俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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崩れる音

 

涼風side

 

 

お姉様に急かされるがままに次の目的地へと来ました。赤い神社に鳥居続きの階段がある場所で、喫茶店や路上販売をしています。中々居心地の良さそうな場所ですし、このような落ち着いた雰囲気はとても好きです。私自身も騒がしい所はあまり好ましくはありませんので。そして私は少し休憩中です、冷たいお茶を飲みながら。

 

 

柊「おぉ〜登ってきた甲斐があったよ、ほら八幡君、涼風も見てごらんよ!街が見えるよ〜!」

 

八幡「お前が走るせいで涼風は少しグロッキーだっつの。まぁいい、確かに京都の街並みが見えるな。」

 

柊「夜になったら綺麗なんだろうなぁ〜。」

 

 

ふふふっ、お姉様は………

 

 

雪乃「失礼するわね、夜十神さん。」

 

涼風「っ!はい、どうぞ雪ノ下さん。」

 

雪乃「ありがとう………着物を着てるのね、貴女のお姉さんと比企谷君もそうだけど、とてもよく似合っているわ。」

 

涼風「ありがとうございます。休憩ですか?」

 

雪乃「えぇ、階段を登るのに少し疲れたから。」

 

涼風「私もです。」

 

 

雪ノ下さんはお1人なのでしょうか?そうだとしたら少し寂しいです、私達と一緒に行動できないか聞いてみるのもいいかもしれませんね。

 

 

涼風「雪ノ下さんはお1人なのですか?見た所、お連れの方が見当たりませんが?」

 

雪乃「今はこの場に居ないだけよ。お友達を見かけたからそっちに行ってるわ。」

 

涼風「そうでしたか。」

 

柊「涼風大丈夫?あれ、雪ノ下さんも休憩中?」

 

雪乃「えぇ、少しね。」

 

八幡「だろうな、お前にこの階段は堪えそうだ。」

 

 

雪ノ下さんも体力が無いのでしょうか?

 

 

雪乃「比企谷君、少しいいかしら?」

 

八幡「何だ?」

 

雪乃「依頼の事で少し聞きたい事があるの。ねぇ夜十神さん、少しの間だけ彼をお借りしてもいいかしら?」

 

柊「……うん、分かった。けどなるべく早くね?」

 

雪乃「承知してるわ。比企谷君、こっちへ。」

 

八幡「………あぁ。」

 

 

………すぐに済めば良いのですが。

 

 

涼風sideout

 

雪乃side

 

 

八幡「それで、何だ話って?」

 

雪乃「えぇ、貴方はサポートだけをするって言っていたけれど、調子はどうかしら?」

 

八幡「それは俺にも分からんな。昨日と今朝で一応確認はしたが、後の事は戸部の要領次第だ。俺が出来んのは雰囲気作りだけだしな。」

 

雪乃「そう……ところで、由比ヶ浜さんの事だけれど。比企谷君も気付いてる?」

 

八幡「あぁ、流石にあれは俺達が関わっていい範疇を超えてるからな。どうするかは全て戸部次第だ、由比ヶ浜は善意でやってるんだろうが、あれじゃあ俺達の部活の理念に反する。まぁ、止めても無駄だろうがな。」

 

雪乃「………えぇ。」

 

八幡「お前はどうするんだ?」

 

雪乃「元々私にできる事は少ない依頼だから、今後どうするかは決めかねているわ。けれど、告白した後に戸部君がどう反応するのかも問題ね。この依頼をして良かったと反応するか、間違ってたと反応するか……」

 

八幡「まっ、そうだろうな。告白の場所だが、嵐山の竹林でいいのか?」

 

雪乃「えぇ、そうよ。」

 

八幡「じゃあ俺も夜になったらそこに向かう。」

 

雪乃「えぇ、分かったわ。」

 

八幡「で、後は何かあるか?」

 

雪乃「いえ、もう無いわ。時間をとらせてしまってごめんなさい。」

 

八幡「いや、気にすんな。2人に言ってくれれば大丈夫だろう。」

 

 

そう言って比企谷君は2人の元へと歩き出した。私もそれに続くように後を追いかけて、2人の所に着いた。

 

 

雪乃「ごめんなさい2人共、話は終わったわ。」

 

柊「そっか。じゃあ行こっか、八m「ヒキタニ君、少しいい?」………」ムッ

 

八幡「海老名さん……悪いが、丁度今から別の場所に行くところなんだ。」

 

姫菜「そっか……ん、邪魔してごめんね。」

 

八幡「いや、気にしてない。じゃ行くか。」

 

柊「うん、早く行こっか♪」グイグイッ!

 

八幡「お、おいおいそんな引っ張るなよ……」

 

涼風「では皆さん、また後程。」

 

 

………やっぱり、羨ましいわ。

 

 

雪乃sideout

 

ーーーーーー

 

 

柊(はぁぁ〜やっと3人になれた!集まり過ぎだよ、しかもよりにもよって1番会いたくない面子だったし!あっ、雪ノ下さんとあともう1人の金髪縦ロールの子は別だけど。それにしても………)

 

 

柊「綺麗な眺めだね〜。ただの竹林なのに、どうしてこうも綺麗に見えるんだろうね?」

 

涼風「はい、とても幻想的な眺めです。」

 

八幡「………2年前を思い出すな、柊。」

 

柊「………うん///」

 

 

そう、この場所は2年前に柊が八幡に告白をした場所である。妹である涼風が夜に八幡を呼んでおいて、柊が道の真ん中に立ち八幡を待つ。道においてある灯籠によってライトアップされた竹は黄金色に輝いていた。竹が黄金だとするなら、道を作っている竹組は金屏風といった所だ。そして2人は向き合い………

 

 

柊「この場所から始まったんだよね、私と八幡君の関係って。」

 

八幡「そうだな……あの時はもしかしてって思ってたが、本当にこうなるなんて思ってもみなかったしな。まぁ、そのおかげで今がある。」

 

柊「うん。」

 

 

柊は静かに八幡に寄り添う形を取った。八幡も拒む様子なく、柊の肩を掴んで自身の方へと寄せた。今の2人は幸せの真っ只中にあるだろう。それは2人を見守っている涼風や歩いている観光客でさえも分かる事だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「っ!!そこに居るのは柊と涼風かい!?」

 

 

だが、その幸せは意図せずして崩壊してしまう。

 

 

 





さて、2人の邪魔をする不届き者は!?

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