俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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歪んだ正義

 

 

八幡side

 

 

???「っ!!そこに居るのは柊と涼風かい!?」

 

 

俺達の正面からいきなり大きな声を上げながらこっちに向かってきた。見た目はかなりのイケメンだった、整った容姿に地毛であろう茶髪も手入れが行き通ってるように見える。ウチの高校に居たら葉山と同じくらい人気が出そうだな。

 

 

柊「えっと……誰?」ボソッ

 

涼風「やはりお忘れでしたか、お姉様は。小学の頃、同じ学校に居た天之川さんです。ほら、他クラスなのによく私達と遊ぼうとした………」ボソッ

 

柊「……っ!あっ、あぁ〜あの人かっ!森何とかの後に来るようになった子だよね?」ボソッ

 

涼風「はい、その方です。」ボソッ

 

天之川「えっと、大丈夫かい?」

 

涼風「はい、お久しぶりですね。小学卒業してからなので、5年振りでしょうか?」

 

天之川「そうだな。にしても見違えるように綺麗になってるから最初は戸惑ったけど、2人だって確信があったから。」

 

 

こんな時イケメンってのは有利だよな。ただ覚えてるってだけでチヤホヤされるんだからよ。まぁ、俺の知ってるイケメンでそういう奴は居ないが。

 

 

天之川「それで、2人はどうして此処に?」

 

涼風「私達、今此処に修学旅行で来ているんです。それで今は2日目の自由行動なので、自由に回っているんです。」

 

天之川「そうなのか、奇遇だな!俺達も修学旅行で来てるんだ。もしよかったら一緒に回らないか?2人なら歓迎するよ!」

 

 

このイケメン、俺が視界に入って目に見えている筈なのに、あからさまに俺の事を無視してやがる。しかもそれをいち早く理解しているのが柊だからか、天之川とは未だに口を聞いていない。しかも俺の気のせいでなければ、若干睨んでないか?涼風の顔色も良いとは言えない、コイツと何かあったのか?

 

 

涼風「お誘いは嬉しいのですが、私達も計画を立てて回ってますので、お断りします。それに、同じ班の方々を待たせていますよ?」

 

天之川「大丈夫さ、訳を話せば皆分かってくれる!それに俺達の仲じゃないか、遠慮する必要はないよ。少し待って「なぁ、少し待ってくれ。」……何だい?」

 

八幡「涼風は今明らかに断った筈なのに、どうしてお前はその意見を無視して自分の班を勝手に説得しようとしてんだ?おかしくないか?」

 

天之川「その方が楽しいと思っただけだ。だから2人を誘ったんだけど、何かあるのかな?」

 

八幡「大ありだ。敢えて言わせてもらうが、その中に俺は入ってねぇよな?さっきからお前はこの2人しか目に入ってねぇ。そうだろ?」

 

天之川「何を言ってるんだ、ちゃんと君も入って「だったら何で最初の時点で挨拶なり自己紹介なりしなかったんだ?目に映ってるのなら、知らない相手に挨拶をするのが常識なんじゃないのか?」っ……それを言うなら君はどうなんだ?君も挨拶をしていないじゃないか?」

 

八幡「自分から割り込んできた奴がよく言うな、まぁいい。話を戻そうか。柊、涼風、正直に答えろ。お前等はコイツ等と一緒に回りたいか?」

 

天之川「そうだ、正直に答えて欲しい!」

 

 

コイツのこの顔、自分達の班に来るのが当然って顔してるな。どうでもいいが、この後の展開なんて俺には手に取るように分かる。

 

 

柊「じゃあ正直に言うね。八幡君と回りたいから、貴方の所の班とは回らないから。ね、涼風?」

 

涼風「はい、お姉様。その為に色々と計画を練ってきましたからね。」

 

天之川「え……あっ、そうか。この男子の為か。2人は優しいんだな。けど正直に答えて欲しいんだ。この男の事抜きで。」

 

柊「………今言ったんだけど?」

 

天之川「いや、だからそれは「今、申し上げた筈ですが?」………」

 

八幡「言っておくが俺は何も示したり、合図したりなんてしてないからな。これは紛れもない2人の本心だ。それを疑うのは人としてどうかと思うが?」

 

天之川「だけどそれじゃ「ねぇ天之川君、まだ終わらないの?」っ!?もう少し「待たねぇよ、こっちだって時間押してんだよ。もう失礼する。」あっ、ちょ、待ってくれ!」

 

八幡「だから待たねぇよ。柊、涼風、次の場所に行くか。」

 

柊「うん、八幡君♡」ダキッ!

 

涼風「はい、八幡さん♪」ギュッ!

 

 

次の場所に行こうと言っただけなのに、柊は腕に抱き着き、涼風は手を握って嬉しそうにしている。そんなにアイツと居るのが嫌だったのか?というか、森崎の他にもあんな奴が居たとは………聞きたくないが、お前等の小学生時代どうなってんの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「はぁーあのしつこさ全っ然変わってない!こっちが迷惑してるっていうのが本当に気付かないのかなぁ!?鈍感……ううん、超鈍感!!朴念仁!!唐変木!!スーパーアホ!!」

 

涼風「はぁ……彼の相手は疲れます。しかもそれが善意の塊でしか無いので、余計に。断りを入れたとしてもすぐにご都合解釈で攻めてきますし。」

 

八幡「お前等って小学からハードモードなのな。」

 

柊「その点、八幡君はすっごく付き合いやすい!強制もしないし、嫌な事もしないし、して欲しい事はしてくれるし、ホント理想の恋人♪」

 

涼風「はい、私も八幡さん程お付き合いしやすい方は居ないと思っています。」

 

八幡「俺も2人程、小学から苦労してる奴を見た事がねぇよ。千葉帰って泊まる事があったら、抱き締めながら頭をメッチャ優しく撫でてやろうか?」

 

 

普段ならこういう事は絶対に言わないが、森崎に天之川………あんなキャラと嫌々6年間付き合っていたと思うと………労りたくもなる。

 

 

柊「ご、ご褒美………私、今までそんなご褒美、数を数えるくらいしかやってもらった事がないと思うよ………是非、是非やって!!」

 

涼風「あ、あの………私も、よろしいのでしょうか?お、お姉様のお零れが頂けるのでしたら、その………お、お願いします/////」

 

 

 

 





はい、2人目は【ありふれた職業で世界最強】に出て来るキラキラネームで勇者(笑)の天之川光輝です。

原作を読むと彼のウザさというか、空気読めなさが何とも言えないので、彼にしました!

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