俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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平塚先生、頑張って!


平塚の奮闘

 

 

平塚side

 

 

八幡「今夜、俺と柊の2人を同室にさせてもらえませんか?お願いします!」

 

 

………さて、比企谷からのこのお願いにはどうしたものか。私独断での判断なら、これに賛成しても構わないとは思っている。今まで夜十神のこんな表情は見た事が無いし、比企谷のこれ程真っ直ぐな表情と目も初めて見る。本来であれば、私達教師と共に過ごしてもらうのがルールになるのだが、夜十神の様子を見る限りでは、比企谷から離れる可能性はまず無いだろう。

 

少し、質問をしてみるか。

 

 

平塚「比企谷、質問だ。同室にする場合、私や他の教師が居る状況は望ましいか?」

 

八幡「……今の状態だとあまり好ましくはありません。柊は他人には無関心ですが、自分の本心を見せるのは自分の心を開いた人物のみです。なので俺が居たとしても、第3者が居たら、本当に気持ちを落ち着けるかどうかは分かりません。」

 

平塚「そうか。」

 

 

さて、こうなっては少しややこしいな……私としてはこの2人の力になってやりたいが、他の教師が何を言うかだ。生徒指導用の客室を使えれば、文句は無いのだが………うぅむ、他の教師の説得、だな。

 

 

平塚「比企谷、もう1つ質問だ。今日の、厳密に言えば君達奉仕部が依頼を終えた後の事だ。それを教師全員に説明して同室を認める材料にするのは、許可できるか?」

 

八幡「………それって俺と柊の過ごした時間を教師全員に報告する、って事ですよね?」

 

平塚「あぁ。君のしてくれた説明だけでは、説得力はあっても賛同をしてくれるかどうかはまだ不安が残る。そこでだ、夜十神の過去と今回の事を引き合いに出させて同室を認めさせる。どうだね?」

 

八幡「………分かりました、それなら構いません。ですが柊がストレス障害だと決まっているわけではありませんので、それを言うのはやめてください。難しいでしょうが、難病とでも。」

 

平塚「君は無理難題を平気で言ってくれるな。分かった、取り敢えずは今夜にある会議で話してみる。だがあまり期待はするなよ?私もこんなケースは初めてだからな。」

 

八幡「はい。先生、お願いします。」

 

 

比企谷のこんな姿は初めて見る。手の掛かる生徒だが、彼女に対してまっすぐな想いを持っているようだ。私もこれに応えてやらないとな。

 

 

ーーー客室・(職員会議)ーーー

 

 

「では、職員会議を始めます。まず最初に1番の不安であった自由行動を事故なく終えられた事を嬉しく思います。では、報告に移ります。」

 

 

報告するのは最後の連絡事項の時だな。今はあくまで自由行動中での事を報告する会だ。不用意に発言しては元も子も無くなってしまうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「以上で報告を終わります。」

 

「ありがとうございました。では明日の予定ですが、明日は朝の新幹線で千葉に帰る予定です。途中下車する事はありません。席も生徒の自由にする事にしています。我々教師は各クラスの配置に着き、生徒が問題を起こしているようであれば注意を促して下さい。よらしくお願いします。私から以上ですが、皆さんの方から何か連絡事項等はございますか?」

 

 

よし、此処だ。

 

 

平塚「よろしいですか?」

 

「何ですか、平塚先生?

 

平塚「今日の自由行動終わり後、もっと言えば夕食後の自由時間と言いましょう。その時間に2-F組の比企谷八幡と同じクラスの夜十神柊の2人が嵐山で散歩をし、その際に他校の学生から突き飛ばされ、暴言を吐かれたとの報告を受けました。その内容は……少々複雑なので大雑把にしか言えませんが、他校の学生が比企谷に対して中傷するような発言をしたようで、それに対し夜十神がショックを受けたようなのです。夜十神は未だショックが抜け切れず、比企谷が私の部屋で看病を続けています。比企谷からお願いという形で、今日だけ2人だけで過ごさせてはもらえないかという要請がありました。私だけでは決断しかねましたので、この場で報告をさせて頂きました。」

 

「………平塚先生、それは事実なのですか?」

 

平塚「事実としか思えない状況でした。震えながら比企谷にしがみついていたのです、見間違えでもなければ、演技だとも思えません。」

 

「しかし、状況が良く分かりませんね。平塚先生、もっと詳しく状況を説明する事は出来ませんか?」

 

 

やはりそうだろうな、それが当然だ。

 

 

平塚「分かりました。」

 

 

そして私はその出来事を説明した。人が見えなくなる事については難病という風に。そして他校の生徒が天之川という名字である事も。暴言の内容も比企谷が夜十神に強引に迫っていたから助けようとしたという事も。出来る事は全てやり尽くした。

 

 

平塚「以上が、比企谷から受けた説明です。なので再度要請を伝えます。比企谷、夜十神を今夜同室にしてあげられないでしょうか?」

 

「そんな事が……しかし問題がありますね。」

 

「えぇ、男女となると、やはり他の生徒達の事もありますからね。」

 

 

やはりそこが問題か……1番の問題は男女が一緒の空間で過ごす事にあるだろう。間違いがあってからでは遅い、という事か。確かに私もそれが心配な面は少なからずある。だが今の彼等がそれをするような状況にあるとも思えん。しかしそれを言ったとして納得してもらえるかどうか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鶴見「私は比企谷君のお願いを受けるべきだと主張します。」

 

平塚「っ!鶴見先生。」

 

鶴見「今の平塚先生の説明だけでも分かります。夜十神さんは相当な精神的ダメージを受けている可能性が非常に高いです。ならばそれを少しでも緩和する為にも我々は尽力するべきだと思います。」

 

『………』

 

鶴見「それに比企谷君と夜十神さんは恋人同士だとか。でしたら今1番、彼女を安心させる事の出来る比企谷君と一緒に居る事が、1番の特効薬になると思います。それに今の2人が情事に耽るような状態になるとはとても思えませんし。私は1人の教師、養護教師、どちらの立場であったとしても、彼の要求を受け入れるべきだと主張します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茅ヶ崎「私も鶴見先生の意見に賛同しましょう。」

 

平塚「校長先生………」

 

茅ヶ崎「今は彼女の心の傷を癒す、それには比企谷君の力が必要不可欠です。精神が不安定のまま自宅に返すわけにもいきません。比企谷君及び夜十神さんは今夜は同室にします。皆さん、異議、反対のある方は居ませんね?」

 

『………』

 

茅ヶ崎「では、2人の同室を許可します。平塚先生、同室する部屋はどうなっていますか?」

 

平塚「は、はい!生徒指導用に1つとってある部屋があります。そこなら問題無いかと。」

 

茅ヶ崎「ではそちらを2人の宿泊部屋にして下さい。それとくれぐれも他の生徒には勘付かれないようにお願いしますよ?平塚先生は2人の所に行ってこの事を報告して下さい。」

 

平塚「分かりました、失礼します。」

 

 

ありがとうございます、校長。

 

 

茅ヶ崎「さて、では今の平塚先生の報告にあった他校の生徒の事について話し合いましょうか。流石にこれを看過するわけにはいきませんからね。」

 

 

 




ありがとう平塚先生!
ありがとう鶴見先生!
ありがとう校長先生!
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