八幡side
八幡「じゃあ、お願いします。」
カメラでの写真撮影の時間も終わって、漸く仕事から解放された。今は実行委員も何もない状態で文化祭を回れる。と言っても1人で、ではないが。
柊「終わった?」
八幡「あぁ、終わった。」
柊「じゃあ行こっか♪ねねっ、次は何処に行こっか?少し物足りない感じがするから、まだ何か食べよっか?」
八幡「そうだな……涼風はどうだ?」
涼風「私はお2人に従います。というよりも、八幡さんに従います。お仕事の後なのでお疲れでしょうから、八幡さんのしたい事をなさっては?」
八幡「つっても今は飲み物を飲みたいだけだからな。まぁ今柊が言ったように何かを食べながらでもいいぞ。今ならカメラを持ってないから自分で食えるしな。」
柊「八幡君、それって私達に食べさせられるのが嫌だったって事?」
八幡「そういう事じゃない。ただ人前では控えて欲しいってだけだ。お前等は気にしていないんだろうが、割と恥ずかしいんだからな?」
涼風「す、すみません八幡さん………」
八幡「いや、もう終わった事だからいい。」
柊「でもでも!別に嫌ってわけではないんだよね!?そうなんだよね!?」
八幡「あぁ、それは間違いない。」
柊「じゃあ腕に抱き着くのは?」
八幡「………それもなるべくは控えて欲しい。手を繋ぐ程度だったら構わない。」
まぁ、腕に抱き着かれて密着されるよりかはまだマシだしな。毎度毎度メロンを押し付けられたらたまったもんじゃない。
柊「じゃあ文化祭の間は手を繋ぐで我慢するね。」
涼風「他ならない八幡さんからのお願いです、私は受け入れます。」
………文化祭の間だけなんだ。
ーーー校内・廊下ーーー
柊「ちゃんと校内は回ってなかったよね。中にも色んなのがいっぱいだね♪」
八幡「外で模擬店出してたのは3年だからな、1〜2年は自分のクラスでしか出し物出せない決まりになってんだよ。まぁ、外で店出してない3年もいるけどな。」
涼風「部活動が主体になっての模擬店は無いのですね………誠教学園では部活動での参加も認められていますので、毎年かなりの数の模擬店があるのですよ。まぁその分、クラスと部活動で両方の準備をしなければならない事になりますが。」
うわぁ、超大変。俺絶対にやりたくないわ。だって俺の部活動なんてアレだろ?お悩み相談くらいしかやる事ねぇじゃん。絶対やらんし、参加もしねぇ。
小町「お兄ちゃ〜ん!!」
八幡「ん?小町、お前総武高に来てたのか?」
小町「ヤダなぁ私が受けようと思ってる高校だよ?来るに決まってるじゃん!それに下見も兼ねてね♪それとお兄ちゃんの様子も見にね。」
八幡「あぁ、そう……まぁ楽しめよ。」
小町「うん!!所でさ………隣に居る2人ってこの前の北海道旅行で紹介してた彼女さんだよね?」
八幡「そういやあれ以来、2人の事を紹介とかしてなかったな。右にいるのが柊で俺の彼女、左が涼風で柊の妹だ。双子の姉妹だからそっくりだろ?」
小町「いやぁ〜兄がいつもお世話になってます、妹の小町です。」
柊「何もだよ。私の方こそいつも八幡君と楽しく過ごさせてもらってるよ、彼女の夜十神柊です。」
涼風「妹の涼風です。」
小町「にしても………この前は画面越しでしたけど、生で見るとホントに綺麗ですね〜。」
柊「あはは、ありがとう。八幡君も言ってたけど、本当に似てないね?」
八幡「だろ?似てんのはアホ毛だけだ。それよりもお前1人か?」
小町「うん。他にも誰か誘おうと思ってたけど、今日休みだしね。面倒くさがるかなぁって思って。」
ほう、流石は俺の妹だ。人の事まで考えられる辺りは上出来だな。
小町「じゃあお邪魔したらいけないと思うし、小町はもう行くね〜、あっそれと、ちゃんとエスコートしてあげてよ?」
八幡「やれやれ、忙しない妹だね。」
涼風「ですが良い妹さんですね。あんな子が欲しかったかもしれません。」
八幡「いやいや、小町はアレで大変だぞ?妹にオススメは出来ねぇぞ?」
柊「八幡君、小町ちゃん自分の妹なのにその発言ってどうなのさ………まあ私には涼風がいるから妹はいいかなぁ。」
八幡「考えた事ないなぁ………じゃあ俺がお前等の兄になれるとしたらどうだ?」
2人「今すぐ欲しい(欲しいです)!!」
八幡「その代わり結婚できないぞ?」
柊「そんなのずっと八幡君の側にいれば問題ないよ!!お兄ちゃんと結婚する的なアレで解決するもん!!だから問題なし!!」
涼風「そうです!!私も八幡さんが兄であるのなら、誰とも結婚したくありません!!八幡さんも結婚させません!!」
八幡「分かった、お前等の熱意は充分に伝わったから大声でその発言はやめようか。廊下だからすぐに人寄ってくるからよ。」
これじゃあ腕に抱き着く行為を取り消した意味がなくなる。この2人の暴走発言は何とかしないとな。いや、俺もそれを招くような事を言うのも気をつけよう。また2人が暴走するかもしれねぇしな。
八幡「んじゃあ当初の目的だった、飲み物と食べ物がある場所に行くけど、問題あるか?」
柊「なぁ〜んにもっ♪」
涼風「では、行きましょうか。」