八幡side
結衣「それでね、私のクラスでは誰かにチョコあげるのとかってあんまり話題になってないんだ〜。」
雪乃「そうなの。まぁ、私のクラスでも同じようなものだけれど、気にする事なんて無いんじゃないかしら?由比ヶ浜さんは誰かにあげるの?」
結衣「わ、私?私は………」チラッ
八幡「………」ペラッ
おい、見るんじゃねぇよ。こちとら視線には敏感だから隠しもしない視線なんて普通に気付けちゃうんだよ。やだよ?この前みたいな暗黒物質だったら俺、絶対貰わないからな?
雪乃「差し出がましいとは思うけれど、比企谷君にあげるのは相当な覚悟をしておいた方がいいと思うわよ?比企谷君の側にはいつも夜十神さんが居るもの。余程の理由が無い限り、彼女達は比企谷君から離れないと思うわ。」
結衣「そ、そうだよね……あはは〜。」
雪乃「比企谷君、夜十神さん達はやっぱり張り切っていたのかしら?」
八幡「あぁ、まぁな。今日も何を作るかで話してたよ。俺は何でも良いんだけどな。」
雪乃「そう……」
それにしても………
八幡「ふぅ〜………」クビ パキポキ
雪乃「あら、貴方がそんな仕草をするなんて珍しいわね。何かあったの?」
結衣「ホントだね〜。ヒッキーが首鳴らしてるのなんて初めて見たかも。」
八幡「いや、特に何も無い……っていうより、悩みの種が1人居ないだけでかなり平和なもんだから、身体が緩んだのかもな。」
雪乃「身体が緩むという言葉を聞いた事が無いけれど、大体理解したわ。」
結衣「それってやっぱり隼人君の事だよね?」
八幡「当たり前だ。クラスやお前の中でアイツの事をどう思ってるかはどうでも良いが、俺にとってはただの害悪でしかねぇ。自分の問題に他人を巻き込むわ、人の個人情報を暴露するわで最悪な野郎だ。雪ノ下、お前よくあんなのと小学生の間一緒に過ごして来れたよな。」
雪乃「えぇ、それだけは本当にそう思うわ。」
結衣「あはは………」
葉山に俺の家の事を暴露されて以降は、奴は1度もこの学校に来ては居ない。雪ノ下建設の手伝いをやらされてるみたいで、働かされているらしい。給金も出るらしいが、その金の大半は借金に当てられてる事だろう。雪ノ下建設の専属弁護士やってる程の親だ、息子に対して甘いわけがない。
八幡「まぁアイツの話は置いておこう。そんで、由比ヶ浜は分かったからいいとしてだ、雪ノ下は誰かにあげんのか?」
雪乃「さぁ、どうかしら?現時点ではあげたいと思える男子なんて1人も居ないわ。」
八幡「さいで。まっ、お前と仲の良い男子なんて、俺は見た事も聞いた事もねぇしな。」
雪乃「それってもしかして、私の交友関係が狭過ぎると言いたいのかしら?」
八幡「誰もそんな事言ってねぇだろうが………それを言うなら柊と涼風だってお前と負けてねぇよ。」
結衣「2人はこの学校以外に友達って居ないの?」
八幡「あぁ、居ないな。そんな奴等、中学の頃に………いや、何でもない。忘れてくれ。」
結衣「う、うん………」
雪乃(何かあるとは思っていたけれど、中学の頃みたいね。けれど比企谷君は話したくないみたいね。)
結衣(気になる……けど、ヒッキーは言いたくないみたいだから我慢しないとだよね。)
八幡「そういや依頼とか無かったのか?」
雪乃「えぇ、居なかったわ。」
結衣「修学旅行から1回も依頼来てないよね。」
雪乃「依頼が無いのは良い事よ。相談事や悩みが無いという事だもの。」
八幡「面倒も増えなくて済むしな。」
結衣「ヒッキーそれ言うなし。けどさ、こんなに無いものなのかなぁ?冬休み前とかはそれなりにあったじゃん?」
雪乃「……そうね、比企谷君と由比ヶ浜さんがこの部に入部した頃が1番のピークだったわね。それ以降はそんなに無かったわ。」
八幡「それ以降って言っても、修学旅行くらいじゃねぇか?俺はそれ以外思いつかない。アレだろ、活動期と休眠期でもあるんじゃね?熊と一緒で。」
雪乃「人間が冬眠するわけないでしょう………」
八幡「例えばの話だよ。」
しかし、ホントに何も依頼がねぇな……コレだったら俺って必要無いんじゃねぇのか?ピンチヒッターの出番って絶対に無くね?
結衣「でもさ、この時期だったら増えると思ってたんだけどな〜。」
雪乃「それはどういう意味?」
結衣「だってバレンタインデーだよ?もし好きな人が居る女子とかだったらさ、チョコの美味しい作り方とかを依頼してきそうなのになぁ〜って。」
八幡「………由比ヶ浜、お前そんな事まで考えられるようになっていたのか。成長したな。」
結衣「ヒッキー私の事なんだと思ってるし!?ねぇゆきのん、今の酷いと思わないっ!?」
雪乃「ごめんなさい由比ヶ浜さん、正直私も比企谷君と同じ感想だわ。」
結衣「ゆきのんまでっ!?」
いやいや由比ヶ浜よ、普通に考えてみろよ。自分の胸に手を当てて考えてみ?暗黒物質をクッキーだと言える奴は後にも先にもお前だけだって。千葉の名物を落花生と茹でピーや柿ピーだと答える奴もお前しかおらん。だって他を知らんから。