俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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感謝とお食事

 

 

八幡side

 

 

ーーー夜十神家ーーー

 

 

ガチャッ

 

 

紫苑「っ!!柊、涼風!!」

 

柊/涼風「お母さん(お母様)!!」

 

紫苑「あぁ、良かったわ……本当に無事でよかったわ………」

 

御影「遅くなったね、ただいま。」

 

紫苑「えぇ、おかえりあなた。それから森崎さん達もご苦労様でした。」

 

森崎父「いえ、滅相もありません。」

 

森崎母「むしろ、私達がケジメをつけなければならない問題でした。」

 

紫苑「?それって………」

 

御影「詳しい事は4人でね。宮間、7人分……いや、8人分の食事を用意して。」

 

宮間「かしこまりました。」

 

 

?何で8人?此処にいるのは俺、柊、涼風、おじさんとおばさん、森崎の両親で7人で合ってる筈だ。あと1人って………あっ、新堂先輩か!

 

 

御影「食事ができるまでは、皆自由にしてていいよ。それに僕達は大人同士でのお話があるしね。八幡君、娘達をお願いしてもいいかな?」

 

八幡「はい、分かりました。」

 

 

ーーー客室前ーーー

 

 

「こちらです、お待ちを。」

 

 

目の前は新堂先輩が休んでいる部屋がある。多分2人も礼を言いたいだろうからな、何も言わずに連れてきた。まぁ会えば分かるだろう。

 

 

コンコンコンッ

 

 

新堂『どうぞ。』

 

「失礼致します。新堂様、若様、柊お嬢様、涼風お嬢様がお話ししたいとの事でしたので、お越しになられました。」

 

新堂「っ!そうですか、どうもありがとうございます。」

 

「いえ、では。」

 

 

執事はそれだけ言うと、扉を閉めて仕事に戻って行った。

 

 

新堂「……よかったよ、2人共無事みたいで。」

 

柊「新堂先輩も。けど怪我を……」

 

新堂「ううん、こんなの大した事ないよ。それよりもごめんよ、僕にもっと力があれば、君達をあんな目に遭わせずに済んだのに。」

 

涼風「とんでもありません!こちらの方こそ、あの時守って頂いた事、とても感謝しています!」

 

新堂「そう言ってくれて嬉しいよ。それにしても、夜十神さん達ってお金持ちの家だったんだね。僕初めてだよ、こんなに広い部屋に入ったのは。」

 

 

うん、それが普通の人の感性だよね。俺も最初その反応だった。いや、もっと凄かったかも?

 

 

涼風「お怪我の具合はどうですか?傷が痛んだりはしていませんか?」

 

新堂「ううん、大丈夫だよ。僕が執事の宮間さんに見つけられた時はボロボロの状態でおでこから出血してたみたいだけど、そんなに深い傷じゃなかったみたいだから。」

 

涼風「そうですか、よかったです………」

 

新堂「比企谷君も無事でよかったよ。」

 

八幡「俺は何もしてませんので。ただ犯人を自分の八つ当たりで殴った程度ですし。」

 

新堂「そっか………夜十神さん達のお父さん達は?もしかしてお話中かな?」

 

八幡「はい、なんでちょっと待っててください。」

 

新堂「ううん、その必要はないよ。僕はそろそろお暇しようと思ってたから。さっき僕の母から電話があってね、遅くなる事は伝えてあるけど、もうそろそろ帰らないといけないからね。」

 

 

あぁ……でもそれはまだ延長しそうですよ。何故なら今、とてつもない豪華ディナーが用意されてる筈ですから。驚きますよ、きっと。

 

 

コンコンコンッ

 

 

新堂「どうぞ。」

 

「失礼致します。皆様、お食事の御用意が出来ました。ダイニングまでご案内します。新堂様はお1人でも歩行は可能ですか?」

 

新堂「え?僕も、ですか?」

 

「勿論でございます。」

 

新堂「えっと、歩くのは大丈夫です。けど……」

 

柊「新堂先輩!折角なので食べていって下さい!ウチの料理長が作る料理は美味しいですから♪」

 

 

新堂先輩、多分すぐにお腹いっぱいになりますよ。いや、多分じゃないな、絶対だ。

 

 

ーーーダイニングーーー

 

 

下のダイニングルームに来てみれば、凄いご馳走が目の前に広がっていた。これには新堂先輩も驚き過ぎて、口を開いたまま固まっていた。

 

 

新堂「………比企谷君、これって?」

 

八幡「はい。この家の特徴とも言える、お客さんが来たら最高のおもてなし、その1つ目が豪華過ぎる料理です。」

 

新堂「………これは凄いね。」

 

御影「新堂君、身体の具合はどうかな?」

 

新堂「とても良くなりました、ありがとうございました。あの、僕は……「新堂君の分も用意してあるんだ。さっ、4人共席に着いて。」………ひ、比企谷君。」

 

八幡「諦めて下さい。」

 

新堂「あはは……僕、とんでもない家と変な関わりを持ってしまったのかもしれないね。」

 

 

それからは8人で食卓を囲った。大人は大人で話したり、俺等は俺等で話したりしていた。そして偶に大人が俺達に話を吹っかけたりしたりと平和な食事をする事が出来た。胃を犠牲にして。

 

 

紫苑「こんな風に5人以上で食事をしたのなんていつ以来かしら?」

 

柊「そうだよね〜。八幡君が泊まりに来る時は5人で食べてるけど、それ以外は基本的に4人だからね。こんな人数って私は初めてかも。」

 

森崎父「ほう、八幡君はこの家に何度か来た事があるのかい?」

 

八幡「殆どの場合、柊が泊まりに来て欲しいって理由と、おじ……社長と副社長と涼風の圧のある言葉と輝いた目でアピールしてくるので。」

 

紫苑「泊まりじゃなくて、住んだらどうって勧めてるのだけど、それは嫌みたいだから。」

 

八幡「だからといって一軒家を俺に勧めてくるの、やめて貰えません?冗談だとしても笑えませんので。」

 

紫苑「ふふふっ、ごめんなさいね。」

 

新堂「………比企谷君、この家って、凄いね?」

 

八幡「いや、凄いじゃ収まりませんって。」

 

 

どの言葉だったら収まるんだろう?

 

 


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