俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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修学旅行、前夜と始まりの朝

 

 

八幡side

 

 

小町「はいっ、お兄ちゃん!コレーッ♪」

 

八幡「………」

 

小町「小町オススメお土産リスト〜ドンドンパフパフ〜!第3位っ!!んっ!」

 

この妹はまぁた変なサプライズ形式でこういう事しちゃって。お土産リストって何ぞ?いや見れば分かるけどさ、口で言えばいいのに。

 

 

八幡「……生八ツ橋。」

 

小町「元祖でも本家でも本店でもいいでぇ〜す♪第2位っ!!んっんっ!」

 

八幡「……定番、あぶらとり紙。」

 

小町「こちら、ママンの分もお願いします!!そして待望の第1位はぁっ!!」

 

 

………コイツ、またふざけた事書きやがって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「………彼女との思い出。」

 

小町「1番のお土産は、お兄ちゃんの素敵な思い出と、柊さん達のお話だよっ♪」

 

 

あざとかわいい……だがこの妹、絶対帰ってきたら聞き出す気満々だなこりゃ。嫌でも予想できちゃう。

 

 

八幡「………思い出ができたとしても、お前に言うかどうかは俺次第だけどな〜。まぁ取り敢えず3位と2位のお土産は分かった。買っとくな。」

 

小町「うん、お願い!」

 

 

ーーー翌日ーーー

 

 

柊「八幡君おっはよう♪」

 

涼風「おはようございます、八幡さん。」

 

八幡「おう、おはようさん………今日は車じゃねぇんだな。」

 

涼風「はい、今日は八幡さんと一緒にのんびり行こうというお話になったので、こうして来た所存です。あっ、ここまでの道のりは車でですけど。」

 

八幡「そうか。まぁ、じゃあ行くか。」

 

柊「おぉ〜♪」

 

涼風「はい。」

 

 

ーーー千葉駅ーーー

 

 

八幡「はぁ〜やっと着いたな。けどまだ全員ではなさそうだな。」

 

柊「そうだね。じゃあさ、今の内にルート確認しておこうよ。ほら、途中で良いお店とかあるかもしれないしさっ♪」

 

八幡「それもそうだな、んじゃあ「八幡〜!」ん?おぉ戸塚か。」

 

戸塚「おはよう八幡!楽しみだね、修学旅行!」

 

八幡「そうだな。」

 

戸塚「そういえば八幡はさ、2日目の自由行動って、どうするか決めてる?」

 

八幡「あぁ、この「私達3人で京都を回る予定なんだ〜♪」………というわけだ。」

 

戸塚「そっかぁ。八幡とも回ってみたかったけど、彼女さんが1番だもんね。じゃあ今日の班行動で楽しもうね!」

 

八幡「あぁ、だな。」

 

戸塚「じゃあ、また後でね!」

 

 

そう言って戸塚は離れて行った。多分同期のテニス部の連中の所だろう。あれから部員も増えたみたいだしな。

 

 

涼風「戸塚さんはやっぱり良い方ですよね。」

 

柊「うん。戸塚君なら大丈夫そうかも。」

 

八幡「まっ、戸塚には悪意ってもんがこれっぽっちも見えないしな。そればかりか善意しか見えないまである。」

 

 

時間になりある程度集まってから点呼を取り、全員いる事が確認されて、漸く電車に乗れた。

 

 

ーーー電車内ーーー

 

 

柊「涼風、窓が良い?」

 

涼風「よろしいのですか?」

 

柊「うん♪涼風は景色を眺めるのとか好きでしょ?なら窓側に座っていいよ。八幡君は通路側ね!」

 

八幡「あれ、中お「お姉様?」う……oh。」

 

柊「じょ、冗談!冗談だからそんな目で見つめるのやめて!大丈夫、八幡君はちゃんと真ん中だから!ね?独り占めしたりしないから、ね?」

 

涼風「………ならば許します。」

 

柊「ほっ………」

 

八幡「おい柊、あんまり涼風をからかうなよ?お前が負けるのは確定なんだから。」

 

柊「確定なの!?」

 

 

いやそりゃそうでしょうよ……今までの勝敗なんて殆どが涼風の完勝だぞ?それにお前が勝てたのなんて、俺を引き合いに出せた時くらいだろ。

 

 

柊「あっ、八幡君、やってるよ。」

 

八幡「ん、何がだ?」

 

柊「ほら、この前言ってたグループの人達。」

 

 

確認してみると、由比ヶ浜の奴が頑張って座席指定とかしていた。だがその頑張り虚しく、海老名さんが由比ヶ浜の背中を押して座席を決めてしまった。

 

 

柊「あからさまだね〜。」

 

八幡「まぁ仕方ないんじゃねぇの?2人きりって訳じゃねぇんだしよ。」

 

柊「それを言うなら私と八幡君の中学の時もそうだったじゃん!」

 

八幡「いや、アレとコレを引き合いに出すなよ。」

 

柊「それもそうだね〜。」

 

八幡「それと、もういいからこの体勢から解放してくんない?自分からやったとはいえ少しキツい。」

 

柊「八幡君、膝枕って知ってる?」

 

八幡「………知ってるが?」

 

柊「じゃそういう事だから♪」

 

 

待て待て待て待て!おかしい!説明も何も無かったよ!?ただの会話じゃん!何故その流れで膝枕が出来ると思った!?

 

 

八幡「いや、この体勢で膝枕は無理だって。俺が90度身体を傾けないと出来ないから。」

 

柊「ちぇ〜、仕方ないかぁ………けど八幡君、眠くなったら言ってね?膝枕でも肩枕でも好きなのをしてあげるから!」

 

八幡「………取り敢えず分かった。」

 

涼風「八幡さん。その、私にやって頂いても構いませんからね?」

 

八幡「何故そこで張り合う?」

 

涼風「お、お義兄様に安眠を………」

 

 

この姉妹は………見ろ、向かいの席にいる戸塚を。困ったような顔をしながら頬を赤らめて苦笑いしてるじゃねぇか。貴女達はもう少し遠慮という言葉を覚えなさい。いや、今更もう手遅れ?

 

 

 

 

 

 

 

 


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