俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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勝負終わりは

 

紫苑side

 

 

ふぅ〜良いお湯ね〜。それにしてもあの2人は本当に八幡君の事になると人が変わるわよね。柊は兎も角、まさか涼風までも八幡君に懐くなんて思わなかったわ。あの子あれで人見知りだから普段はあまり自分から他人には関わりを持たないのに。姉に認められた男子ってだけではないだろうけど、八幡君に何かを感じたのでしょうね。

 

けどあの子達まだ勝負をしているのかしら?だとしたら長過ぎるわね………もし私が上がる頃になっても来ないようであれば、1発勝負のジャンケンでもしようかしら。涼風は大丈夫だけど、柊は圧をかければすぐに言う事を聞いてくれるものね。あっ、この事は内緒よ?

 

 

柊「あっ、お母さんお待たせ〜♪」

 

涼風「お待たせしました。」

 

紫苑「あら、漸く来たのね。それも2人仲良く。てっきりどっちかは臍曲げてるのかと思っていたんだけど、良い結果になったの?」

 

柊「ふっふ〜ん、まぁね♪私達3人で寝る事になったんだ〜!いやぁ〜お父さんナイスアイデアだったなぁ!涼風がいっつも私に張り合うから3人でっていう考えがいつの間にかなかったのかもっ!」

 

涼風「お、お姉様!人聞きの悪い事を言わないで下さい!お姉様の節操の無さが問題なのです!」

 

柊「ちょっと!?節操が無いって何さ!?私はただ八幡君に甘えてるだけなんだけど!?」

 

涼風「それを少しは私にも分けて欲しいんです!」

 

柊「本音絶対それだよね!?」

 

柊/涼風「………」バチバチッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊/涼風「ぷっ!」

 

柊「あっはははは!!」

 

涼風「ふふふふふっ!」

 

 

この2人の良いところよね。少し喧嘩になったとしても、すぐに笑って仲直りできるところが。それに私かあの人が別の案を出して八幡君を遠ざけようとすると、同じような反応をするものね。やっぱり姉妹なのよね。

 

 

柊「じゃあ私達姉妹は、八幡君にもっと甘えたいっていう事で!」

 

涼風「はい、分かりました。お姉様!」

 

紫苑「そういえば八幡君の学校は明日文化祭なのよね?貴方達はどうするの?」

 

柊「勿論行くよ!八幡君と文化祭デートしたいしね♪色んなの食べて、色んなのやって来ないと損だもん!」

 

涼風「私もお姉様と一緒に行くつもりです。それにお姉様をお1人にすると、少し危なそうなので。」

 

柊「ちょっと涼風、それどういう事?」

 

紫苑「そうね、涼風お願いね。」

 

柊「お母さんまで!?」

 

紫苑「ところでずっと気になっていたんだけど涼風、貴女はどうして八幡君を気に入ったの?涼風の事だから慣れるまでに時間が掛かるかなぁって思っていたのに、すぐに八幡君にベッタリになったから気になってたのよね。」

 

涼風「えっと……何回かはお姉様と八幡さんに言ったのですが、いつしか私は八幡さんの事を兄のように見るようになっていました。勿論、八幡さんも無意識でしょうし、私の意識のし過ぎとも思っていましたが、八幡さんの態度も変わる事がなかったので。」

 

紫苑「そうだったのね……まぁ涼風の姉は少しチャランポランだから仕方ないわね。」

 

柊「ねぇ、流石に私も泣いちゃうよ?」

 

紫苑「ふふふっ、ゴメンなさいね。少しからかい過ぎたわ……寝るのは八幡君専用のあの部屋?」

 

柊「そっ、あの部屋のベッドなら私達3人寝ても余裕だからってお父さんが。あっ、そうそう!涼風はどっちで寝たい?八幡君の左か右、どっちが良い?」

 

涼風「私はどちらでも……敢えて言うのなら右側ですが、何故そのような事を?」

 

柊「んぅ〜?気になるぅ〜?」ニヤニヤ

 

涼風「………少しだけ。」

 

柊「実はね、左を選んだ人はガードが固い人で右を選んだ人が襲ってもいいですよって事なんだって!やぁ〜涼風ちゃんはムッツリだなぁ〜。」ニヤニヤ

 

涼風「………お姉様が変態親父のようになったと八幡さんに報告しておきますね。」

 

柊「わぁーー嘘っ!!嘘嘘、嘘だから!!!だからお願い!!八幡君にそんな事言わないで〜!!!」

 

 

もう、柊も少しは学習しなさいよ。そんな手で涼風が動揺するわけないじゃない。けど今の説って本当なのかしら?

 

 

紫苑「柊、大声を出さないの。はしたないわよ。私達もそろそろ身体を洗ってちゃんと温まってから上がるわよ。」

 

柊/涼風「はぁ〜い(はい。)」

 

 

紫苑sideout

 

御影side

 

 

御影「あっ、あ〜ぁ、まぁたファウルだよ……今日はツイてないなぁ。八幡君に取られっぱなしだよ。最後の9に賭けるしかないじゃないか。」

 

八幡「おじさんが全力過ぎるんでしょう……少しは加減したりとかしましょうよ。だから打って入った後も自分の球も入りに行くんじゃないですか。」

 

御影「あははっ!!八幡君の言う通りだ、けどこうして義息子と勝負もしてみたかったんだよね〜。賭けたのはコーヒー牛乳だけど。」

 

八幡「こんな家なのにコーヒー牛乳が1本しかないって逆に驚きましたよ。お酒やジュースはあんなにたくさんあるのに。」

 

御影「いやぁ本当だねっ!」

 

八幡「んじゃ、5番も貰いますからね?」

 

御影「まだ勝ち誇るのは早いんじゃないかなぁ?おじさんの本気を見せてあげるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「で、結局取れたのは1番と6番の球だけで。」

 

涼風「八幡さんは3番と5番と7番と9番で。」

 

紫苑「残りの数字は全部貴方が自分の球と一緒に落としたと……貴方ビリヤード下手ね。」

 

御影「ち、違うよ!?八幡君と出来るのが嬉しかったから舞い上がってただけだよ!」

 

柊/涼風/紫苑「言い訳。」

 

御影「妻と娘達が辛辣だよ八幡君………」

 

八幡「………このコーヒー牛乳もたっかいヤツやん。」ゴクゴクッ

 

 


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