俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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中学 ②

 

 

柊side

 

 

八幡君と出会ったその次の日からは、私は学校に行くのが久しぶりに楽しみになっていた。そう、八幡君に会えるから。八幡君は友達は要らないと言っていた。だから私も友達は要らない、八幡君さえ側に居てくれればもうそれでいい。そういう風に考える事にした。だから私は自分のクラスに入っても挨拶はしないようにした。だってそうでしょ?返してもくれないのに挨拶する必要なんてないもの。

 

そして八幡君が来た瞬間………

 

 

柊「比企谷君、おはよう〜♪」

 

八幡「ん?おう、夜十神か。」

 

柊「暗いなぁ〜朝なんだからもっと元気にしようよ〜ほら、もっと笑顔で!」

 

八幡「これが俺のデフォだっつうの。」

 

 

楽しい………久しぶりに学校でこんな感情になった。クラスメイトは私と八幡君に対して驚きの視線を向けていた。多分八幡君が私に喋っているからだと思う。そんな事はもう分かってる。でも、昨日八幡君の考えを聞いているからそんな事はどうでも良かった。

 

そして昼休みになると………

 

 

柊「ねぇねぇ比企谷君、今日の学校の帰りにららぽーとに行かない?」

 

八幡「………いやぁ、俺は「行こうよ~♪ね?」分かった分かった、分かったからそれ以上くっつくな。お前ホント元気だな。」

 

柊「いいじゃない別に♪」

 

 

それから私は常に八幡君と行動するようになった。八幡君も私の事を拒まなかったから、少なくとも嫌な風に意識はしていなかったと思っている。そしてこんな事も起こるようになった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、柊さん!今まで無視しててごめんなさい!私達ともお話してくれないかな?」

 

3人「ごめんなさい!」

 

 

そう!今まで私と仲良くしてくれてた子達が謝りに来てくれたみたいなんだ。思えば彼女達にも少なからず罪悪感があったんだと思う。でも、そんな事はどうでも良かった。

 

 

八幡「……おい、夜十神?」

 

柊「ん?何、比企谷君?」

 

八幡「………いや、なんでもない。お前がそれで良いなら俺は何も言わない。」

 

柊「ふふっ、流石は比企谷君だね!私の事を1番に理解してくれている人なだけはあるね♪」

 

 

そう、私はもう他の人なんて知らないし、どうでもいい。だから謝ってこようが頭を下げられたり土下座をされても、見えない人の行動なんてどうでもいいから無視をするだけ。だって私は幽霊、なんでしょ?なら私も貴方達を居ない人扱いするだけ。

 

私は八幡君が居てくれるのならそれで構わない。他の人なんて必要無い。

 

それから何人もの人が私に謝って来たって八幡君から聞いたけど、私はその人達を全員無視した。だって関わる意味なんて無いし見えないもの。それに友達でもなんでも無いしね。そしていつの間にか【幽霊ごっこ】は終わっていて、皆私に普通に話しかけるようになっていたみたいだけど、見えないから私には関係無かった。そんな中、八幡君に仲を取り持ってもらおうとする人達も居たけど、八幡君は………

 

 

八幡「今更無理だろ。お前等やってきた事考えろよ、そんな奴等とまた仲良くしたいなんて、俺だったら絶対に嫌だわ。」

 

 

って言って拒否をしていた。それを聞いた私は増々八幡君にベッタリになった。自分でも自覚はしてる。八幡君に対して物凄く依存してるし、執着してるって。それも他人が見てたら引く程に。でもそんな事は気にならなかった。だってそうだと思わない?()()()()()()()()()()なんかの気持ちを考えても仕方ないでしょ?

 

学校行事でも私は必ず八幡君と一緒の班になった。勿論、必然的に他の人も班になったんだけど、元々私は八幡君としか楽しむ予定は無かったから、誰が同じ班に居ようと関係無かった。

 

そして10月の修学旅行で私は八幡君に告白をした。私は告白なんて今までに1度もした事が無かったから、これが初めての恋で初めてのプロポーズだった。

 

八幡君は私のプロポーズを受けてくれて、それ以降私達は恋人関係になった。この日から私は念願だった名前呼びをする事が出来た。今までは少し抵抗があったけど、これからは堂々と言う事が出来るのが堪らなく嬉しかった。それに八幡君も私の事を名前で呼んでくれるようになってからは、こんな日が待っていたなんて想像もしていなかったと思うくらい幸せだった。

 

当時はまだ私に謝ってアプローチをかけてくる人達は居たみたいけど、私にはその人の事が見えないし受けるつもりも無かった。それから受験もあって別々の進路になっちゃったけど、今でもこうして会えているから不満は無い。

 

 

柊「もうすぐ卒業だね〜。」

 

八幡「……なぁ、今更だけどよ、お前本当に連中と仲を取り戻そうって気はないのか?」

 

 

多分八幡君はこの時、分かっていながら敢えて私に質問をしてきたんだと思う。何だか周りの空気がすこしだけピりついてたから分かる、これは答えた方がいいって。

 

 

柊「連中ってこのクラスに居る【幽霊】の事?」

 

八幡「………まぁ、そうだな。」

 

柊「やだなぁ八幡君は〜そんなの決まってるじゃん!私がそんな人達と仲良くしたいって思う?私も八幡君と同じで友達なんて要らない、八幡君さえ居てくれれば後はどうでもいい。頭を下げられようと、泣いて謝られようと、そんなのもう知った事じゃないよ。勝手に何回も無意味に謝ってればいいって思う。」

 

 

きっとクラスの皆は私の発言に色んなショックを受けていたと思う。それが何なのかは知らないけど、何となく分かる。

 

 

自分がしてきた事は一体何だったのか。

 

私は、俺はなんて事をしてしまったんだ。

 

もう、やり直せない………

 

最後まで許してもらえなかった………

 

 

私が想像出来るのはこれくらい。けどそんな事はもう考えないようにしてる。今は八幡君と一緒に楽しく高校生活を送れていければそれで良い。

 

 

 

 

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