俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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面倒な面談者

 

八幡side

 

 

八幡「校門で会っていきなり抱き着くなんて、一体どうしたんだ?昼間あんなにいたのにまだ物足りないってのか、このお嬢様2人は?」

 

柊「八幡君と一緒に居る時間は長ければ長いほど良いのだよ♪そうでしょう?」

 

八幡「いや、俺に聞かれてもな……」

 

涼風「まぁ八幡さん、お姉様のこの行為は許してあげて下さい。先程、雪ノ下家の御令嬢の雪ノ下陽乃様とお話をされていたんです。それで少しだけストレスが溜まっているのだと思います。」

 

八幡「え、マジで?あの人に会ったの?」

 

 

うっわぁ最悪だな、そりゃこうなる……のか?

 

 

柊「だから今はその気持ちを霧散させると共に八幡成分を補給中なの!今は10%だから残り90%ねっ!あっ、何なら過充電しても良いよ♪」

 

八幡「なぁ涼風、柊の言ってる事理解出来るか?俺、サッパリなんだけど。」

 

涼風「えっと……私も10%です///」

 

八幡「おい、お前もかよ………」

 

柊「あっ、八幡君!!今日は!?今日もウチに泊まってくよね!?」

 

八幡「え?」

 

柊「え?泊まるんだよね?」

 

八幡「いや、泊まら「泊まるんだよね?」いやだから「トマルンダヨネ?」………う、うん?」

 

柊「そうだよね〜♪八幡君2日連続で泊まるって言ってたもんね〜。あっ、安心して!今日は昨日みたいなメニューじゃないから!至って普通のディナーだから、多分!」

 

 

いや多分て………そこ確証無いのかよ。

 

 

涼風「すみません八幡さん。姉が我が儘で………八幡さんと過ごせる時間が少しでも長く欲しいみたいなので。」

 

八幡「そう言ってる割には涼風も逃さないようにしてるのはどうしてだ?」

 

涼風「………お兄様に甘えたいのです///」

 

 

Oh、そう来たか………俺の兄心を擽りに来やがったか。流石は妹だ、よく分かってやがる。けどまぁ、取り敢えずは………

 

 

八幡「小町に連絡だな、今日も泊まるって。」

 

 

ーーー夜十神家ーーー

 

 

宮間「お帰りなさいませ、柊お嬢様、涼風お嬢様、そして若様。」

 

 

もう直す気もなさそうだな………

 

 

涼風「ただいま、宮間さん。お父様とお母様はまだお仕事でしょうか?」

 

宮間「はい、仕事といえば仕事なのですが、只今お客様と面談中でして………」

 

柊「?宮間さんにしては煮え切らない答えね?そのお客様って誰なの?」

 

宮間「△△家の方々なのです。」

 

 

すると2人の顔が急に引き攣った。見るからに嫌そうな顔していた。俺は会った事ないが、そんなに嫌な人物なのだろうか?

 

 

柊「ねぇ、それってもしかしてさ………」

 

宮間「はい、御子息殿もご一緒でございます。」

 

涼風「お姉様、きっと業務関係のお話だけではございません。縁談のお話も込みでの面談でしょう。」

 

宮間「えぇ、私もそうだと思われます。今は旦那様と奥様がお相手をして下さっています。私はお嬢様方のお出迎えをしろと仰せつかりましたので、こちらで待たせて頂きました。」

 

柊「えぇ〜ヤなんだけど。」

 

八幡「なぁ、そんなに嫌な人なのか?その……△△家の人ってのは?」

 

涼風「いいえ、△△家の当主とその奥様はとても良心的な方なのですが、その息子さんに問題がありまして………その、自信家と言うのでしょうか……「八幡君、要するにその男はエリート意識が強いの。だから才能のある人とは仲良くするけど、乏しい人には蔑ろにするっていうか、明らかに見下すんだよね。」……ま、まぁそういう事なのです。」

 

八幡「エリート意識が強い、か………お前達と一緒の学校なのか?」

 

柊「まぁね。何かある度に構ってくるんだよね〜。私達は鬱陶しいから遠回しにあっちに行けって言ってるのに、全く気付かないんだよね。ホンット嫌になる!」

 

涼風「そうですね、彼は周りとの人間関係が明らかに出る方ですね。自分とよく関わりを持つ方とは良い関係を築けますが、無い方とは良好な態度は示しません。」

 

八幡「お前達2人が言うんだから相当だな、俺も流石にソイツとは関わりを持ちたくはないな。」

 

柊「しかも運が悪い事にさ、親がウチの会社で勤めているから知り合いなんだよね。だから小学生くらいから顔見知りになってるんだよね。しかも合わせたかのように小学と高校は一緒になったしね。」

 

 

所謂幼馴染(?)ってヤツか。けどそんなに会う頻度は少ないようだから一概にそうは呼べないか。

 

 

八幡「なら俺はソイツに会わないように早く此処から場所を変えないとな。居間に行けば大丈夫か?」

 

宮間「えぇ、恐らくは。旦那様と奥様も流石に居間へは連れては来ないでしょう。」

 

柊「じゃあ行こっか!」

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

八幡「それで、その男の人間性は分かったんだが、見た目的にはどうなんだ?容姿の問題もあるだろ?」

 

2人「普通。」

 

八幡「………いや、もっとあるだろ。」

 

柊「ううん、普通。」

 

涼風「はい、普通ですね。」

 

八幡「………見た目の個性ゼロかよ。」

 

涼風「もしかしたらですが、初対面の八幡さんを値踏みするように見るかもしれません。そして最後に自分よりも上か下かを判断して態度を変えると思います。正直に言いますと、私はこれがとても気に入りません。」

 

 

まぁだろうな、人を見た目で判断するようなモンだ。柊と涼風はそんな事しないけどな。

 

 

柊「まぁ、面談が終わるまでは此処で大人しく静かに待ってようよ。私達も彼には会いたくないし、相手にしたくもないしね。」

 

八幡「ボロクソ言ってんな。」

 

 

 

 

 

 




さて、生焼け肉名物の△△です。

今回のこの△△ですが、後に名前が明らかになります。

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