俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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かける、かけられる

 

 

八幡side

 

 

八幡「なので今は平塚先生が交渉中です。おじさんとおばさんには後追いの形で説明する事になってすみません。」

 

 

俺は平塚先生が職員会議で居なくなっている間、おじさんとおばさんに連絡を取っていた。電話だと柊の状況が分からないから、テレビ電話にしている。理由は言わずとも分かるだろ?今日あった出来事を報告する為だ。流石にしないわけにはいかない。

 

 

御影『いや、それは構わないよ。君は両方の当事者なんだ、君にだって発言権はある。それに柊の為にやった事なら、過去の事なんて僕は気にしないよ。』

 

八幡「ありがとうございます。それと、柊を守りきれなくてすみません。」

 

御影『それは違うよ八幡君、君は柊を守ってくれたじゃないか。君が天之川君という男子を止めてくれなかったら、柊はもっと追い詰められていた。そうなる前に君が止めてくれてよかったよ。』

 

八幡「………はい。」

 

御影『じゃあ帰るまでは柊の事をよろしく頼むよ。きっと今の柊は体調面でも精神面でも繊細な状況になってる筈だ。君以外では……例え涼風でも対処し切れないだろう。だから頼むよ、八幡君。』

 

八幡「はい。」

 

御影『じゃあ電話を切るからね。柊、今日はゆっくり休みなさい。八幡君がついているからきっと大丈夫だから。じやあね。』

 

 

そう言っておじさんはテレビ電話を切った。柊の状態は震えは止まったが、依然として俺から離れない。少しは良くなったが、明日の朝食までとなると厳しいかもな………

 

 

ガチャッ

 

 

っ!平塚先生か?

 

 

平塚「比企谷、職員会議の結果だが、許可が降りたぞ。今日は君達の同室で構わないそうだ。」

 

八幡「本当ですか!」

 

平塚「この状況で嘘や冗談は言わん。場所は生徒指導の為に用意してあった部屋を使うといい。」

 

八幡「ありがとうございます!柊、先生達のおかげで今日は一緒に寝れるぞ。」

 

柊「……ありがとうございます。」

 

平塚「礼なら比企谷に言え、お前の為に動いてくれたのだからな。では荷物を……どうするか。」

 

八幡「それなら柊の荷物は涼風に、俺の荷物は戸塚に持って来てもらいます。俺が取りに行った方が確実でしょうけど、柊が心配なので「私なら大丈夫。」っ!柊?」

 

柊「八幡君がずっと側に居てくれたから、もう大丈夫。少しなら我慢できるから。だから行ってきて。私は待ってるから。」

 

八幡「………分かった、じゃあ行ってくる。平塚先生、少しの間柊をお願いします。」

 

平塚「あぁ、任せておきたまえ。」

 

 

よし、そうと決まれば荷物を取りに急ぐか。涼風にも連絡をしないとな。平塚先生の部屋は………○○○号室か。そこに持ってきてもらおう。

 

 

八幡sideout

 

柊side

 

 

平塚「しかし、君達の中学時代にそんな事があったとは私も驚きだよ。一応聞いておくが、私は見えているのかね?」

 

柊「はい、見えてます。」

 

平塚「そうか、なら安心した。しかし君も災難だったな、もしあの場に比企谷が居なかったと思うと、少しゾッとするな。」

 

柊「………先生は、」

 

平塚「ん?」

 

柊「先生は八幡君の事、信用してるんですか?」

 

平塚「そりゃしてるさ。あんな性格をしてはいるが、君に関していえば人が変わるくらいにまっすぐな男になる。それを他人にも向けてほしいととは思うが、流石にそれは押し付けというものだ。だがまぁ、大切な人にだけ向けるまっすぐな姿勢は確かに好ましい。」

 

柊「………」

 

平塚「君は良い男に巡り会えたようだな。あんな男はあまり居ないぞ?私も君と同じ年齢くらいだったら、間違いなく惚れていただろうな。」

 

柊「惚れてたとしてもあげません。」

 

平塚「だろうな。見ていたら分かる、君は独占欲がかなり強いと見る。呆れる程にな。」

 

柊「……ふふふ。」

 

平塚「やっと笑ったか。」

 

柊「っ!」

 

平塚「その笑顔を比企谷にも見せてやりたまえ。そうすればアイツもかなり落ち着くだろう。今1番不安定なのは君だが、それと同じくらいに君を心配して、不安定になっているのもまた比企谷だ。少しでもいいから、自分の恋人を安心させてやりたまえ。」

 

 

………この先生やっぱり良い人だね。先生が男の人だったらモテそうなのに。

 

 

コンコンコンッ

 

 

平塚「ん、入れ。」

 

涼風「失礼致します、八幡さんからこちらにお荷物を……お姉様!!ご容態は如何ですか!?」

 

柊「うん、大丈夫。八幡君のおかげで凄く落ち着いたから。」

 

涼風「……良かったです、本当に。」

 

柊「心配を掛けてゴメンね、涼風。」

 

涼風「いいえ、とんでもありません。」ナミダメ

 

 

涼風にも心配を掛けちゃったかな、帰ったら涼風にもお詫びをしないと。

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

八幡「柊、待たせ……涼風、荷物ありがとな。」

 

涼風「いいえ、他ならぬ八幡さんの頼みです。無碍になど致しません。」

 

平塚「よし。準備も出来た事だ、2人は○○□号室に向かえ。そこが今日の2人の部屋だ。夜十神妹も心配だろうが今日は部屋に戻りたまえ、本来であればもう外出禁止時刻で部屋の中にいる時間だ。」

 

涼風「……分かりました。ではお姉様、また明日。ごゆっくりお休みください。八幡さんもお姉様をよろしくお願いします。」

 

八幡「あぁ、任せておけ。」

 

柊「うん、涼風もおやすみ。」

 

平塚「途中まで一緒に行くといい。そのくらいなら誰も咎めはしないだろう。」

 

 

 

 

 


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