俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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少し時は進んで………


バレンタイン前

 

 

八幡side

 

 

月は1月から2月へと移った。そして全国の学生の天敵とも言えるテストも終わって、ようやく羽を伸ばしているこの頃だが、女子はソワソワ、男子はワクワクしているのが現状だった。それもその筈、あと数日もすればバレンタインデーだからだ。男子連中は貰った個数とかどんなチョコだったかを言い合ってるようだが、何が良いんだ?よく分からん。女子も手作りで行くのか、市販で行くのかを悩んでいるみたいだが、まぁその辺は俺も分かる。俺もホワイトデーには柊や涼風、おじさんやおばさん達にはお返ししてるからな。

 

まぁ今はホワイトデーの事は置いといて、今俺の隣に居る柊は普通にしているし、涼風も普段通りだ。予想ではあるが、この2人がチョコを渡す相手なんて家族と俺くらいだろう。今の内に心の中で言っておくぞ男子連中、期待しても結果は虚しいだけだからな。

 

 

柊「うぅ〜ん………ねぇ八幡君?八幡君はさ、どんなチョコが食べてみたい?」

 

八幡「それって、俺に聞いても良いのか?」

 

柊「八幡君には付き合ってからずっと渡してきてるけどさ、最初は普通の手作りチョコ、次はクッキー、他は何にしたら良いかなぁ〜って。」

 

八幡「俺は柊から貰えるのなら何でも嬉しいけどな。同じのじゃダメなのか?」

 

柊「けど八幡君は去年私達の為にブラウニー作ってくれたじゃんっ!!凄く美味しかったんだからね!今だから言えるけど、八幡君が帰った後は余りにも嬉し過ぎて家族全員で泣きながら食べましたっ!!」

 

 

え、何そのカミングアウト………言う必要あった?

 

 

涼風「その通りです八幡さん!八幡さんからブラウニーを貰って食べた時に気付きましたが、真心がとても込められていて、一生懸命作られたのだと思うと………涙がとめどなく溢れて………」

 

柊「分かる、分かるよ涼風っ!!」ガシッ!!

 

八幡「俺は一体何を見せられてんだ?」

 

 

ま、まぁ俺が去年作ったブラウニーが好評なのは分かった………泣くくらい。

 

 

柊「それで八幡君に再度聞きます、どんなチョコが食べたいですか?」

 

八幡「そう言われてもなぁ………ん〜…あっ、スフレとかどうだ?前に作ってくれた事あったよな?チョコじゃなかったけど、美味かったんだよなアレ。」

 

涼風「……そういえばありましたね、確か一昨年の冬にチーズスフレをお姉様と一緒に作ったのを覚えてます。」

 

柊「おっ、良いね♪じゃあ今年八幡君にプレゼントするチョコはチョコスフレに決定〜♪」

 

八幡「そうか、楽しみにしてる。」

 

柊「頑張って作るね♪それでさ、涼風は何作るか決めてるの?あっ、分かってるとは思うけど、お姉ちゃんのを真似るのはダメだよ〜?」

 

涼風「ご安心下さい、お姉様。真似る気はありませんので。それに、私は既に決めていますから。」

 

八幡「なんかやけに自信があるみたいだな?」

 

涼風「はい、きっと渡す頃にはお姉様も作り方を教えて欲しいと行ってくると思います。」

 

柊「へぇ〜お姉ちゃんに宣戦布告?」

 

涼風「ではどちらのバレンタインチョコが八幡さんに気に入られるか、勝負致しましょうか?」

 

柊「涼風が勝負に出るなんてよっぽど自信があるみたいだね〜………いいよ、その勝負受けてあげる。負けるつもりなんて毛頭無いけど。」

 

涼風「それは私も同じです、お姉様。ですがこれだけはハッキリさせておきましょう。そうでなければただの争いになってしまいますから。」

 

柊「?それって?」

 

涼風「八幡さんに『美味しい!』と言ってもらえるように全力を尽くしましょう。その次に私達の勝負です!」

 

柊「ハッ!!………そうだ、そうだよ!1番は八幡君だもんね!!目的を見失うところだったよ、ありがとうね涼風〜♪」ダキッ!

 

涼風「お、お姉様っ!?」

 

 

勝負よりも俺なんだな。

 

 

八幡「それで、涼風は何を作るんだ?」

 

涼風「ふふふっ、秘密です。」

 

八幡「ほう、秘密か……それって期待を最大限にまで引き上げても良いと?」

 

涼風「八幡さんは最近、私に意地悪をするのが趣味になってしまったのですか?」

 

八幡「冗談だ。」

 

柊「それよりも、八幡君はバレンタインデー楽しみにしててね!私達がうんと美味しいチョコを作ってあげるからっ♪」

 

涼風「当日をお楽しみに、です!」

 

八幡「分かったよ、楽しみにしてる。」

 

柊「楽しみにね!それと八幡君にもう1つ質問しても良いかな?」

 

八幡「ん、何だ?」

 

柊「このクラスってさ、バレンタインに関してそんなに興味って無いの?男子は別にいつも通りだけど、女子の盛り上がりが今ひとつな感じがするんだけど………」

 

八幡「お目当ての奴が居ないからじゃね?」

 

涼風「それって葉山さんの事ですか?」

 

八幡「多分な。アイツ顔は良いからな。学校外の連中からも人気あるらしいしな。知らんけど。」

 

涼風「ですが葉山さんは三浦さんや相模さんとの件であまり良い印象を持たれていないと思われます。他学年からの評価は分かりませんが、同学年からの評価は少し下がっているそうですよ。」

 

八幡「そうなのか………まっ、葉山が居ねぇから渡す相手が居ない分、やる気の無い奴が多いんだろうな。女子だって間違いなく話題になるだろ?なのにその会話すらないんだからよ。」

 

 

そりゃ話題に出す出さないは自由だけどよ、このクラスでその手の話題が無いってのは不気味だよな。

 

 

 

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