俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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関係の終わり

 

 

柊side

 

 

森崎事変の日から翌日。今日も何もない事を祈るけど、森崎が来ない事を本当に切に願うばかりね。普段からあまり外交的じゃない内気な涼風があれだけ言ったんだから少しは効果があったんじゃないかとは思うけど。それでも効果が無かったら、それはもう超絶鈍感野郎としか思えないわね。

 

 

戸塚「そういえば八幡、やっぱり今日もかな?」

 

八幡「ん?何がだ?」

 

戸塚「何がって言われるとどう答えていいか分かんないけど、最近の放課後ってよく他校の生徒が来てるでしょ?今日もなのかなぁって……」

 

八幡「あぁ〜分からん。一応昨日は涼風が言いたい事全部言ったけど、それでも来たらいよいよ何すればいいか分からなくなる。」

 

戸塚「そ、そうなんだ………あのね、学校中で噂になってるんだよ?八幡とあの他校の生徒が夜十神さんの取り合いをしてるって。」

 

 

え?取り合い?八幡君と森崎が?ないない、私達は断然八幡君側だから。

 

 

戸部「あぁ〜その話は確かに出てるべ。ヒキタニ君と他校の男子生徒が夜十神さん達でモメてるって噂はサッカー部でも話題だべ。」

 

柊「まさかとは思うけどその話、信じてるわけじゃないよね?」

 

戸塚「それは本当にまさかだよ。だって夜十神さん達の行動を1週間だけでも見てたら分かるよ。2人が八幡の方が好きだっていうのは分かるし。」

 

柊「当然っ!」

 

涼風「当たり前ですね。」

 

戸部「けどこれがずっと続くワケにもいかねぇべ。そろそろ何とかしないといけねぇべ。」

 

八幡「まっ、それも今日次第だな。」

 

 

ーーー放課後ーーー

 

 

八幡「さて、放課後になったがどうなるか……」

 

涼風「理解して下さればいいのですが………」

 

柊「期待薄だよね〜。」

 

八幡「っ!おいおい、マジかい……」

 

柊「え?うわぁ……その手で来たの?」

 

涼風「1人では勝てないと見て………」

 

 

同級生連れて来てるんですけど………え、貴方達ってそんなに暇なの?他校にちょっかい出せるくらい放課後って暇なの?信じられないんだけど?

 

 

八幡「今度は徒党を組んだか……なぁ、流石にこれはおじさんに言った方がいいだろ?」

 

柊「うん、報告確定事項。」

 

涼風「非常に気が進みませんが、行くしかありませんね。とても嫌ですが。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森崎「こんにちは、夜十神さん………居なくてもいい奴も居るようだけど。」

 

柊「そうね。私としては早くそこをどいて欲しいんだけど?帰れないから。」

 

涼風「それとも昨日言った事をお忘れですか?それでしたらもう1度言いますか?」

 

森崎「いや、君達はソイツに言わされてるだけなんだろ?もう無理をする必要はない。」

 

2人「は?」

 

 

今、自分でもビックリするくらい低い声が出たと思う。それくらい今の言葉に腹が立った。

 

 

「夜十神さん、俺達と一緒に帰ろうぜ。」

 

「そんな目が魚みたいな奴はほっといてよ。」

 

「そうよ、私達と帰りましょう?」

 

八幡「随分と言いたい放題言ってるみたいだが、この2人の意思は無視か?物事を強要するのは良くないと思うが?」

 

「は?お前は何様だよ?夜十神さんと関われてるからって調子乗るなよ?」

 

「所詮アンタなんて夜十神さんが居なければ、ただの目の腐ったゾンビなんだから!」

 

 

………あぁ、もういいや。

 

 

八幡「っ!……おいお前等、話はもう終わった。俺達は帰らせてもらう。それと森大。」

 

森崎「僕は森崎だ!!一体何度言ったら分かるんだ、お前は!!?」

 

八幡「お前の苗字なんてどうでもいい。それよりお前も終了のお知らせだ。涼風、行くぞ。」

 

涼風「はい、八幡さん。」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ夜十神さん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「ねぇ八幡君、私の左肩が少し重くなったんだけどさ、何か置いてるの?」

 

「え………」

 

八幡「気にするな、()()が手を置いているだけだ。俺がすぐにどける。」

 

柊「うん、ありがとう♪」

 

八幡「おい、その手をどけろ。」

 

「は、はぁ!?何で「いいからどけろって言ってんだよ。今ので分かんねぇのか?」っ!?」

 

八幡「もう柊はお前等の事なんて見えてねぇんだよ。今俺が言ったように、幽霊扱いしてるんだよ。」

 

森崎「ど、どういう事だ!?」

 

八幡「聞いた事あるか?幽霊ごっこって遊び。」

 

「そ、それってアレでしょ?その人に関わったら、関わった人も幽霊になるって遊びでしょ?それが何よ?なんの関係があるのよ?」

 

八幡「噂に尾鰭が付くのは当たり前だが、一通り説明してやるよ。」

 

 

八幡君は何故か()()()に幽霊ごっこの話をしているわ。どうしてかしら?

 

 

八幡「そしてその被害者が柊だ。暫くの間、柊は誰からも相手にされなくなっていた。後の事はプライバシーもあるから説明を省くが、噂も無くなってから謝る奴も増えて来たが、柊はソイツ等の事は見えていなかった。いや、見ていなかっただな。つまりだ、お前等も中学のソイツ等と同じになったってわけだ。」

 

森崎「お、おい!!何でだよ!?僕達はただ!!」

 

八幡「2人を説得しに来ただけ、とでも言いたいのか?お前からすればそうだろうな。けどな、柊にとってそれは迷惑でしかねぇんだよ。その結果がコレだ、お前等は柊からは認識されなくなっている。嘘だと思うのなら柊の手にでも触れてみろよ、触れるまで気づかないぞ。」

 

柊「ちょっと八幡君!何勝手に触らせようとしてるのさ!?幾ら幽霊でも触られるのは嫌なんだけど?勘弁してよ〜。」

 

 

八幡君ってば冗談が過ぎるよ〜全くもう♪

 

 

八幡(やっと理解しやがったな、コイツ等も森可も。だが分かったところでもう遅い。柊はもうお前達の事なんて見えていない。恨むのなら、愚かな事をした自分達を恨むんだな。)

 

 

八幡「じゃ、そろそろ行くか。」

 

柊「はぁーい♪」

 

涼風「分かりました。」

 

 

 

 

 





さて、これで森崎君もあの時の中学生達と同じに。

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