俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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ウマ娘の新SSRのライスが可愛くて、尊くて堪りません………はぁ、どうしたら良いんだろう?


帰ってからも

 

 

涼風side

 

 

八幡さんがお眠りになってから数十分後、先生からの説明が終わったのでお父様が保健室へと戻ってきましたが、同時に多くの保護者の皆様がゾロゾロと保健室へと入ってきました。そして私達に向かって頭を深く下げて謝罪をして来ました。本来ならばこの謝罪は八幡さんにするべき事だと思いますが、今八幡さんはお疲れです。無理に起こすわけにはいきません。なので私とお姉様が代弁者としてお答えしました。

 

とはいえ、これで2回目の方も居たようなので、その方の保護者にはこうお伝えしました。

 

涼風『1度八幡さんのお情けを与えられておきながら、それを無駄にした報いは受けて貰います。前回の事も含めて検討させて頂きます。』

 

と告げると、親は頭を下げたまま『分かりました。』っと、ただ一言そう言いました。親とはいえ少し同情してしまいますが、私が八幡さんなら手心は加えたくありませんから。

 

今はもう家に帰って部屋でゆっくりしています。あんな事があったばかりですので、食欲はありません。今は八幡さんの事で頭が一杯ですから。

 

 

八幡「2人は飯食いに行っていいんだぞ、俺は大丈夫だから。」

 

柊「ううん、八幡君と居る。大丈夫なのは分かるけど、私は八幡君の側に居たいから。」

 

涼風「私もお姉様と同じ気持ちです。私達が八幡さんを放っておけないのです。」

 

八幡「……悪いな。」

 

柊「ううん、このくらい何とも無いよ。それよりも八幡君、何かあったら遠慮なく言ってね?私も涼風も迷惑だなんて全く思わないから。」

 

涼風「八幡さんのご命令であれば、何でも聞きます!遠慮なく言ってください!」

 

 

寧ろ断る理由が何処にもありません!

 

 

八幡「あぁ、助かる。じゃあ最初のめいr……お願いなんだが、いいか?」

 

2人「何でも良いよ(はい、何なりと)!」

 

八幡「喉が渇いたから何か飲み物を持って来てくれないか?アルコールとトマトジュース以外だったら何でも良いから。」

 

柊「じゃあプロテインでも?」

 

八幡「意地の悪い奴が居るから注文を増やそう。フルーツ系のだったら何でもいい。」

 

涼風「では私が持って参ります。お姉様は八幡さんを見ていてください。」

 

柊「了解、任せておいて。」

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

紫苑「あら涼風、八幡君の容態はどう?」

 

小町「兄は大丈夫なんですか?」

 

涼風「お母様、小町さん、八幡さんなら大丈夫です。今し方お飲み物の要求がありましたので、持って行くところです。よろしければご一緒しますか?八幡さんなら拒みはしないでしょうし。」

 

紫苑「いいえ、やめておくわ。安否の確認はさっき取ったもの。何度も同じ確認をしたら八幡君だって良い気分にはならないと思うもの。また明日、八幡君に会ってからにするわ。」

 

小町「小町も遠慮しておきますね。今は兄もゆっくりしたいでしょうし。大勢で来られても迷惑になっちゃうかもなので。」

 

 

………お母様も小町さんも八幡さんの事をよくお考えになられているのですね。小町さんも八幡さんがあんな状態だからこそ、しっかりしようとしているのでしょう。いつもと様子が違いますからすぐに分かりました。

 

 

涼風「分かりました。では私は八幡さんからのお使いがありますので。」

 

紫苑「えぇ、八幡君によろしくね。」

 

 

ーーー八幡の部屋ーーー

 

 

涼風「八幡さん、お持ちしました。八幡さんは普段、あまりジュースを飲む所を見た事がありませんでしたので悩みましたが、オレンジジュースで良かったでしょうか?」

 

八幡「あぁ、問題ない。ありがとな。」

 

涼風「いえ、このくらい何でもありません。今お注ぎしますね。」

 

八幡「あぁ、悪いな。」

 

 

八幡(何だろう、召使いとかメイドができたらこんな感じなのか?普通の事なんだろうが、居心地悪いな………やっぱ俺は出来る事は自分でやろう。え、宮間さんとかはどうなんだって?あぁ〜………いつもご苦労様です。)

 

 

涼風「八幡さん、どうぞ。」

 

八幡「あぁ、ありがとな。」

 

柊「飲ませてあげようか?」

 

八幡「いや、大丈夫だ。グラスも持てないくらい怠いわけでもないしな。」

 

涼風「………」

 

八幡「………ふぅ、美味い。目を覚ましてから飲まず食わずだったからな、余計に美味しく感じる。と言っても、食欲があるわけじゃ無いから食べたい欲求は無いんだけどな。」

 

涼風「食べたら止まらなくなってしまうのではないですか?今はそう感じてはいても、そうなるかもしれませんよ?」

 

八幡「かもな。」

 

柊「じゃあ重湯でも作ろっか?」

 

八幡「俺はそんなに重傷じゃねぇよ……しかも気を失ってから数ヶ月後の患者でもねぇんだ。そんな奴に重湯もお粥も必要ないだろ。せめて普通の食事にしてくれ。」

 

柊「じゃあ軽食にして持って来る?」

 

八幡「いや、食欲は「八幡君、さっきは何も言わなかったけど、食べれるなら食べた方がいいよ?その方が傷の治りだって早くなるんだから。」………じゃあ、頼む。」

 

柊「はーい♪じゃあ今度は私が行くから、涼風は八幡君をよろしくね♪」

 

涼風「はい、お姉様。」

 

 

………あっ、お姉様の作るお料理にジュースは合うでしょうか?

 

 

 


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