俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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3人の春休み

 

 

八幡side

 

 

時は過ぎて、3月の下旬。あれから特に何事もなく日常を過ごしてきた。月〜金は学校に行き、月曜は部活に励んだが、それ以外はいつも通りだ。土日は休みだからのんびりするか柊と街歩き(という名のデート。)をした。そして今現在は卒業式も終わって春休みの真っ最中で学校もない。いや、正確にはあるのだが、俺達ではなく新入生が入学式やらオリエンテーションやらで貸切状態だ。

 

まぁ俺にとって新入生なんてどうでも良いが、妹の小町も今年から総武高に通う為、関係のない話ではない。そこでだ、俺は考えている。もし小町が奉仕部に入部すると言うのなら、俺は奉仕部を引退しようと思っている。だって〜ピンチヒッターっていってもあんまそれらしい事もしてねぇし、平塚先生も転勤で居なくなっちまったから居る意味も無くなっちまったし、顧問も居ないからな。ぶっちゃけ居る理由が無い。

 

 

八幡「今頃、どうしてるかねぇ〜。」

 

柊「オリエンテーション中でしょ?きっと学校のシステムとかを教えてるんじゃないの?」

 

涼風「八幡さんが入学した時はどうだったのですか?やはり行ったのですか?」

 

八幡「そうだな……俺の時も簡単な教室案内とかしてたな。後は……置き勉していい教材とか、何時まで残ってOKとかそんなだった気がする。もう2年前だから覚えてねぇわ。」

 

涼風「高校生になってからもう2年が経つんですね………長いようであっという間に感じますね。」

 

八幡「学校生活なんてそんなもんじゃねぇか?まっ、2年生は異常に長く感じた時もあったけどな。2度と思い出したくもないが。」

 

柊「ホントだね、私達もあんなのは2度と起きてほしくないよ。」

 

涼風「そうですね、お姉様………はい、上がりで私の勝ちです。」

 

八幡「うわっ、お前まさかの8切りかよ………じゃあ次は柊だが、お前そんな非道な事しないよな?」

 

柊「じゃあ……これでどうだ!」

 

八幡「おいおいおい……そんな事したら俺は11戻り(イレブンバック)だよ?」

 

柊「えぇ!?嘘っ!?」

 

八幡「手札ある?」

 

柊「うぅ………強いのしかないよぉ〜!」

 

八幡「じゃあ捨てで。じゃあ次は……「は、八幡君?まさかそんな人でなしな事はしないよね?」ん〜………じゃあ2で。」

 

柊「うわあぁぁん八幡君がイジメる〜!」

 

八幡「大丈夫だって、俺あと2枚で上がりだから。その内の1枚はクイーンだからそれ出す。」

 

柊「やった!じゃあ私はエース♪」

 

八幡「そしたら俺が2を出して上がり。」

 

柊「あああぁぁぁ!!?八幡君が2を2枚持ってたの!?何さそれぇ〜!?」

 

八幡「ごめんな柊〜。」

 

柊「絶対わざとでしょ〜!わざとクイーン出して私の事遊んでたでしょ!」

 

八幡「だってこうしないと面白くないだろ?」

 

涼風「上げて落とすとは………八幡さん、お見事です。勉強になりました。」

 

柊「そんな事勉強しなくていいの!!」

 

 

そして俺達は今、暇潰しに大富豪をしている。

 

 

柊「………八幡君のイジワル。」ムスッ

 

八幡「悪い悪い、けどこれも勝負だから大目に見てくれ。」

 

柊「………ふふふっ、いいの♪こういうのは楽しむものだもん。イライラしてたら意味無いもんね。」

 

涼風「切り替えの早さはお姉様の良い所です。」

 

八幡「そうだな。」

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「どうぞ。」

 

宮間「失礼致します、若様、お嬢様方。お昼食のご用意が出来ました。」

 

柊「ありがとうございます!じゃ、行こっか♪」

 

涼風「はい、お姉様。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

八幡「にしても、大分大人しくなったもんだな。」

 

涼風「?どういう事ですか?」

 

八幡「お前達2人、休みの間も俺の昼食作るって言って聞かなかっただろ?週に1回にしてもらったとはいえ、かなり落ち着いたと思ってな。」

 

柊「私達の楽しみの1つだったんだもん、日課だったんだもん。」

 

八幡「お休みだと思えばいいんじゃないのか?それか勉強の期間とでも思えば。」

 

涼風「お勉強は普段している事ですし、お休みなんて要りません。八幡さんのお弁当、昼食を作るのにお休みなんて罪な事は出来ません。」

 

 

アレ、休みって悪い事なの?

 

 

柊「本当なら作りたかったんだよ?八幡君が祝日に作ってくれって言ったから納得してるだけなんだからね?本当なら今頃キッチンで調理してるか、呼びに行ってる頃なんだから。」

 

八幡「その代わり週に1回の絶品料理を食べられるんだから良いだろ。」

 

宮間「お嬢様方、若様はこう言っておられるのです。『少しでも美味しく食べられるように間隔を開けておいたんだ。』っと。」

 

 

ちょっと宮間さん?何言ってんの?

 

 

柊/涼風「っ!!!」

 

柊「そ、そっか………毎日食べてた分、それが当たり前になってるんだもんね。少し日を置いて食べれば美味しさが増すなんて考えもあるもんね!」

 

涼風「成る程、そのようなお考えが………八幡さん、私達は考えが甘かったみたいです。」

 

八幡「お、おう?」

 

柊「1週間後、楽しみにしててね!より美味しい昼食を作ってあげるから!」

 

涼風「普段から振るってる腕をより振るってお作りいたします!」

 

 

気合が乗ったのは何よりだが、燃え過ぎじゃね?宮間さん、どうしてくれるんですか?作り過ぎでもしたら俺1人じゃ手に余りますよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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