俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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八幡side

 

 

8日の誕生日、俺は改めて両親に柊との婚約について説明をした。ウチの両親は基本あまり俺達には干渉してこないが、向こうの家族の事も知ってるわけだから一応説明はしておいた方がいいと思ったわけだ。そしたら………

 

 

尚人『ん?婚約?良いんじゃないか?』

 

凛『私も賛成よ。文句無いわ。』

 

 

……っとこのようになんとも軽い返事で了承を得た。俺は真剣に考えていないと思って、夜十神家のサイン済みの婚姻届を両親に出した。

 

俺が『ならここにサインをして欲しい。』と言うと、何の躊躇いもなくサインをしてから印を押した。こうして両家公認の婚約者となった俺達は、一応形だけでもそういう風にした方が良いとおじさんから提案されて、今現在指輪専門店………ではなく、この前俺が原石を見てもらった店に来ている。目的はペアリングを購入する為だ。

 

 

馬場「この子が貴方の子なのね〜………あんまり似てないわね。」

 

御影「余計なお世話だよ。娘達は母親似なんだ、僕と柊の似てる所なんてそんなに無いよ。強いて言うなら性格くらいさ。」

 

馬場「あらそう?なんか意外ね、この子そういう風には見えないけど?」

 

御影「信頼してる人にしか自分の素は見せないんだよ、だから人前では大人しいの。」

 

馬場「ふぅ〜ん……まぁいいわ。それで、今日は何しに来たの?比企谷君も一緒みたいだけど?」

 

御影「あぁ、ペアリングを作って欲しいんだ。」

 

馬場「………何?結婚できない私への冷やかし?」

 

御影「違うから!この2人が婚約したから形だけでもそういうのが必要だと思ったからだよ!なんで僕が友人の君を冷やかさないといけないのさっ!」

 

馬場「結婚指輪じゃないの?なんでペアリングなのよ?御影の事だからどっちも同じようなものじゃないの?」

 

御影「変な虫を寄せつけないようにする為だよ、娘は美人だし、八幡君もかっこいいしね。」

 

八幡「お世辞をどうも。」

 

柊「お世辞なわけ無いじゃん!八幡君は本当にかっこいいもん!八幡君がかっこよくなかったら、この世界の人類なんて、醜い人ばかりだよ?」

 

 

おい、全世界の人になんて事言うんだこの娘は?

 

 

馬場「とりあえず了解したわ。じゃあ2人共、少し付き合ってもらうわよ。指のサイズとかデザインとか色々あるから。」

 

八幡「お、お願いします。」

 

柊「お手柔らかに………」

 

 

そして俺達は指のサイズを測った後にデザインとか色々と決める為に話し合っていたのだが、馬場さんが「見せつけているのかしら?」と言ってきたので少しだけ怖かった………勿論そんなつもりなんてこれっぽっちもなかったが、馬場さんから見ればそういう風に見えていたのかもしれない、なんかすみません………けど、平塚先生みたいな人って居たんだな………皆さん、ここにも貰い手の無い人が居ますよ。

 

 

ーーー喫茶店ーーー

 

 

御影「作成には3日くらい掛かるって話だから、それまではのんびり待とうか。それと、此処は僕が持つから好きなのを食べると良いよ。僕もお腹が空いているしね。」

 

柊「お父さんって凄くフットワーク軽いよね。嬉しいけどさ、娘と義息子の為にこんなに早く動けるものなの?普通の家じゃ無理じゃないの?」

 

御影「まぁ普通の家なら無理だろうね。けど八幡君は………柊も分かってるでしょ?普通の家の生まれでも八幡君はその枠には当てはまらない。」

 

柊「うん、それは私も同じ想い。」

 

八幡「え、何がです?」

 

柊「要するに、八幡君になら早過ぎるくらいの行動をしても問題ないって事〜♪」ダキッ!

 

八幡「そういうものなのか?」

 

御影「君の事はよく見てきているつもりだからね、だからどういう人間なのかは理解しているつもりだよ。もし八幡君じゃない人が柊の恋人だったら、こんなに早い行動はしないさ。」

 

 

褒められているのだろうが、むず痒いな………

 

 

柊「それよりも八幡君、何食べよっか?」

 

八幡「そうだな………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「成る程、それで完成は3日後なのね。」

 

御影「うん、だから夏休み明けの学校には間に合いそうだよ。良かった良かった♪」

 

柊「うんうん♪私も堂々と八幡君とお付き合いしてますってアピール出来るしねっ♪」

 

涼風「お姉様、羨ましいです………」

 

八幡「ま、まぁ涼風にもその内「現れません、八幡さん以外の男性なんて。」………」

 

 

今に思った事ではないが、涼風って意外と一途だよな。だって俺以外に良い男が居ないって言う程だし。いや、頑固の方が正確か?

 

 

紫苑「けれど高校は大丈夫なの?アクセサリーの装着なんて。」

 

八幡「多分大丈夫でしょう。髪染めやカチューシャをつけるの認めてるのなら、指輪くらいでどうこう言わないでしょう。ループタイだってつけてた奴居ましたしね。」

 

 

今はムショの中だけど。

 

 

御影「まぁつけて何か言われたら婚約の事を話すといいよ。別に隠してるわけでもないしね。」

 

柊「うん、そうする〜♪」

 

紫苑「柊ったら、帰ってきてからずっとこの調子ね………余程嬉しかったのかしら?」

 

御影「まぁ、形とはいえそういう証みたいなものだからね。そうなんじゃないかな?」

 

 

婚約、かぁ………実感湧かねぇなぁ〜。

 

 

 

 


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