俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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悪の企て

 

 

葉山side

 

 

ーーー新学期数日後ーーー

 

 

漸く学校に行けたというのに、クラスメイトは俺に何故か余所余所しい。その上、戸部達までもが俺に関わらなくなっている………まぁ俺が少しの間学校に行っていなかったから、皆は俺に気を遣ってくれているんだろう。ここは俺から話し掛けに行こう。

 

 

葉山「久しぶりだな戸部、元気だったか?」

 

戸部「あ、うん、元気だべ隼人君………俺、次の授業の準備あるから。」

 

葉山「あ、あぁ………」

 

 

何だ?妙な態度だったな………まぁ準備があるっていってたしな、他の人にでも話してみるか。

 

 

葉山「久しぶりだね。」

 

「う、うん………」

 

 

 

 

葉山「元気だったかい?」

 

「あ、あぁ……まぁ、な。」

 

 

 

 

葉山「学校はどうだった?」

 

「ボ、ボチボチだったよ………」

 

 

戸部だけでなく、他のクラスメイトや同級生も俺に対して何故かあんな感じだ、一体何故だ?

 

 

ーーー新学期1週間後ーーー

 

 

1週間経っても俺の周りの環境は改善されなかった。皆俺に対して余所余所しい………というよりも避けるような仕草さえある。一体どうしたんだ?何でこんな事をするんだ?

 

そしてその日の放課後………

 

 

「ねぇ、今日も葉山君話しかけてたよね。」

 

「うん、見てた。戸部君もなんか可哀想………」

 

「元グループだからって事じゃない?話しやすいからって理由で。」

 

「やっぱそうだよね〜。けど葉山君って意外と鈍感だよね。自分の噂に何も気付いてないんだもん。」

 

「確かにww最初はさ、すっごいイケメンだって思ってたけど、三浦さんとか相模さんとかのを見ると……ねぇ?」

 

「うん、分かる。顔良くってもさ、やってる事が釣り合ってなかったら流石にないよね〜。」

 

 

………まさか俺が皆から避けられていたなんて思いもしなかった。それどころか悪く言われてるなんて………どうしてだ?どうしてこうなっている!?

 

 

「それに比べたら、同じクラスに居た……えっと、比企谷君だったっけ?」

 

「そうそう!なんか良いよね♪姉の夜十神さんが彼女らしいけど、バカにされた時に怒ったんでしょ?」

 

「詳しい事は分かんないけど、そうらしいよ。彼女の為に本気で怒れるって良い彼氏さんだよね〜!夜十神さん良いなぁ〜。」

 

「いつも一緒に居るもんね!しかもかなり距離近いしっ♪夜十神さんって比企谷君にベッタリだよね〜!」

 

「「キャー!!」」

 

 

どうなってる?は?何で俺の評価が低くて比企谷の評価が高いんだ?おかしいだろ?アイツはただの陰キャのボッチだぞ!そんな奴がどうして俺よりも!!?

 

 

ーーー数週間後・現在ーーー

 

 

この数週間で俺が今どの立場に居るのか、理解した。俺の立場はこの学校の中で底辺に居る。しかもただの底辺じゃない、あの比企谷よりも下の底辺だ!ふざけるな!!俺が比企谷よりも下だと!?きっと比企谷の奴が俺が謹慎になっている間に何かしたに違いない!!俺の悪い噂でも流したんだ!!デタラメだったとしても、アイツの二枚舌ならそれも可能だ!!

 

 

葉山「アイツ………謹慎の期間だけでなく、学校に通うようになってからも俺の邪魔をするのか!!」

 

 

アイツに復讐しようにも、俺はアイツに接触出来ない………それどころか夜十神さん達にも話す事さえ禁じられている。これも比企谷の策略だろう、ずる賢い奴だ。だがどうすればいいんだ?父さんを説得してもきっと無駄だろう……その辺りは厳しい人だからな。

 

 

葉山「やっぱり校内の誰かを味方につけるしか……だが誰が居る?同学年にそんな奴はいない……そうだ、1年生と2年生から探してみるしかないな。」

 

 

まずはサッカー部の後輩達から当たってみよう。そしてもしうまく行ったら他の部の後輩達も取り込もう。

 

 

葉山「それに1年生や2年生なら、俺のデタラメな噂は届いていないだろう。よし、明日から行動を開始しよう。だが行動するにしても目標はどうする?俺は比企谷に復讐できればそれで良いんだが………」

 

 

こんな理由だと後輩達はついて来ないだろう。ましてや俺の人格が疑われてしまう、考えろ………っ!そうだ、あの2人を使えばいい。夜十神さん達は比企谷の弱点だ、あの2人を比企谷から引き離して人質に取れば………はははっ、よし、これで行こう。だが先ずは味方を集める。そこからだな、最初は2年生から当たってみよう。比企谷に何かしら良くない思いを持っている奴がいるかもしれないしな。ソイツはきっと俺の話に乗ってくれるだろう。

 

 

葉山「色々と考えなきゃな、比企谷と夜十神さん達を引き離すタイミングも重要だな。後は………」

 

 

ふっ、こんなに楽しいのは久しぶりだ。夜十神さん達には悪いけど、比企谷への復讐の為に犠牲になってもらうよ。それに君達だって悪いんだ。比企谷に相談に乗って欲しいと頼んだ時、君達にもそう頼み込んだ。だが断った。だから………比企谷と同罪だ。

 

まぁ女の子だからね、傷つけはしないでおくよ。それに、俺の本命は比企谷だ。俺はアイツに復讐できればそれで良い………色々と楽しみになって来たよ。おっと、親にバレないように進めないとね。比企谷にも釘を打てるようなネタを用意しておかなきゃならないしね。

 

 

 

 

 

 


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