俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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息ピッタリ♪

ーーーーーー

 

 

めぐり「お前ら、文化してるかぁ〜!?」

 

 

〜〜〜!!!!!

 

 

めぐり「千葉の名物、祭りと〜?」

 

 

踊り〜〜〜!!!!!

 

 

めぐり「同じ阿呆なら、踊らにゃあ〜?」

 

 

Sing a Songシンガッソ〜〜〜!!!!!!

 

 

事前に打ち合わせしていたのかと疑う程の息ピッタリの掛け声。そしてステージ上ではダンス部とチア部による踊りのパフォーマンスが繰り広げられている。

 

 

『こちらPA、間も無く曲消えます。』

 

「了解。雪ノ下委員長スタンバイします。」

 

 

めぐり「では次に文化祭実行委員長より挨拶です。委員長、お願いします。」

 

雪乃「はい。」

 

 

体育館からは騒めきが生じた。その騒めきは予想されていたものと近いもので、『やっぱりかぁ〜。』『雪ノ下さんだよね〜。』『むしろあの人以外居なくね?』という声がちらほらと聞こえていた。

 

 

雪乃「皆さんこんにちは、文化祭実行委員長の雪ノ下です。今年のスローガンは先程皆さんが会長と仰ったように『千葉の名物、踊りと祭り!同じ阿呆なら踊らにゃ♫Sing a Song♪』です。なので皆さん、この文化祭を全力で楽しんで下さい。以上で挨拶を終わります。それと同時に、第○○回総武高校文化祭を開催します。」

 

 

そして学年問わず全員が拍手と共に叫び出し、口笛などの音も聞こえてきた。

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

ーーーOPセレモニー後ーーー

 

 

雪乃「それでは各自文化祭を楽しみつつ、自分の時間には遅れないように。では解散です。」

 

 

ふぅ、漸く終わりか………俺は写真を撮りながら文化祭のパトロールだったな。そういや柊と涼風は何してんのかね?校長と話があるとか言ってたが、もう終わってたりするのか?まぁいい、取り敢えずはカメラと腕章を持ちながら仕事に行きますか。

 

 

ガラガラッ

 

 

柊「……あっ、八幡君やっと来た♪ほらほら早く行こっ!時間無くなっちゃうよ!」

 

涼風「時は有限です、時間は待ってはくれないのです。1分1秒も無駄には出来ません、早速向かいましょう。」

 

八幡「………お話は?」

 

柊「え、終わったよ?だからセレモニーが終わってからはずっと此処で待ってたんだ♪」

 

八幡「俺、一応実行委員の仕事もあるんだけど?」

 

涼風「楽しみながらすればいいだけの話です。両立させてはダメなんて決まりはないでしょう?」

 

 

………確かにその通りだ。写真を撮りながら文化祭を満喫してはダメなんてルールはない。けどこの2人といると確実に俺は好奇の目で見られる。特に戸部からは間違いなく声を掛けられるだろう。現に今も後ろや周りから見られているし。

 

 

柊「ほら早く♪」ダキッ!

 

涼風「行きましょう、八幡さん///」ダキッ!

 

 

やめて。こんな目立つ場所で俺の腕に抱き着くのはマジでやめて。

 

 

八幡「なぁ、これじゃカメラが持てないから「撮る時には離すから♪」いやそういう問題じゃ「八幡さん、ダメですか?」ぐっ………わ、分かった。」

 

柊「やったぁ♪」

 

涼風「や、やりました♪」

 

八幡「んじゃ早く行くぞ、これ以上晒し者にされてたまるか。」

 

柊「この先に行ったらもっとなったりして〜。」

 

八幡「………言うなよ。」

 

 

ーーー校庭ーーー

 

 

既に一般の人も学校の敷地内に入っているからか、それなりに賑わっていた。学生達も自分たちの模擬店で物売りをしていたり、宣伝をしたり、他の模擬店を見に行ったりと忙しない様子だった。だがある意味違う賑わい(驚き)を見せているのもあった。それが………

 

 

柊「八幡君、今度はあっち♪人も集まってるから良い感じの写真が撮れると思うよ!」

 

涼風「お姉様、その次はあちらはどうでしょう?お店を背景にしながら撮れば、映えると思います。」

 

柊「あっ、それ良いね!」

 

 

カメラをぶら下げながら美少女2人に連れられている男子、つまり俺である。流石に注目されないわけないよな、そしてこの2人は全く腕を離す気配がない。本当に撮るってなるまで離す気はないらしい。

 

 

柊「はぁーい楽しんでいる所悪いんだけど、お写真撮りたいから、こっち向いて笑顔でお願〜い!」

 

 

そしてこのコミュ力の高さ。まぁ見せかけだろうが、それでも俺には出来ない芸当だ。

 

 

柊「はい、じゃあ撮るよ〜3、2、1……オッケーありがとう〜♪」

 

 

因みに言うぞ?撮ってるのは俺だからな?柊は掛け声を言っているだけだ。俺はそれに合わせてシャッターを切っているだけだ。

 

 

八幡「なんかすげぇ助かるわ。」

 

柊「このくらいお安い御用っ!涼風が見つけて、私が声を掛けて、八幡君が撮る!これ完全に私達の息がピッタリな証拠だよね〜♪」

 

涼風「八幡さんのお役に立てているのなら良かったです。何か買ってきましょうか?」

 

八幡「一緒に行くか?」

 

柊「賛成〜♪何食べよっか?」

 

涼風「八幡さんは両手が塞がっちゃいますし、無難にたこ焼きにしましょう。ちょうど正面にありますし。写真を撮るついでに購入しましょう。」

 

柊「やっぱり涼風は気が利くなぁ〜、八幡君もそう思わない?」

 

八幡「あぁ、けど思った事を聞くぞ。そのたこ焼きって、人数分買うのか?」

 

涼風「いいえ?1人分ですが?それでは八幡さんに食べさせる事が出来ないではありませんか。」

 

 

………この妹、段々と姉の色に染まってきてる。

 

 


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