俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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車登校と依頼

 

 

八幡side

 

 

森崎暴走事件から翌日の朝、何故か玄関の前には黒い車が停まっていた。多分、夜十神家の車だろう。小町の奴、先に行ってて良かった。これ見てたら絶対パニックになってた。だがこうして車でわざわざ俺ん家まで来たのは訳がある。それは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー回想・前日、夜十神家にてーーー

 

 

御影「八幡君。娘達なんだけど、暫くの間は車で送迎する形にする事にしたんだ。その事を君にも伝えておくよ。」

 

八幡「はぁ……まぁ仕方ないですよ、こんな事が起きたんですから。けど何でわざわざ俺に?」

 

柊「そんなの決まってるじゃん!!八幡君も一緒に車で登下校しようって事!!」

 

八幡「お、俺も?」

 

御影「うん……実は柊がね、『八幡君も一緒がいい!!』って言ってね、それで君にも聞いておこうと思ってね。どうかな?」

 

 

その時の柊の目は『分かったって言って!!オッケーって言って!!了解って言って!!イエッサーって言って!!』みたいな事を言っていた。涼風も目を潤せながら自身の両手を握りながら俺を不安気な表情で見ていた。

 

 

八幡「分かりました。目立つのは嫌ですが、もう今更です。俺も乗ります。」

 

柊「いやったぁ〜!!!ありがとう八幡君!!!大好き、大大大大好き♡」ダキッ!

 

 

柊、お前の気持ちのデカさには負けた。

 

 

涼風「八幡さんならそう言うと信じていました。」

 

 

さっきまで物欲しそうな目で見てた奴が何を言う。

 

 

ーーー回想終了ーーー

 

 

っと、このような事があったので、玄関には立派な車が待ってあるのである。

 

 

宮間「おはようございます、若様。どうぞ、お乗り下さい。」

 

柊「おはよ〜八幡君!!」

 

涼風「おはようございます。」

 

八幡「………あぁ、おはよう。」

 

 

………朝から無駄な注目を浴びそうだ。またあのうるさい奴が出てくるんだろうな。本当に勘弁してもらいたい気分だ。

 

 

ーーー学校・教室ーーー

 

 

はぁ………たかが車(見た感じ高級車)で送迎されただけで大袈裟だろう。どんだけ遠巻きでこそこそ話してんだよ。珍しい事か?

 

 

柊「なんか凄い騒がれてたね。」

 

涼風「そんなに珍しい事なのでしょうか?車での送迎が。」

 

八幡「多分今日みたいな雨も雪も降ってない日に送られてくるのが不思議だったんじゃないのか?まぁ、それだけじゃない気もするが。」

 

戸塚「おはよう八幡、夜十神さん達も!」

 

八幡「おう、戸塚。」

 

涼風「おはようございます、戸塚さん。」

 

柊「おはよぉ〜戸塚君。」

 

戸塚「なんか騒がしいけど、何かあったの?」

 

 

……そうか、戸塚はテニス部で朝練やってるってこの前言ってたな。だから知らないのか。

 

 

八幡「いや、ただ俺達が車で登校したってだけだ。そんなに珍しい事じゃないだろ?」

 

戸塚「そうなんだ………けど凄いね、一緒に車で来るくらいなんだね。」

 

柊「だって私の彼氏だもん♪親公認だしっ♪」

 

戸塚「そ、そうだよね………」

 

 

柊、多分戸塚が言いたいのはそこじゃない。涼風もなんか微妙な顔してお前を見てるから。

 

 

ーーー放課後ーーー

 

 

柊「八幡君、帰ろっ♪」

 

八幡「いや、今日は部活に顔を出す。」

 

涼風「?何故ですか?」

 

八幡「昨日何も言わずに飛び出したからな、詳しい話は言わないが、一応な。」

 

柊「そっかぁ………うん、分かった。」

 

涼風「では八幡さん、部活頑張って下さい。」

 

八幡「おう。」

 

 

あの部活で何を頑張れって話だけどな。

 

 

ーーー奉仕部室前ーーー

 

 

ガラガラッ

 

 

八幡「………よぉ。」

 

結衣「あれ、ヒッキー!?」

 

雪乃「比企谷君、今日は火曜日よ?」

 

八幡「いや、昨日飛び出して出てっただろ?だからその代わり、今日参加させてもらうわ。」

 

雪乃「昨日は随分血相を変えて部室から出て行ったけれど、何かあったの?」

 

八幡「……悪いが言えない。」

 

雪乃「そう、分かったわ。」

 

結衣「あっ、そういえば知ってる?昨日すごい数のパトカーが走ってたらしいよ!」

 

雪乃「……そうなの?」

 

結衣「うん、けど何だろうね?泥棒かな?」

 

八幡「陽が落ちるのが早くなったとはいえ、まだ明るい時間なのに泥棒ってのはないと思うけどな。」

 

雪乃「そうね、あり得るとしたら………誘拐、とかかしら?」

 

 

流石は雪ノ下、鋭い勘だ。

 

 

雪乃「けれど物騒ね。私達も気を付けましょう。」

 

結衣「うん!」

 

八幡「あぁ。」

 

 

まぁ、普通は考えつかないよな。自分達と同級生の奴等が誘拐されてるなんて。しかもそれが金持ちのお嬢様と来たもんだ。

 

 

八幡「そういや昨日、俺がいなくなってから依頼は来なかったのか?」

 

雪乃「えぇ、いつも通りよ。」

 

結衣「依頼来ればいいのにね〜。」

 

八幡「良い事だろ、あったらあったで面倒だ。面倒っていう爆弾抱えてくるんだからよ。」

 

雪乃「言い方に棘があるけれど、比企谷君の言う通りね。依頼はないに越した事はないわね。」

 

結衣「えぇ〜そうかなぁ?」

 

 

コンコンコンッ

 

 

………おい、由比ヶ浜がこんな事言うから依頼が来たかもしれねぇじゃねぇか。どうしてくれるんだよ、フラグ建造してくれやがって!要らねぇフラグ建てるんじゃねぇよ!!

 

 

雪乃「どうぞ。」

 

 

ガラガラッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉山「やぁ。」

 

 


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