俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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現状維持とからかい

 

 

八幡side

 

 

柊「ふぅ〜ん、葉山君と由比ヶ浜さんがねぇ〜……確かに気になるかも。でもさ、新堂先輩が言うには何も無かったんでしょ?」

 

八幡「ならいいんだけどな。今更何かしらのアプローチをされても、俺としては困るだけだしな。部活に行く頻度を増やしたいとも思わねぇし。」

 

涼風「ですが気になりますね、お2人のお話の内容というよりも、由比ヶ浜さんが八幡さんで何かを思い詰めている内容というのが。」

 

八幡「十中八九奉仕部の事だろうな。でなきゃアイツが悩むとは思えない。けど何で今なんだ?やろうと思えばいつでも行動を起こせた筈だけどなぁ………」

 

 

……いや、無理か?事故の礼を1年経ってからする程のシャイだから無理か?

 

 

八幡「まぁ、何かあったら言ってくれ。俺もあったら言う事にするからよ。」

 

柊「うん、分かった。」

 

涼風「よろしくお願いします。」

 

八幡「あぁ。【ピンポンパンポーン】『まもなく、お昼休みが終了します。生徒の皆さんは、時間までに待機場所へとお戻り下さい。』……ちょうど時間みたいだな。じゃあ柊、また後でな。」

 

柊「うぅ、この時ばっかりは涼風が羨ましい……」

 

涼風「ふふっ、我慢して下さいね、お姉様。」ニコッ

 

柊「うわぁ〜その良い笑顔が腹立たしいっ!」

 

 

柊も自分の席へと戻り、少ししてから午後の部が始まった。午後の部は午前の部と違って団体で行う競技が多い。俺が参加するリレーもその1つだ。だがリレーは最終種目だから時間が余っている。それ故に………暇というわけだ。

 

 

八幡「……涼風、悪いがトイレに行ってくる。」

 

涼風「分かりました、お気を付けて。」

 

八幡「なるべくすぐ戻る。」

 

 

ーーー校舎ーーー

 

 

八幡「グラウンドから校舎って微妙に距離あるんだよなぁ………」

 

結衣「あっ、ヒッキー。」

 

八幡「……よう、由比ヶ浜。」

 

 

俺の事で何かを気にしているようだが、気にしているだけなら俺から話しかける義理は無い。このままトイレに向かうか。

 

 

結衣「ねぇヒッキー!」

 

八幡「……どうした?」

 

結衣「ヒッキーは……今の部活どう思ってる?」

 

八幡「………ちょっと意味分かんないんだが、もうちょっと情報は無いのか?」

 

結衣「えっと……ヒッキーが月曜しか来なくなってから結構経ったけどさ、今でも……その、部活に月曜にしか来る気は無いのかなって。」

 

八幡「………まぁ確かに、以前に比べればまだマシにはなっているとは思うが、俺は別に参加頻度を増やしたいとは思ってない。元々強制で入れられた部活動だしな。それに俺は今の立ち位置で充分だと思ってる、本当は辞める気だったが、平塚先生との約束もあるからな。」

 

 

自由の身になりたい、と思った事はある。正直今もだ。だが今ではないと思ってるだけだ。

 

 

結衣「………そうなんだ。私はね、前みたいに部活が出来たらなぁって思うんだ。依頼が来るまで3人でお話ししたりしてさ。」

 

八幡「言っておくが、俺は罵倒を受けてまであの部活に参加しようとは思わないからな?」

 

結衣「そんなつもり無いし!けど、私もゆきのんも悪気があってやってるわけじゃないの。それだけは理解して欲しいかな。」

 

八幡「んな事分かってるよ。もし本気の悪ふざけ無しで言ってたら、俺次の月曜から絶対行かねぇ。」

 

 

いや、悪気が無くてもあの罵倒は控えて欲しいんだけどね?正直俺も嫌だから。

 

 

結衣「月曜は来るしっ!それにそんなつもりも無いしっ!けど………ヒッキーが来たくなったら私とゆきのんはいつでも待ってるから。」

 

八幡「………まぁ、頭の片隅にでも入れておく。」

 

結衣「うん。」

 

 

可能性が無いって知ってながら、来るわけないなんて思っておきながら、そんな事言うのかよ?今のお前、少し性格が悪いぞ、由比ヶ浜。

 

だが、さっき新堂先輩が言ってた内容は多分これだな。そんなに心配する事でも無かったか。

 

 

ーーー救護テントーーー

 

 

八幡「済まん、待たせた。」

 

涼風「いいえ、こちらも特に何も無かったので構いませんよ。」

 

八幡「そうか。」

 

涼風「喉は渇いていませんか?」ズイッ

 

八幡「あぁ、大丈夫だ。」

 

涼風「寒かったり暑かったりはしませんか?」ズイッ

 

八幡「と、特に無いが……」

 

涼風「退屈したりしていませんか?」

 

八幡「それは現在進行形なんだが、少しいいか?」

 

涼風「はい、何でしょう?」

 

八幡「………どうして構ってちゃんになっちゃってるんだ?」

 

涼風「ふふっ、姉の反応を見る為です。ほら。」

 

 

涼風の指さす方向には、柊が物欲しそうな目でこちらを見つめている。多分、俺達のやり取りが羨ましいんだろうな。

 

 

涼風「姉をからかえる数少ない機会ですので、ここは私も楽しまないといけないと思いましたので。」

 

八幡「お前は……実の姉で遊ぶなよ。意外な所で茶目っ気を出すんじゃねぇよ。」

 

涼風「いいではありませんか、少しくらい。少しくらいのやり返しなら許されるはずです。」

 

 

いや、逆に柊がからかおうとすると、お前が返り討ちにしてると思うんだが?

 

 

八幡「それで、次は何をしていじめる気だ?」

 

涼風「そうですね………少しだけ席を近くしてみましょう。表情が変わって面白いですので。」

 

八幡「完全に楽しんでるだろ、お前。」

 

 

 

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