俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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妹のチョコ

 

 

八幡side

 

 

さて、今日の授業が終わって残すは帰るのみとなった。しかし、昼飯のチョコスフレは最高に美味かったなぁ………俺は生チョコの方が好きだったが、クリームの方も美味かった。だからこそこう思ってしまう、幾つか残してないかなぁって。そのくらいマジで美味かった!

 

 

柊「?八幡君どうかしたの?」

 

涼風「少し難しそうな顔をしておりますよ?」

 

八幡「あぁいや、大した事じゃない。ただ、柊の作ったスフレってまだあるのかなぁって考えてただけだ。予想以上に美味かったから。」

 

柊「ふふふっ、八幡君ってばそんなに気に入ったの?私の作ったスフレ。」

 

八幡「すげぇ美味かったんだからしょうがねぇだろ。おかわりも欲しくなる。」

 

柊「褒めてくれてありがとう。けど今日はもうダ〜メッ!帰ったら涼風のチョコが待ってるんだから!スフレはその後日かそのまた次の日っ!」

 

八幡「……そうだな、涼風のチョコもあるんだったな。けどどんなのを作ったんだ?」

 

涼風「それは帰ってからのお楽しみです。八幡さんの舌を唸らせて見せます!」

 

 

そして俺達は帰路へと着いた。帰りの最中では、2人の試作中のエピソードなんかを聞かせてもらった。色々と苦労をしてたみたいだ。だからこそあんな美味いチョコを食べられて、俺はすげぇ幸せ者だって感じた。

 

 

ーーー夜十神邸・八幡の部屋ーーー

 

 

涼風「八幡さん、早速お食べになりますか?食後のデザートでも私は構いませんが?」

 

八幡「いや、折角だから今もらう。どんな物を作ったのか、気になるしな。」

 

涼風「分かりました。では、ご用意しますね。」

 

 

ガチャッ バタンッ

 

 

八幡「柊も知らないのか?」

 

柊「うん、私も知らない。お互いに干渉しないようにしてたからね〜。どんなのを作ったんだろうね?」

 

八幡「あぁ。けどチョコの香りがかなり強かったのは柊の作った品で分かるが、涼風はどんなのを作ったんだろうな?やっぱかなり香りも風味も強いとか?」

 

柊「あぁ〜それもあるかもね。けどさ、そんなに強烈に匂ってたの?」

 

八幡「あぁ、朝食に香りが混ざるくらい。」

 

柊「………換気にも気を付けないと。」

 

八幡「あぁ、そうしてくれ。」

 

 

ガチャッ

 

 

涼風「八幡さん、お姉様、お待たせしました。」

 

八幡「おっ、来たか。」

 

涼風「はい、これが私の八幡さんへ贈るバレンタインチョコ………」

 

 

一体どんなのが………え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

涼風「プリンです。」

 

 

………目の前にあるのは茶、緑、桜の色をしたプリンと呼ばれるものだった。しかもその物体の色は、縦に3つに分かれていた。まるで………

 

 

柊「ヴェリーヌみたいだね。」

 

涼風「はい、それをモチーフにしましたので。」

 

八幡「薄い、普通、濃いの3色に分けられてるんだな。面白いな………」

 

涼風「どちらからお食べになりますか?」

 

八幡「まぁ、普通の味で。」

 

涼風「では、どうぞ。あっ、それと1つだけ。食べる時は薄色の方から食べて下さい。」

 

 

俺の前に出されたのは茶色のプリンだった。多分チョコプリンだろう。

 

 

八幡「じゃあ、頂きます。」

 

 

俺は薄い色の部分のプリンをスプーンで掬って口へと運んだ………すると優しい甘さが口の中に広かった。これは………

 

 

八幡「ホワイトチョコレートか?」

 

涼風「はい、正解です。」

 

八幡「じゃあ………」

 

 

俺は次の普通の色を食べた。これはミルクチョコレートで、濃いのはブラックチョコレートだ。成る程、3つの味を楽しむ事ができるってわけか。こういうのは柊の作ったスフレと似ているかもな。だがこれの面白い所は組み合わせの幅が広いという所だ。

 

簡単に表すとこうなる。

 

 

薄×普 薄×濃 普×濃 薄×普×濃

 

 

このように4通りの味を楽しむ事ができる。俺はただこれだけだと思っていたが、その予想は大きく外れてしまった。

 

 

八幡「なぁ涼風、このプリンの下の部分ってどうなってんだ?普通の色と違うぞ?」

 

涼風「流石は八幡さん、お目が高いです。そちらは各種類のチョコから生チョコを作りました。なのでこれはチョコプリンと生チョコプリンを掛け合わせた物となっています。」

 

 

マジか……涼風も同じ生チョコで攻めて来るとはな。いや、待てよ?じゃあ残りの2つも?

 

 

八幡「じゃあその2つもそうなのか?」

 

涼風「はい。緑は抹茶、ピンクが苺のチョコプリンとなっています。」

 

 

うわぁ……コレ涼風の方が何倍も時間と手間を掛けてるな。しかもそれでいて丁寧だ。そして美味い。

 

1つ1つの味はなんで事なくても、掛け合わせる事によって美味さが倍増する。うわぁ………これも美味いなぁ。プリンだからって甘く見てたわけではないが、これは予想外のパンチだ………油断してた。

 

 

柊「むぅ………我が妹ながら流石の腕前。本当に八幡君の舌を唸らせちゃってる。」

 

涼風「質で劣るならば手数で、その勝負に出た結果です。まだどうなるかは分かりませんけど。

 

柊「そ、そうだね。八幡君はどっちを選んでくれるのかなぁ?」

 

八幡「………なぁ涼風、こっちのプリンも食べてみて良いか?なんか気になって仕方ない。」

 

涼風「っ!はい、勿論です!その為のご用意したのですから。遠慮なくお召し上がりください。」

 

 

………うわぁ、抹茶も美味い。

 

 

 

 

 


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