俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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皆様、明けましておめでとうございます!!
2021年になりましたね〜!今年もよろしくお願いします!!




身勝手

 

 

八幡side

 

 

ーーー宿泊部屋ーーー

 

 

買って自由行動中にずっと来てた着物も脱いでバッグの中にしまって、漸く楽な制服姿になれた。まぁ着物に比べたら制服の方が幾らかマシだ。

 

 

戸塚「八幡の着物姿よく似合ってたよ!もう少し見てたかったんだけどな〜。」

 

八幡「俺のよりも柊達の方が映えるだろ。」

 

戸塚「確かに女の子が着てると凄く魅力的になると思うけど、八幡が着てても魅力を感じたよ?なんか………よく分からないけど、不思議に色気を、ね。」

 

 

戸塚さん?それ貴方が言っても説得力はありませんよ?そこらの女子より女子してる貴方が着物着てみ?普通の女子は絶対自信無くすから。

 

 

戸部「やべーよ、緊張してきたー!やべぇーやべぇーよー!」

 

大岡「大丈夫だ。」

 

大和「戸部も彼女持ちかぁ………俺と遊ばなくなるんだろうなぁ。」

 

戸部「そんな事ねぇから!………っ!!あぁ〜やべぇ緊張するよぉ〜!」

 

大岡「大丈夫だって。」

 

 

………そういや今日の夜に告白するって葉山が言ってたような……まぁそんな事はどうでもいい。

 

 

葉山「なぁ、戸部……」

 

戸部「っ!なになに隼人君?俺今ケッコーテンパってるんだけど?」

 

葉山「いや………何でもない。」

 

戸部「何だよぉ〜!?」

 

葉山「頑張れって言おうと思ったけど、顔見たら言う気が失せた。」

 

戸部「酷くねっ!?あぁ〜でもなんか、緊張解けてきたわ〜。」

 

 

葉山の奴、一体何を考えてるんだ?

 

 

ーーー渡月橋ーーー

 

 

葉山「………」

 

八幡「こんな所で何してんだ?」

 

葉山「……別に、なんでもないさ。」

 

八幡「そうか………まぁ俺から言う事なんて特に何も無いが、1つ聞かせろ。お前海老名さんの事知ってただろ?」

 

葉山「………」

 

八幡「肯定、と取らせてもらうぞ。どういうつもりだ?分かってた上で戸部に奉仕部の事を教えたのか?」

 

葉山「………俺にはどうする事も出来なかったんだ。アイツは本気だった。俺もまだ時期が早いと言ったけど、止まらなかった。だから君達に「お前、それが無責任だって言う自覚はあるのか?ハッキリ言っておくぞ、俺達は便利屋じゃねぇ。かと言ってお前の道具でも尻拭いをする為の部でもねぇ。このまま行けば戸部がフラれるのは確実だ。」………」

 

八幡「奴の依頼自体は俺達奉仕部には実害はないだろう。内容はフォローだからな。お前がこの2日間どんな行動をしてたかなんて知らねぇけど、碌な行動はしてないって事だけは分かる。けどな、お前のその勝手な都合が俺達にも被害が被ってるって事、分かってんだよな?知らないなんて言わせねぇぞ?」

 

葉山「………済まないとは思ってる。だが、俺は何も変えたくない。今が気に入ってるんだ。」

 

八幡「……それが、お前の勝手な理想だったとしてもか?他の奴が望んでいなかった事だとしてもか?そう言い切れるのか?」

 

葉山「………あぁ。」

 

 

………勝手な野郎だ。よくあんな上っ面だけの連中の関係をここまで拗らせておきながら、こんな発言ができたもんだ。改めて感心したよ、悪い意味でな。

 

 

八幡「そうかよ……まぁ俺にはもうどうする事も出来ねぇよ。後は事の結末を見守るだけだ。どうせお前も来るんだろ?なら精々見ておく事だな、こんなちっぽけな事でこれから起きる事がどんな風になるのかをな。」

 

葉山「………君でも、何とかならないのか?」

 

八幡「この状況で俺に何かをしろって言いたいのか?そんなの願い下げだ。無いことも無いが、俺はそんな事をする気は毛頭ない。それにだ、これから告白する奴の邪魔を何で進んでやるんだ?好きでもねぇ奴の為なんかによ。」

 

葉山「………」

 

 

葉山はそのまま俯くと、何も言わなくなった。この先どうなるかなんて誰にも分からない。だが、これからの告白で何かが大きく変わるのは目に見えて分かる。それだけは確かだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「はぁ……ああいう奴も居るんだな。」

 

涼風「あら、八幡さん?」

 

八幡「?涼風、どうしたんだこんな所に?」

 

涼風「いえ、夕焼けが綺麗でしたので、眺めの良さそうな所に行って眺めていました。」

 

八幡「柊は?一緒に来なかったのか?」

 

涼風「お姉様は何故か他クラスの方達に捕まって、その………八幡さんとの関係の事を。」

 

八幡「あぁ……そう。一緒に来ようとしてたのか?それとも帰る途中で?」

 

涼風「帰る途中です。なので今頃は部屋にいるか、未だ質問攻めをされているかのどちらかでしょう。おいたわしや………」

 

 

まぁ、今までそういう質問攻めをされた事なかったしな。いつも一緒に居るから気になっている奴も居たんだろう。それに今日も一緒だったしな。聞けるとしたら、俺が居ないこういう時くらいだろうしな。

 

 

八幡「確かに綺麗な眺めだな。」

 

涼風「?八幡さんも夕焼けを眺めにきたのではないのですか?」

 

八幡「ん、いや、俺はちょっとした野暮用でな。夕焼けは見に来ていない。」

 

涼風「そうでしたか。それでしたら今はお帰りになる途中でしたか?」

 

八幡「あぁ、じゃあ一緒に帰るか。」

 

 

俺と涼風はホテルで一緒に帰ったのだが、制服に着替えて後を追おうとしたみたいだが、俺と涼風を見て頬を膨らませて涙目になりながら、『2人でデート!?私まだこの旅行で八幡君と2人きりになってないのに〜!!』と言ったので、告白の夜に少しだけデートする事になったのは、秘密のことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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