俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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本心とお小遣い

 

柊side

 

 

八幡君と一緒に車登下校するようになってから数日が経った。登校の時には勝負(?)に負けたから頭を撫でられて、下校の時には妹の涼風のおねだりもあったから姉妹揃って撫でられ、それから連続で頭を撫でられ登下校が続いた。いやぁ八幡君の撫で攻撃は効果抜群だよ〜♪例えるなら八幡君の【撫でる】が《ほのおタイプ》の攻撃なら、私と涼風はどっちも《くさタイプ》と《はがねタイプ》だから、効果が4倍なわけ!私達は八幡君に【あまえる】攻撃と【メロメロ】攻撃をしてるんだけど、撫で攻撃の攻撃力は下がらないし、メロメロ状態にもならないから、正確に気持ち良いところを撫でてくる………凄いテクニシャン♡

 

 

そんなこんなで修学旅行が近づいてきて、八幡君と涼風と私とで一緒に回る所を相談したんだけど、ものの全部被っちゃった!事前に調べておいたのも全部!流石は私達だね!えっへん♪

 

あっ、涼風も一緒に回る事になったんだ!だって涼風ったら『八幡さん以外の男性と一緒に回る気はありません!』って言うんだよ?これさ、結婚できるのかな?八幡君と重婚とかやめてね?お姉ちゃん怒るからね?

 

 

八幡「んじゃあ回るルートはこんなもんでいいか、2人共?」

 

柊「異議な〜しっ!」

 

涼風「問題ありません。」

 

八幡「じゃあこの通りな。後は何があるか?」

 

柊「あるにはあるけど、此処じゃ目立ち過ぎるから帰る時になったら渡すね。」

 

八幡「渡す?」

 

涼風「はい。お父様とお母様から八幡さんに渡すようにと仰せつかっていますので。」

 

八幡「一体何だ?欲しい物リストか?いや、おじさんの職業柄それはないか………だとしたら何だ?サッパリ分からん。」

 

 

ふふふっ、悩んでる悩んでる♪お父さんからの贈り物がなんなのかは分からないみたい。まぁ確かに、お父さんからアレを貰うだなんて、予想も出来ないよね〜。

 

 

結衣「ねぇヒッキー、ちょっといい?」

 

八幡「ん、何だ?」

 

結衣「えっとね、昨日の部活の時に姫菜が来たんだよね。」

 

八幡「………誰?」

 

結衣「だから姫菜!」

 

八幡「苗字を言え、苗字を。」

 

結衣「クラスメイトの名前くらい覚えるし!海老名姫菜!姫菜が部室に来たんだ。」

 

八幡「ほぉ〜、海老名さんって姫菜って名前なのな。」

 

結衣「なんかね、よく分からないんだけど、グループの男子の事を気にしてたっぽいんだよね。今の関係が好きとか、今が気に入ってるって。」

 

八幡「………」

 

 

あっ、八幡が考え込んでる……もしかしてこの前の火曜日に変な依頼でも来たのかな?

 

 

結衣「ねぇ、ヒッキーはどう思う?」

 

八幡「さぁな、俺にも分からん。取り敢えず適当に男同士でくっ付き合わせとけば解決すんだろ。」

 

結衣「最悪な解決法だ!?けど、やっぱりヒッキーでも分かんないよね。」

 

八幡「俺はその場に居たわけじゃないからな、居合わせていたのなら少しは分かったんだろうが、そうでないのなら流石にな。」

 

 

………嘘、八幡君分かったって顔してる。

 

 

結衣「そっか。うん、分かった。聞いてくれてありがと、じゃ。」

 

八幡「………」

 

涼風「八幡さん、本当は理解していたのではありませんか?」

 

八幡「……お前達2人ってエスパータイプ?何で分かるんだよ?」

 

柊「そりゃ八幡君とは長い付き合いだもん♪一緒に居た歴5年で彼女になった歴がもうすぐで2年に突入♪もうすぐだよ!」

 

八幡「じゃあおめでたい記念日にお土産買って行かなくちゃな。」

 

涼風「それで八幡さん、先程の会話で何が海老名さんの何を理解出来たのですか?」

 

 

おっと、あまりの嬉しさに会話の流れを脱線しちゃってた!これはウッカリ。

 

 

八幡「あぁ。海老名さんは告白されるのを望んでいない。つーよりかは、今のグループ内の関係が変わるのを良しとしていないんだろう。多分奉仕部の2人には分かりづらい言い方をしたんだろうな。」

 

柊「だからあんな言い方をしたって考えてるの?」

 

八幡「あぁ。まぁそんなところだ。」

 

 

八幡(まぁ、それも次の月曜日にならないと分からない。さっきの由比ヶ浜の説明だけでは要領を得ない部分もあるだろうしな。雪ノ下にも聞いておこう。)

 

 

ーーー放課後・校門前ーーー

 

 

「お疲れ様です、柊お嬢様、涼風お嬢様、若様。お迎えにあがりました。」

 

涼風「すみません、ご苦労様です。」

 

「とんでもございません。では、お乗り下さい。若様のご自宅までお送り致します。」

 

 

(((若様を直す気はないんだろうなぁ………)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「はい、八幡君!コレ、お父さんとお母さんから八幡くんにって!」

 

八幡「………ねぇ、この茶色い封筒何?100%予想はついてるんだけどさ、とりあえず聞いていい?これ何なの?」

 

柊「さぁ?私も中見てないから分かんない、予想ついてるけど。」

 

八幡「………うわぁ。」

 

 

八幡君が封筒の口を開いて中を確認してみたら、そこには諭吉さんが10人も居るんだけど。八幡君驚いた顔してる!多分(こんなに使いきれねぇよ。)って思ってるんだろうなぁ〜……ん?なんか落ちた、なんだろうコ

 

 

あ…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀行のカードだ。しかも手紙付きで。

 

 

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八幡君へ

 

この前の事件の謝罪と感謝を含めて贈るよ。中には500万円入っているから、困った時には使いなさい。後、封筒に入っている10万円は森崎君達からだよ。森崎君達曰く『慰謝料として贈るので、好きに使ってください。』との事だから好きに使うように。

 

夜十神 ○○より

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八幡「………こんなに要らない。」

 

 

私達も八幡君からお手紙を貰って見たけど、確かにこんなに要らないと思う。お父さん、学生を何だと思ってるんだろう?

 

 

 


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