八幡side
今日1日の予定も残り僅かとなり、今俺達は泊まる予定の宿泊施設で晩飯を食べている。そして何故か先生達の粋な(?)計らいによって、同じクラスでなら好きな人と食べていいという事になったのだ。そうなったら俺の所に来る奴なんて限られてる。真っ先に来たのが柊と涼風でその後に戸塚と川崎が来た。グループじゃん。仲良しだと思われると思うだろうが、別に構わないよな。それに、誰も同じ班だってのは知らないだろうし。
その時、何故か由比ヶ浜と葉山と海老名さんが俺の方を見ていた。俺は気付かないふりをしながら様子を見てたが、特に何かをする素振りはなかった。由比ヶ浜、俺はもう告白の手伝いをしてやるつもりはないぞ?俺はもう戸部にアドバイスはしてやったしな。葉山、お前が何故俺を見ているのかは知らんが、こっち見んな。海老名さん、知らんもんは知らん。一応月曜に由比ヶ浜と雪ノ下から聞いてはいるが、行動するつもりはないからな。それに俺は依頼もされてねぇしな。
まぁそんなこんなあった晩飯だが、メニューはすき焼きで空腹という事もあり、無駄な事はすぐに忘れて食欲の進むままに箸を進ませる事ができた。だが隣の2人には物申したい。他の目線もあるから、食べさせる行為は謹んで欲しい。
そして食後………
ーーー旅館・宿泊部屋ーーー
八幡「だから此処でおみくじとか引いたのなら、東の方角の結ぶ所に結んどけ。」
戸部「いやぁヒキタニ君マジ助かるわ〜!」
八幡「少し調べりゃ分かるだろ、こんなの。」
戸部「いやいや今の俺ってテンパってんじゃん?」
八幡「おう、それは知らんが見てれば分かる。」
戸部「でさ、いざ目の前にすると頭ゴッチャになるわけよ〜。こんなの無理だって〜!」
八幡「成る程、じゃあこれも無駄になる可能性が高いと?アドバイスやめよっか♪ん?」
戸部「ヒキタニ君機嫌良さそうに言わないで欲しいっしょ!無駄にしないからもっとアドバイスおなしゃす!」
はぁ………まぁいいか。
八幡「分かったよ。んじゃあ『prrr…prrr…』ん?ちょっと待て、電話だ。もしもし?」
柊『あっ八幡君、こっちの部屋に来ない?』
八幡「………お前何言ってんの?行けるわけねぇだろ。男子と女子の階違う上に教師も居るのにどうやってそっちに行けってんだよ?」
柊『えぇ〜八幡君と会いたい〜!』
八幡「分かった分かった、じゃあロビーで待ち合わせにしないか?そこなら心配ないだろ。」
柊『オッケー♪』
………ったくアイツは本当に。俺に死ねと言いたいのか?無理に決まってるだろ、女子部屋に行くなんぞ。まぁいい、取り敢えず支度するか。
八幡「戸部、悪いが急用だ。一応まとめたメモあるからこれ見とけ。後は自分で調べてみろ。」
戸部「ヒキタニ君それヤバいっしょ!けどマジヤベ〜わっ!サンキューっしょ!」
さて、行くか。
ーーーエレベーター前ーーー
八幡「………」
エレベーター「ドアが開きます。」ウィィー
八幡「あ……」
柊「あっ♪」
八幡「………乗らせて頂きます。」
柊「はい、どうぞ♪」
エレベーター「ドアが閉まります。」ウィィー
柊「やったぁ♪ロビーに行く前に八幡君と会えた〜♪やっぱり私達は赤い運命の糸で結ばれてるんだね♪流石は私達!」
八幡「色々と突っ込みたいが、確かに運命かもな。エレベーターで会ったのは。」
ーーーロビー売店前ーーー
八幡「やっぱマッ缶はないか……」
柊「アレやめなよ本当に。涼風も偶に飲んでるけどさ、あれ甘過ぎるもん。」
八幡「いいんだよ別に。」
柊「全くもう……あれ?あそこに居るの雪ノ下さんじゃない?」
八幡「……だな。パンさん見てる。」
アイツ好きだからな〜しかも京都限定だから欲しいんだろうな………あっ、こっち気付いた。
雪乃「奇遇ね、比企谷君、夜十神さんも。」
八幡「あぁ、そうだな。」
柊「うん。でも意外、雪ノ下さんってこういう売店には来ないと思ってたんだけど。」
雪乃「クラスメイトの話の矛先がこちらに向いてきたのよ。どうしてああいう話が好きなのかしら?」
柊「でもそれって興味を持たれてるって事なんだから、仲良くしてあげたら?」
雪乃「その話題が奉仕部の事で、比企谷君と関係しているのよ。」
柊「雪ノ下さん、貴女の判断は正しいです!」
掌返すな、このおバカ。
雪乃「それで、貴方達こそ何をしているの?」
柊「会いたくなったから待ち合わせしてたんだ!そしたらエレベーターで会っちゃったからさ♪」
八幡「柊が俺に女子の部屋に来ないって言い出したから、此処を待ち合わせにしたんだよ。」
雪乃「夜十神さん、貴女………」
柊「だってしょうがないじゃん!八幡君と会いたかったんだもん!それにこの修学旅行では八幡君がこんなに近くに居るっていうのに、一緒に寝られないんだよ!?とんだ拷問だよ!!」
八幡「……悪い、今の柊は少なからず暴走中だ。発言とかは気にしなくてもいい。」
雪乃「そうさせてもらうわ。話について行こうとしたら大変な目に遭いそうだもの。」
八幡「それが正しい判断だ。」
柊「ちょっと、それ酷い!」
いや、正論だから。
八幡/柊/雪乃「あっ………」
平塚「あぁ!?」