俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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責任とお詫びの粗品

 

 

森崎父side

 

 

社長からのご厚意でお食事をご馳走になった後は、食後のティータイムへと移っていた。今回の事件の内容も少しだけ話した。だが、まさか駿の奴がここまでするとは思わなかった………私の教育がどれだけ甘かったかが、今にして身に沁みるように思い知った。八幡君……いや、若様、柊お嬢様、涼風お嬢様、そして新堂君には本当に申し訳ない事をしてしまったと思っている。やはりこの責任は私が取るべきだ。

 

 

森崎「社長。」

 

御影「ん、どうしたんだい?」

 

森崎父「その……子供達の前でお話するような事ではありませんが、今回の事件の発端は我が愚息にあります。もし、会社としての立場が危うくなるようであれば、私が全責任を持って退職します。その時が来ましたら「その必要は無いよ。」……え?」

 

御影「確かに今回起きた事件は君の息子が引き金になっている。けどね、だからといって僕は君をクビにしたり、辞めさせたりするつもりなんて無いよ。何故なら、有能な君を我が社から追い出すわけには行かないからね。そしてもう1つ、君に責任が無いから。そうだろう?」

 

森崎父「し、しかしそれでは息子がしでかした責任を誰が取れと!?」

 

御影「そこだよ、森崎君。」

 

森崎父「……は?」

 

夜十神父「僕はね、そういう連座制がとても嫌いなんだ。先祖が過去に何か過ちをしたというだけで、その子孫が罪を咎められなくてはならないというのがとても嫌いなんだよ。請け負うのは1人だけで充分。君の息子が事件を起こしてしまったのは事実だけど、僕は君が責任を問われるような立場にはしたくはない。何故なら君は彼の父親という立場なだけで、この件にはなんら関わりを持たない。ならば彼がどれだけ言われようと、君達両親が何かを言われる事なんて間違いでしかないと思っているんだ。ましてや彼はもう高校生。やって良い事と悪い事くらいは身についていた筈なんだから。もし中学生だったら、責任を問われていたかもしれないけどね。」

 

森崎父「………」

 

 

何も………何も言い返す事ができなかった。息子の不祥事は親の責任。そう思っていたが、社長はそうは思っておらず、1人の責任はその1人だけに背負わせる、という考え方だった。先程仰られた連座制の考えを嫌っているのが証拠だ。

 

 

御影「だからね森崎君、君がそこまでして責任を取る必要なんて無いんだよ。君の息子だってこうなる事を覚悟の上でやったのかもしれないからね。」

 

森崎父「………はい。」

 

御影「うん。さて、この話は終わりにしようか。そういえばもう時間も遅いね。八幡君、新堂君、車で家まで送ろう。流石に高校生がこの時間に出歩くのはね、補導はされないけど、一応の為にね?」

 

八幡「すみません、お願いします。」

 

新堂「お手間をお掛けします。」

 

御影「いいんだよ、このくらいの事何でもないよ。じゃあ、支度が整ったら行こうか。」

 

 

ーーー玄関ーーー

 

 

御影「じゃあ、また少し出てくるよ。」

 

御影「えぇ、気を付けて。」

 

森崎父「若様、お嬢様方、新堂君、この度は本当にご迷惑をお掛けしました。申し訳ございません。」

 

森崎母「申し訳ございません。」

 

八幡「い、いいですよもう。俺も、その………我を忘れていたとはいえ、かなり痛めつけてしまいましたので、その………すいません。」

 

新堂「森崎さん達のせいではありませんので、そんなに気にしないでください。怪我もそんなに大した事ないので。それに謝罪ならお食事の時に頂きましたので。」

 

柊「私達も気にしてませんので!」

 

涼風「どうか、頭をお上げください。」

 

 

………心の広い少年と少女達だ、駿も彼等を見習って欲しかった。

 

 

森崎父sideout

 

新堂side

 

 

御影「いやぁ〜今日は色々あった1日になってしまったね。特に新堂君にはとんだとばっちりになってしまったね。」

 

新堂「え、えぇ……まぁ……」

 

御影「こんな風に喋ってるけどね、本当はすごく感謝してるんだよ。何度も言ってるけど、親にとっては子は宝だからね。」

 

 

夜十神さん達のお父さんが夜十神さん達を本当に大切にしているのがよく分かる。そうでなければこんな言葉は何度も出ない。

 

 

八幡「最初は新堂先輩の家からですよね?」

 

新堂「え、僕の?」

 

御影「うん、ご家族も大変心配しているだろう。だから僕もお詫びしないといけないからね。目の前に息子が怪我をして帰ってきたらビックリするだろうからね。」

 

 

ーーー新堂家ーーー

 

 

僕は普通に扉を開けて入ろうとしたんだけど、夜十神さんがインターホンを鳴らした。玄関の扉を開けた母さんは、当然僕を見て驚いていた。そして夜十神さんが事情を説明して何度も頭を下げていた。僕の両親も納得している様子だったから事なきを得た。

 

 

御影「あっ、申し遅れました。私、夜十神と申します。こちら名刺になります。」

 

新堂母「はい、ご丁寧にどう……っ!!?ナ、ナナナ、【Nigh-Ten・Group】社長!!?」

 

 

やっぱり、その反応になるよね。

 

 

御影「はい、僭越ながら。後、こちらつまらない物ですが、お詫びの品として。新堂君にもね。」

 

新堂「ど、どうも………」

 

 

そして夜十神さんは再度お詫びの言葉を言ってから、車に乗って行ってしまった。そして僕は渡されたお詫びの品を見ると………

 

 

新堂「【Nigh-Ten・Group】専用の小切手100万円分………」

 

 

しかも家族全員分………それとは別に家族にはお菓子や飲み物等が入っていた高級品だった。

 

 

 

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