八幡side
現場に着いた俺達は、おじさんと一緒に車の中で待機している。外には盾や警棒、ゴム弾を装填している拳銃を装備している警官数十人に、【Nigh-Ten・Group】のベテラン警備員が数十人と、かなりの人数になっていた。その警備員の中には森崎両親も含まれていた。相手の戦力が分からない為、迂闊に手を出せないこちら側だが、向こう側も逃げる事が出来ない為、膠着状態になっていた。
八幡「………」
御影「………」
『こちら正面入り口前。数人の人影がこちら側の様子を伺っている。今の所攻める意思は見られないが、逃げる意思も見られない。』
『了解、そのまま見張りを続けろ。潜入部隊ももう少しでポイントに着く。』
『了解。』
八幡「あの下衆、会ったらぶん殴ってやる。」
御影「……そうだね。流石に僕も看過出来ないから、森崎君達が何と言おうと1回は殴らせてもらおうかな。娘達をこんな目に遭わせたんだ、タダでは済まさないからね。」
八幡「はい、報いは受けさせます。」
『潜入部隊、ポイントに到着。』
『了解。では作戦合図を出す。カウントは15秒だ。15秒後には各員、敵対勢力の制圧と目標人物の保護、そして標的の拘束を迅速に行うように!ではカウントを取る!』
御影「いよいよだね………」
八幡「はい。」
御影「これで………」
八幡「やっと………」
2人『報復が出来る!!』
『潜入開始!!』
八幡sideout
森崎side
アイツ等上手くやっているのか?外が少し騒がしくなっている気がする………くそっ、僕達も移動しないとマズイな。
バタバタバタバタッ!
森崎「な、何だこの足音は!?」
「っ!!目標人物と標的を発見!!これより目標人物の保護と標的の拘束に入る!!」
森崎「な、何だとっ!?」
「ふんっ!!」
森崎「がはぁ!!」
僕は何が起きたのか、分からなかった。目の前に現れた警官達が目標人物やら標的やらを言い終わった直後に僕を攻撃してきた。一体何だ、何だっていうんだ!?
「標的の拘束、並びに目標の保護に成功を報告!」
『こちら正面、敵対勢力の制圧の完了を報告!』
『了解。全員次に与えられた任務を遂行せよ!』
「了解。よし、じゃあこの先からは……」
森崎父「はい。我々の社長をお呼びします。今暫くの間、抑えておいてください。」
今の声は父さん!?何故父さんが!?それに社長って………一体どういう事なんだ!?
森崎sideout
ーーーーーー
ーーー数分後ーーー
「社長、こちらです!」
御影「………」
森崎「っ!!」
涼風「お父様っ!!」
御影「涼風、怖い目に遭わせてしまって済まなかったね。」
涼風「いいえ……いいえっ!」
八幡「……柊。」
柊「っ!八幡君っ!!」ダキッ!
涼風「八幡さんっ!!」ダキッ!
森崎「っ!!おいお前!!僕の柊さんと涼風さんから離れ「黙れっ!!」ぐうっ!!?「今のお前に発言権は無い!!大人しくしてろ!!」ぐっ、ぐぐぅぅ、
森崎母「社長、この度はウチの息子がとんでもない事を………伏して謝罪しましても収まりません!!ですが、ですがどうか謝らせて下さい。本当に申し訳ございませんでした!!」
御影「……うん、今はその謝罪を受け取っておくよ。森崎さん。けど僕にも許せない事もあってね、それをした者が目の前に居ると思うと、腸が煮え返る思いだよ。そうは思わないかい、八幡君?」
八幡「はい、すぐにでも殴り飛ばしてやりたいですよ。けどそれをやったら理由を聞けなくなるので、今は抑えてます。」
御影「ありがとうね………じゃあ早速、始めていこうか。因みに言っておくけど、君に回答の拒否権はないからね?回答を拒んだ分だけ僕と八幡君に報復されると思った方がいいよ。」
森崎「っ!!?」
森崎は今の発言に驚いていたが、当然だろう。これだけの事をしておいてお咎め無し、なんて事にはならない。森崎に待っているのは後にも先にも地獄しかないのだ。
御影「まず、どうしてこんな事をしたのかな?理由は大体見当がついてるけど、君の口から聞かない限りはこの場にいる全員が納得しない。答えてもらうよ。」
森崎「そ、それは………」
夜十神父「答えられないのかい?」
森崎「………ソイツと夜十神さん達を引き離す為、です。」
夜十神父「ふむ……ならきっとこの2人に幾つか提案を出したと思う。それを教えてくれるかな?」
森崎「っ!!」
御影「君が言わなくても娘達に聞くから安心するといいよ。報復もするけどね。」
その後の森崎は抵抗するだけ無駄だと感じ取ったのか、全てを洗いざらい自白した。八幡と柊との交際を破棄し、さらにそこへ自分が便乗。そして2人を再び誠教学園へと戻し、完全に八幡と関わる術を断つ事も。
御影「………それだけの為に、君は僕の大事な娘達をこんな目に遭わせた。自分の為だけに……僕の娘達をこんな目に………」
森崎父「お前がこんな風に育っていただなんて……父親として本当に恥ずかしい限りだ。」
森崎母「森崎家始まって以来の恥晒しだわ。」
八幡「んで、コイツどうするんです?話が終わったのなら、コイツ殴るなり蹴るなりしていいですよね?我慢の限界ですよ、俺は。」