俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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留置所、そして話し合い

 

 

葉山side

 

 

ーーー留置所ーーー

 

 

葉山「………」

 

「葉山先輩、アンタのせいですからね。あんたがあの時アイツなんかにかまけて無かったら、今頃俺達はこんな所にいなかったのに。」

 

葉山「俺のせいだって?それなら俺に付いてきたお前等が悪いんだろう?責任転嫁はやめてくれるかい?全部自己責任さ。」

 

「自己責任ね………じゃあ葉山先輩が捕まってんのも自己責任ってヤツですか?」

 

葉山「俺のは違うさ………全てアイツの、比企谷のせいだ。アイツが余計な事をしなければこんな事にはならなかったんだ。全てアイツのせいだ!!」

 

「んだよ、結局ソレかよ………もうなんでも良いわ、結論俺達はついて行く相手を間違えたって事だよな、お前等?」

 

「あぁ、本当だな。自分の事しか考えてねぇ奴についてったのが間違いだったわ。」

 

「それがコレだ、冗談じゃねぇよ………」

 

葉山「煩いから静かにしてもらえるかい?悪い頭が移るから。」

 

「へいへいそりゃすいませんでしたね、比企谷先輩以下の葉山先輩〜。」

 

葉山「お前っ!!!今なんて言った!!?俺がアイツに劣るわけがない!!」

 

「煩いっスよ先輩、悪い頭が移るんで静かにしてもらえます?」

 

葉山「お前ええぇぇぇ!!!」

 

警官「おいお前っ、何を騒いでいる!!静かにしろ!!此処はカラオケじゃないんだ!無意味に騒ぐなっ!!」

 

 

俺が比企谷に劣るだとっ!?そんなわけあるか!!あんな奴に俺が負けるわけがない!!勉強や運動、顔だってアイツよりも上だ!!それなのにアイツは………!!!

 

 

「すいません警官さん、俺達っていつまでここにいれば良いんですか〜?」

 

警官「まだ決まっていない。事件が起きたばかりなんだ、そんな早くに出られるわけが無いだろう。」

 

「やっぱりかぁ〜………」

 

警官「それにしても、最近の高校生っていうのは一体どうなっているんだ?恐ろしいよ。」

 

「それってどういう事っすか?」

 

警官「君達が来る前にも、2人この留置所に居たんだよ。まぁその2人も今は塀の中に居るんだけどな。収まったと思ったのに、まさかこんなに大量に来るとは思わなかったよ………千葉の高校生って、本当にどうなってるんだ?」

 

「あぁ〜………なんつーかすんません。」

 

警官「君、謝るくらいなら悪い事なんてするんじゃないよ………まぁでも、少し気は楽になった。」

 

「へへっ!まぁ1番悪いのはそこで黙ってる金髪の人なんですけどね。」

 

葉山「なんで俺なのかな?」

 

警官「あぁ〜やっぱりね、だと思ったよ。」

 

葉山「………どういう意味ですか?」

 

警官「以前に捕まった2人も君と同じような性格……というよりも言動をしているのを覚えているよ。意味の分からない事を言ったり、独り言を言ったり、とね。まぁ今回は人が居るから独り言は無いだろうけどね。一言で表すのなら歪んでいる、とでも言うのかな。」

 

 

俺が歪んでいる?何をバカな事を言ってるんだ、この警官は?あたまがおかしいんじゃないのか?

 

 

「歪んでる、ですかぁ………違いないですね。」

 

「全くだww」

 

「お似合いじゃないっスかぁ〜、ねぇ?」

 

葉山「お前等、今すぐその煩い口を閉じろよ………耳障りだ。」

 

「おぉ〜怖っ、別にいいけど。」

 

「けどさ警官さん?これで分かったでしょ?あの先輩あんな反応するって事は図星って事ですしね。自覚あるんですよ〜。」

 

警官「君達「黙れっ!!!それ以上言ってみろ、タダじゃ済まさないぞ!!」おい、静かにしろ!!君もこれ以上は彼を煽るな!落ち着かせるのに一苦労だ。」

 

「すみませ〜ん。」

 

警官「はぁ………君も一々彼等の言葉に反応するな。何も出来ないだけの時間が過ぎるだけだ。大人しくしていなさい。」

 

葉山「………余計なお世話です。」

 

警官「………まぁいい、これ以上騒ぎを起こさないように。」

 

 

くそっ、アイツ………外に出たら覚えていろよ、比企谷の次に叩きのめしてやる!!

 

 

葉山sideout

 

葉山父side

 

 

葉山父「………雪ノ下社長、私は雪ノ下建設の顧問弁護士の任を降りようと思っています。」

 

秋乃「………それはどうしてでしょう?」

 

葉山父「今回の一件がもし世間に晒されようものなら、雪ノ下建設の立場も危うくなります。愚息の犯した事は、私の手で鎮めたいのです。それに、雪ノ下社長からは充分なお力添えをして頂いたのに、それを活かせないどころか無駄にしてしまいました。このような弁護士は必要ないでしょう。」

 

秋乃「………」

 

葉山父「せめて息子のしでかした尻拭いは、私の手でしたいのです。」

 

秋乃「………でしたら私からも遠慮なく言わせて頂きます。顧問弁護士の解任は認めません。貴方はこれまで通り、我が社の顧問弁護士でいて下さい。」

 

葉山父「な、何故………」

 

秋乃「隼人君を止められなかったのは私の責任でもあります。あの場に呼んで説明さえしなければこうはならなかった、違いますか?」

 

葉山父「………」

 

秋乃「葉山さん、貴方だけではないのです。私も間違いを犯しました。なのでお1人で背負うのではなく、共に同じものを背負わせてください。」

 

葉山父「………ありがとう、ございます。」

 

 

………私には勿体ない程の方だ、この人は。

 

 

 


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