俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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勝負の結末と闇

 

 

八幡side

 

 

柊「さて、じゃあ八幡君。」

 

涼風「結論を出して頂きます。」

 

柊「私と涼風………」

 

涼風「どちらのチョコが好きでしたか?」

 

 

………数日前からの勝負だったが、さてどうする?正直な感想を言うと、どっちもすげぇ美味かった。去年のも美味かったが、今年のはそれが前戯だと思えるくらいにだ。ていうかこれの勝敗の決め方って俺が気に入った方なのか?どっちも選んじゃダメなのか?

 

 

八幡「なぁ、1つ聞きたいんだが、この勝負って引き分けってアリなの?」

 

涼風「………それはつまり、八幡さんは私達のチョコはどちらも同じくらい美味に感じた、という事でしょうか?」

 

八幡「あぁ。去年、一昨年は2人で合わせて作ってただろ?けど今年は2人個人で作ってきたから、どっちのも面白かったし、何より美味かった。だから個人としては勝負をつけかねているんだ。」

 

柊「ん〜……確かに勝負って言っても、勝利条件が八幡君に気に入られる事だったもんね。」

 

涼風「はい。逆に八幡さんに気に入られなければ負けという事になります。」

 

柊「八幡君はどっちのチョコも気に入ったの?」

 

八幡「気に入った、なんて軽い言葉じゃ済まされないな。これを商品化してみろ、絶対売れるってレベルで美味かった。他の奴になんて食わせたくないけどな。」

 

 

実際のところ本当に決められない………だってムズいもん!2人共ちゃんと個性出してたし、チョコへのアプローチも完璧、工夫に工夫を凝らした点も互角以上。他に何を基準に評価させれば良いんだ?俺にはもう分からん。

 

 

柊「………涼風、どうしよっか?」

 

涼風「………では、今回の勝負は引き分け。次の勝負までお預けというのでどうでしょう?」

 

柊「次の勝負、ねぇ〜?いつ来るかな?」

 

涼風「それは私も分かりません。来年の今日かもしれませんし、もしかしたら近い未来かもしれません。私達次第でしょう。」

 

柊「それもそうだね。じゃ、勝負はこれでおしまいっ!それじゃあ早速なんだけどさ………」

 

涼風「はい、お姉様。同じ事を考えてます。」

 

 

ん?何だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊/涼風「レシピ教えてくださいっ!!」

 

八幡「………」

 

柊「……ふふふっ、やっぱり考える事は一緒だね。流石は私の妹っ♪」

 

涼風「姉妹というのは、こうも考えが似るのですね。どちらからにしますか?」

 

柊「じゃあ私のスフレから教えてあげる♪でも今は材料無いからまた今度にしよっか。」

 

涼風「はい、分かりました。楽しみです。」

 

 

多分、今までにあったであろう姉妹喧嘩もこんな感じの短い時間で終わってたんだろうな。真剣勝負の後にこのほのぼの感………この2人でなければあり得ないだろうしな。

 

 

八幡sideout

 

葉山side

 

 

葉山「………」

 

 

俺が間違っていたのか?比企谷に火事で家が焼けてしまった事を聞いたから………だがそうでもしないと本当の確認なんて取れないっ!それにアイツは他人に対して全くと言っていい程に関心が無い。アイツに関わっているのなんて夜十神さん達くらいだ。

 

それに、夜十神さん達も夜十神さん達だ。どうしてあんな奴と一緒に居るんだ?夜十神家は雪ノ下家と同じでこの地域の名家であると聞いた。さらに今では世界中で知らぬ者は居ない程の会社を作り、雪ノ下どころか世界有数の富豪になっている。そんな家の人がどうしてあんな奴とっ!?家も普通なら人付き合いも碌にしないような奴とどうして一緒に居る?

 

 

葉山「アイツの何が良いんだ?陽乃さんもそうだ、あんな奴なんかに貶められて………」

 

 

それに俺はアイツのおかげで借金までも背負わされる羽目になった。3年になったら復学する事になってるが、サッカーをしている暇なんて無い。お金を稼がないと借金は減らない、父さんが全て管理してるからだ。

 

だがどこでだ?どこでこんな事になったんだ?

 

 

葉山「………っ!修学旅行の後………」

 

 

……そうだ、アイツは俺が頼み込んでも一切聞き入れてくれなかった!それどころか夜十神さん達が関わると過剰なくらい攻撃的になっていた!そうだ、俺がこうなったのは元々アイツが原因になっていたんだ。だからこんな事に………

 

 

葉山「比企谷………」

 

 

待っていろ比企谷………復学したらすぐにお前に会いに行く!そしてこれまでの事を「隼人。」すべ……っ!

 

 

葉山「父さん………」

 

葉山父「………」

 

葉山「な、何か用かな?」

 

葉山父「………いや、最近部屋に篭る時間が増えているなと思ってな、少し様子を見に来ただけだ。変わりなければそれで良いが………」

 

葉山「俺は問題無いよ。」

 

葉山父「そうか……突然悪かった。」

 

 

待っていろ、比企谷っ!

 

 

葉山sideout

 

葉山父side

 

 

葉山父「………」

 

 

あの目………あれは最初の頃と何ら変わっていない。それどころか酷くなっている。しかしどうする?あの状態の隼人を学校に行かせても良いのか?比企谷君と夜十神さん、雪ノ下さんとの約束でもあるが、しかし休学を長くすれば隼人の反発も増すだろう………

 

 

葉山父「………悩みの種が少なくならないどころか、不安が大きくなるとはな。」

 

 

私に雪ノ下さん程の決断力と比企谷君程の無情さがあれば………無いものを羨んでも仕方ない、か………

 

 

 

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