俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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姉のチョコ

 

 

柊side

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

遂に鳴った、4時間目終了の予鈴っ!!やっとだよ、やっと八幡君に私特製のスフレチョコを食べさせられるよ〜♪ほら先生早く早く〜!

 

 

ーーー3分後ーーー

 

 

柊「八幡君、お弁当食〜べよっ♪」

 

八幡「おう。」

 

柊「えへへ〜♪」ニコニコ

 

涼風「お姉様、笑いを堪えきれていませんよ?お気持ちは良くわかりますけれども。」

 

柊「きっと涼風も家に帰ったらこんな顔になると思うよ?そしたら私も同じ事言ってあげる。」

 

八幡「一応聞いておくが、弁当は普通だよな?チョコで作られた何かが入ってたりしないか?」

 

涼風「ご安心下さい、八幡さん。お弁当はいつも通り作りました。それに八幡さんの健康を損なうような事はしたくありませんから。」

 

八幡「そうか、それを聞いて少し安心した。」

 

 

はい、オープン♪

 

 

柊「ほらねー普通でしょ?」

 

八幡「あぁ、いつも通りの美味そうな弁当だ。」

 

柊「当然っ♪八幡君の為に毎日全力で調理してるんだから!」

 

涼風「お姉様の言う通りです、八幡さんに食べてもらう品にどうやって手を抜く事ができましょう!?そんな真似、恐ろしくて出来ません!」

 

八幡「恒例の過剰反応どうも。」

 

 

軽口を叩き合いながらも、私達はお弁当へと箸を進めた。うん、今日も美味しく出来てる♪あっ、涼風も中々に良い仕事をしますな〜今度教えてもらお〜っと。

 

洋食風のお弁当を取り入れてからは、お弁当が前よりも色鮮やかになったし、メニューも増えたから八幡君に飽きさせる事も無くなったと思う。それでも和洋のお弁当の中に欠かせないのは卵焼きなんだよね〜。私の得意料理だし♪

 

 

八幡「いつも思うが、今日もやっぱり美味い。こんな弁当が食えて幸せもんだな、俺は。」

 

柊「もう、急にどうしたのさ?そんな事言わなくても、これからも毎日作る予定なんだからそういう事言わないの。八幡君ももう嫌でしょ?購買とかコンビニとかで買うパンは。」

 

八幡「この味を知っちまったからな………昼飯はもうこれしかねぇだろ。」

 

柊「ふふふっ、だってさ涼風♪」

 

涼風「これからも調理のし甲斐がありますね♪」

 

八幡「いやだって冗談抜きで美味いんだからしょうがないだろ。もし誰かがこの弁当の具を1口食べてみろ、抜け出せなくなるから。」

 

柊「それでも具材は?」

 

八幡「やらねぇ、これは俺達の弁当だ。」

 

涼風「ふふふっ、想像通りの答えでした。」

 

 

八幡君はこういう所の独占欲強いんだよね〜。

 

そんなこんな会話をしながら箸を進めていき、数十分後にはお弁当を全て平らげた。綺麗サッパリなくなりました♪

 

 

八幡「ふぅ、今日も食ったなぁ。」

 

柊「御馳走様しないでよ?八幡君、別腹枠でデザートあるんだけど食べる?」

 

八幡「勿論頂く。」

 

柊「じゃあ用意するね。あっ、涼風にもあるからね〜。やっぱり勝負相手にも食べさせないとね。」

 

涼風「ありがとうございますお姉様。そして、望む所です!」ムンッ!

 

 

そして私は保冷剤と一緒にソフトクーラーの中に入れておいたチョコスフレを取り出して、机に置いた。うん、形崩れも起こしてないから大丈夫!

 

 

柊「はい、八幡君、涼風、どうぞ!私からのバレンタインチョコだよ♪」

 

八幡「おぉ、前に見たスフレと同じだ。しかもそれがチョコ味だから楽しみにならないわけがないよな。すげぇ美味そうだ。」

 

涼風「流石はお姉様です、とても素晴らしい仕上がりです。」

 

柊「ありがとう。けどそれは食べてから言ってよ、お口に合わなかったら意味ないんだから。」

 

八幡「いや、合わないわけないだろ。じゃあ早速、頂きます。」

 

涼風「頂きます。」

 

 

食べる前に気付いたと思うけど、スフレには中に色々と仕掛けを混ぜてある。さらに美味しくなるようにね!

 

 

八幡「………美味ぇ、なんだコレ。」

 

涼風「………」

 

八幡「柊、これどうなってんだ?」

 

柊「まずは生地。きっと2人はチョコ生地だって思ってるだろうけど、実はチョコじゃなくてココアパウダーで作られてるんだ。だから生地はチョコじゃないの。メインは中。中に入れてあるのは生クリームと生チョコなんだけど、生クリームはチョコ味にしました〜♪最初は普通に食べて欲しかったから何も言わなかったけど、生クリームだけで食べると優しい甘さ、生チョコだと濃厚な甘さ、2つを合わせると優しさの中にもチョコのずっしりとした濃厚な甘さが味わえるようになってるの。」

 

 

ふぅ……説明するとなると、少し疲れちゃう。けど、2人の驚いた顔が見られたからOKだね♪

 

 

八幡「………本当だ、クリームで食べると市販で売ってるロールケーキを思わせるような優しい食感に優しい甘さだ。」

 

涼風「八幡さん、生チョコも先程お姉様が言っていた通りです。生チョコらしい、とても濃いチョコの味が口の中を巡っています。」

 

八幡「そんじゃあもう1度………」

 

涼風「よく味わって………」

 

 

そして2人はまた上と下、チョコクリームと生チョコの両方を合わせて食べた。

 

 

涼風「凄いです、チョコの風味が2倍になってます。」

 

八幡「あぁ……同じチョコでも性質が違うだけで、ここまで違いが出てくるのか。」

 

柊「美味しかったみたいで何より。一応言うけど、学校にお代わりは持ってきてないから、味わって食べてね?」

 

涼風「お姉様、是非このスフレのレシピを教えて頂きたいです!」

 

柊「ふふふっ、良いよ。一緒に作ろっ♪」

 

 

私のバレンタイン、大・成・功♪

 

 

 




柊「というわけで私のバレンタインはスフレチョコでした〜!因みに【姉妹のチョコ作り】にあった○○○○と○○○○○の中に入る言葉は《生チョコ》と《生クリーム》でした〜!本当は最初、生クリームで行こうと思ってたんだけど、どうせならって思って生クリームもチョコにしたんだ〜♪」

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