなんだけど………」

 

雪乃「そ、そこまではしてないわよ……」

 

 

何でだろう、今の雪乃ちゃんの言葉が信じられない。ホントに作ってそうなんだもん。

 

 

陽乃「ふふふっ、まぁいいや!じゃあさ雪乃ちゃん、色々散歩しながら話さない?」

 

雪乃「……えぇ、いいわよ。」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

陽乃「そういえばもうすぐテストだったね、勉強とかは大丈夫?根を詰め過ぎないようにね?」

 

雪乃「電話でも言われたけれど、ちゃんと休憩は取ってるわ。けどありがとう。」

 

陽乃「妹なんだから心配するのは当然。でもさ、ちょっと思うんだよね。こういうのが本当の姉妹なのかなぁ〜って。」

 

雪乃「?どういう事?」

 

陽乃「ほら、私と雪乃ちゃんってあんまり一般的じゃなかったでしょ?姉妹っていってもどこか距離があるような感じのさ。」

 

雪乃「………」

 

陽乃「けど夜十神ちゃん達姉妹を見てるとさ、隠し事もしてなさそうだし、気を遣ってもなさそうだし、意識した様子もなかったからさ、本当の姉妹ってこんな感じなのかなぁ〜なんて思ってさ。」

 

雪乃「姉さん……」

 

陽乃「あっ、だからって理由じゃないからね?」

 

雪乃「分かってるわよそのくらい、姉さんの妹なのだから。分かって当然よ。私だって姉さんの妹を長くやってるのだから、嫌でも分かるわ。」

 

陽乃「………あはは、こりゃ1本取られちゃったね。ふふふっ、ありがとね。」

 

雪乃「えぇ、こちらこそ。」

 

 

これが私達の姉妹の在り方、って事だよね。

 

 

 

 

 


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