御影side
はぁ〜………まさかこんなにも早く感じるとはねぇ。感慨深いものだよ、ホントに。
紫苑「ちょっと御影、何してるのよ?」
御影「ん?あぁ、ちょっとね。何かさ、ここまで来るのにかなりの障害があったと思うけど、何気に乗り越えてきたんだよなぁ〜って。」
紫苑「そうね………確かに色々あったわね。」
御影「けど、なんかそれも含めて今日の為にあるって思ったら、悪くないのかもしれないなぁって思うのは僕だけかなぁ?」
紫苑「奇遇ね、私もよ。」
柊「お父さん、それにお父さんを呼びに行ったお母さんも何ベランダで黄昏てるのさ………」
御影「えっ!?あぁいやコレは………」
紫苑「色々あったって思い出していただけよ。」
柊「それよりも手伝ってよ!1人だと大変なんだから!八幡君が来る前にセット完了しておきたいんだからっ!」
ホント、早いって思うよね?そう思わない?けどさ、これが親の気持ちなんだよね………
娘が結婚するってこんなに幸せなんだね………
2人が高校と大学を卒業して、僕の会社に入社してから3年。漸く2人は入籍した。八幡君が婿入りするという形だが、八幡君は全く抵抗していなかった。寧ろそれが当たり前かのような反応だった。
高校、大学共に2人にちょっかいをかける人達は予想通り居た。中には事件沙汰に発展する事もあったが、全て解決している。大学を卒業して僕の会社に入社してからも、多くの業務をこなしてくれている。八幡君は紫苑の右腕、つまりは秘書の補佐役として。柊と涼風も八幡君の両腕として腕を奮っている。
え?下からの研修はしなかったのかって?当然したよ?けどね?3人の作業スピードが異常なくらい早くて仕事が無くなっちゃうくらいだったんだよ。1番忙しい部署に配属したつもりだったのに、3人の上司が僕に「僕では扱いきれません!!」って泣きつく程だったんだ………あれは3人に対する僕の過小評価だったよ、ごめんなさい。今ではこの会社に欠かせない程の人材に成長している。因みに次の年には役職を与えるつもりなんだ。管理職の皆を実力で黙らせちゃうんだもん、こりゃ参ったもんだよね。
コンコンコンッ
八幡『入っても大丈夫ですか?』
柊「は、八幡君っ!?もう来たの!?」
八幡『あぁ、俺は準備出来てるんだが………柊の方はまだ時間掛かりそうか?』
涼風「大丈夫ですよ八幡さん、今ちょうどお姉様も準備が終わりましたから。」
八幡「そうか?じゃあ入るぞ。」
八幡君は僕達の居る部屋に入ってきた。八幡君も柊と同じ純白のタキシードを着て万端だった。そして八幡君は娘の姿を見て固まっていた。
柊「ど、どう……かな?」
八幡「………今までそんな姿見た事無かったから、マジの感想で言うと………すげぇ綺麗だ。」
柊「っ!………あ、ありがとう///」
御影「八幡君もタキシード、よく似合ってるよ。うん、この晴れ舞台に相応しい姿だよ。」
八幡「ありがとうございます。」
………ふふっ、お邪魔虫は退散しとこっかな。
御影「じゃあ八幡君に柊、時間になったら出ておいでね。待ってるから。」
紫苑「遅れないようにね?」
涼風「お待ちしています。」
流石は僕の妻と娘だ、すぐに僕の考えている事を読んでくれる。
御影sideout
八幡side
突然2人きりにされた俺達。だが今は2人にされたとしても、そんなに困らなかった。不思議と心に余裕がある。
柊「……なんか変な感じだね、こんな格好で話すのって。そう思わない?」
八幡「あぁ、そうだな。けど、不思議と緊張は無い。お前と居るから、かもな。」
柊「うん、そうかも。」
八幡「なんか……思い返すのも面倒なくらい、色んな事があったよな。」
柊「うん………そうだね。」
それから俺達は一緒の部屋で思い出話に耽っていた。そして………
『新郎新婦さん、間もなくお時間です!』
八幡「時間みたいだな。」
柊「うん。じゃあ………」
八幡/柊「行こうか(行こっか)。」
『それでは、新郎新婦の登場です。拍手でお出迎え下さい。』
俺と柊は拍手で迎えられる中、敷いてあるレッドカーペットの上をゆっくりと歩き、神父のいる元へと歩いていく。
神父「ではこれより、婚礼の儀を行う。」
八幡「………」
柊「………」
神父「汝、夜十神柊は比企谷八幡を夫とし、喜びの時も、悲しみの時も、健やかなる時も、夫に永遠の愛を捧げる事を誓うか?」
柊「はい、誓います。」
小苑「汝、比企谷八幡は夜十神柊を妻とし、喜びの時も、悲しみの時も、健やかなる時も、妻に永遠の愛を捧げる事を誓うか?」
八幡「誓います。」
当然だ。
神父「であれば双方、指輪の交換を。」
隣からは係の人が指輪を乗せたトレイを持って来て、2人の側までやって来た。因みにこの指輪だが、俺が高校生の時に伊吹山で神様から貰った水晶で作られている。
最初は柊が、そして後に俺が柊に指輪をはめた。
神父「………では最後に、誓いの口付けを。」
八幡「………」
柊「………」
俺は柊の両肩を優しく掴んで、少しずつ柊の唇に自身の唇を近づけていった。そして………
神父「2人の人生に祝福を。」