俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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占い

 

 

涼風side

 

 

ーーー清水寺ーーー

 

 

着きました!日本で最も歴史の風格を感じさせる京の舞台に!この場所に来るのは2度目ですが、やはり良いものですね。集合写真を撮った後はそれぞれの班で行動するようにとの指示があった。私達の班は八幡さんとお姉様と私、戸塚さんと川崎さんの5人グループです。お土産は明日でも買えますし、此処では何をしましょうか………一足早く買ってもダメではありませんが、ちゃんと吟味したいですし、楽しみの時間をあまり減らしては迷惑ですからね。

 

 

柊「皆はさ、何か欲しい物とかないの?模型とか刀とか着物とか。」

 

八幡「見て回るのも観光だが、どうせなら何か1つでも買っておきたいよな。何が良いか………」

 

戸塚「僕はお土産かな。2日目は部活の友達と回る予定だから、なるべく皆の意見に合わせながら行動したいしね。」

 

沙希「あたしもかな。お土産を見てみたいかも。弟達にも何か買ってあげないといけないから。」

 

涼風「良いですね、姉弟愛が強いというのは。やはり歳が少しでも離れていると、そういうものなのでしょうか?」

 

八幡「どうなんだろうな?まぁでも、お節介とかはかきたくなるもんだとは思うぞ。」

 

 

私とお姉様の年も離れていたら、そうなっていたのでしょうか?少し考えにくいですね。

 

 

柊「じゃあ、お土産屋さん見てみよっか!私達は別に明日でも大丈夫だしね。ね?」

 

八幡「まあ、確かにな。」

 

涼風「はい。」

 

柊「じゃあ行ってみよ〜♪」

 

戸塚「お〜♪」

 

 

お姉様、私達にそのような真似はできません。恥ずかしいです。

 

そして私達は色々な所を見て回っては立ち止まって物色したりしました。やはり建物も昔ながらの造りなので、不思議と懐かしさを覚えますね。このような落ち着いた雰囲気はとても好きです。

 

 

戸塚「どれが良いかなぁ……お父さんはこっちが好きそうだけど、お母さんはこっちなんだよなぁ。」

 

沙希「大志には………ううん、京華も食べられるのが理想だし、やっぱりどっちも?」

 

 

ふふふっ、悩んでいるみたいですね。

 

 

八幡「お前達はいいのか?お土産選ばなくて。」

 

柊「大丈夫っ!私は2日目に八幡君と涼風の3人で選ぶしね。その方が良いの選べそうっ♪」

 

涼風「私は皆さんに時間を有意義に使って欲しいので、この場は遠慮しました。それに、理由はお姉様と一緒です。八幡さんとなら、良いお土産を選べると思ったので。」

 

八幡「俺に対する信頼がヤバ過ぎるんだけど?」

 

柊「無いよりかは良いじゃん♪」

 

八幡「まぁそうだけどよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

占い師「あの、もし?」

 

3人「?」

 

 

そこに居たのは少しだけ怪しげな格好をしたお婆さんでした。黒いローブのような服を着ていて、頭巾も被ってました。

 

 

占い師「よろしければ占いでも如何ですか?」

 

柊「占いかぁ………」

 

八幡「やった事ねぇな、そういうの。」

 

涼風「そうですね。」

 

柊「じゃあやってもらおうよ!お幾らですか?」

 

占い師「いえ、私からお誘いしましたので、お代は結構です。誰から占いましょう?」

 

柊「じゃあ私からお願いします。占って欲しいのは、修学旅行を楽しめるかどうかで!」

 

 

お姉様、それは私達次第な気もしますが………まぁいいでしょう。占い師のお婆さんは水晶玉にかざしながら動かして、少ししてから動かすのをやめて、膝の上に起きました。

 

 

占い師「修学旅行。貴女はとても楽しめると思います。とても良い兆しが出ています。しかし、良からぬ事態が予期する方向で1つと予期せぬ方向で1つと舞い込んでくる兆しもあります。」

 

柊「良からぬ事態が2つ………」

 

占い師「後ろのお2人にも関係している事のようですね。そちらの方は姉妹ですか?」

 

柊「妹です。」

 

占い師「妹さんにも貴女と同じ兆しが見られますね。これは珍しい………」

 

 

良からぬ事態というのが気になりますが、どうやら私は占いをしなくても済むようですね。良いのだか悪いのだか分かりませんが。

 

 

占い師「次はそちらの方ですね。」

 

八幡「はい、じゃあ同じ内容でお願いします。」

 

占い師「分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

占い師「………成る程、貴方にとってこの修学旅行は思い出には残るでしょうが、それは良悪どちらとも言えるものとなります。」

 

八幡「……どちらとも?」

 

占い師「良い兆しが出ているのは間違いありません。先程の女性と同じ波動を感じました。それと同時に貴方には良からぬ兆しが3つ確認されました。内1つは先程の女性と同じ物でした。予期せぬ方向で舞い込んでくる形です。」

 

八幡「じゃあ残り2人は俺の中で心当たりのある事態って事ですか?」

 

占い師「その通りです。」

 

八幡「………(心当たりがあり過ぎる。だが、どれと取ればいいのか分からない。)」

 

占い師「これにて占いは終了になります。お付き合い頂き、ありがとうございました。」

 

 

お婆さんはそう言うと、次のお客さんを呼びに行ったのか、その場を去って行きました。しかし、よく分からない占いでした。予期する事態と予期せぬ事態………それも1つずつ。一体、何なのでしょうか?

 


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