俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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万全!!

 

 

柊side

 

 

………不思議な夢を見た、中学生の時の夢を。懐かしいとは思ったけど、何処か違った。特に1年生から2年生の夢は何かが根本的に欠けている。そんな気がしてならなかった。そして3年生の夢に入って、それはすぐに分かった。分かった途端、私の身体は太陽の光を浴びているかのようにポカポカと暖かくなった。あぁ……そっか、やっぱり私はもう抜け出せなくなってるんだ。どんなに良い思い出があったとしても、私が1()()()()()()()()()()()が居ないから満たされないんだ。けど今はもう違う、今はいつでも隣にいてくれる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだよね、八幡君。

 

 

柊「……んんぅ、あっ………ふふふっ♪」

 

八幡「すぅ……すぅ……」ギュ-!

 

 

ふふふっ、だから満たされた気持ちになってたんだね♪納得納得!八幡君に抱き締められながら眠れたのなら、良い夢を見られる筈だね♪気持ち良いなぁ………私の1番落ち着く場所。もう1度眠って夢を見たいくらいだけど、この幸福感を手放したくない。守られているのがよく分かる。きっと私が動いたら、八幡君もすぐに起きると思う。抱き締められているとは言っても、キツく抱き締められているわけではない。私が動いても大丈夫なくらいの強さだった。ふふふっ、八幡君は夢の中でも私の事を守ってくれているのかな?

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

八幡「………っ。」パチッ

 

柊「………」ジィー

 

八幡「………何だよ、人の寝顔見てて面白がっていたのか?」

 

柊「ううん、私を抱き締めながら守ってくれているカッコ良い彼氏の寝顔を見ていたの。」

 

八幡「……っ!済まん、キツかったか?」

 

柊「ううん、気持ち良かった。八幡君に包まれていたから安心して眠れた。それにね、良い夢を見れたから。」

 

八幡「……聞いてもいいか?」

 

柊「私には八幡君が居ないとダメだっていう夢。」

 

八幡「何だそりゃ?」

 

 

ふふふっ、八幡君は分からなくてもいいよ〜。これは私だけが知っていれば良いんだもん♪

 

 

八幡「今何時だ?」

 

柊「7時10分くらいだよ。後1時間くらいしたら朝食だね。皆には悟られないようにしないとね。」

 

八幡「そうだな……先に顔洗ってこいよ。俺は布団を片付ける。ついでに着替えも此処でするわ。」

 

柊「オッケー。あっ、八幡君。」

 

八幡「ん?」

 

柊「私は洗面所で着替えるけど、もし良かったら覗いてもいいよ?」

 

八幡「冗談言ってないではよ行け。」

 

柊「えへへ、はぁーい♪」

 

 

八幡(柊、何とか元の状態に戻ったみたいで良かった。これなら平塚先生にも安心して報告できる。けど朝食行く時どうするか、時間通りにエレベーターで行ったら流石に階の違いで怪しまれるだろう。なら階段か?一応男子は6〜7階、女子が4〜5階、教職員が3階という風になってる。少し時間をズラして行った方がいいだろうな。)

 

 

八幡「それに、終わった後も抜け方を考えないとな。特に男子共には悟られんようにしないと。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「………」

 

 

八幡君、やっぱり考えてくれてたんだ………よぉし、私も少し考えてみよう!

 

 

柊「お待たせ〜。」

 

八幡「おう。」

 

柊「八幡君あのね、私色々と考えてみたの。」

 

八幡「何を?」

 

柊「朝食に行く時と終わった後の抜け方。」

 

八幡「俺もそれを考えてた。それで?」

 

柊「朝食は時間をズラして早く行くか遅く行くか、それか階段で行くかの3つ。終わった後がトイレに行くと言って抜けるか、歩きたいと言って抜けるかの2つ。思いついたのがこれくらいなんだけど、どうかな?」

 

八幡「俺と殆ど同じってすげぇな……俺は終わった後にもう1つあって、先生に用事があるからって抜けるの1つだ。」

 

 

さっすが八幡君………

 

 

八幡「してどうするよ柊さん。」

 

柊「そうだね八幡さん、じゃあ行きは階段で行こうか!2人で行きたいしっ♪」

 

八幡「欲を隠さない辺り流石っす柊さん。それで帰りはどうする?」

 

柊「八幡君の最後に言ってた先生に用事があるからにしようよ。その方が1番現実的だもん。よく考えたら、他の2つは終わるまで待ってるか、一緒に行くパターンがあるからね。」

 

八幡「じゃあ柊の言ったパターンにするか。行きは階段、帰りは先生に用事があって抜ける。」

 

柊「オッケー♪」

 

八幡「了解だ。」

 

柊「じやあ、八幡君も顔を洗って来なよ。八幡君の事だから洗面用具以外はもうカバンの中に片付けてあるんでしょ?」

 

八幡「お見通しですか、俺彼女に隠し事出来ないじゃん。隠す事ないからいいけどさ。」

 

柊「私もっ!八幡君にはなぁ〜んにも隠し事なんてしないよ♪八幡君には私の全部を知ってて欲しいから!何かあったら必ず教えるから!」

 

八幡「絶対に教えたくない事とかは話さなくてもいいからな?」

 

柊「分かってるよ〜。」

 

 

けど多分、それも教えちゃうと思う。八幡君だったらそれもどうにかしちゃうって思えちゃうんだよね〜不思議と。あっ、そうだ!新幹線も八幡君の隣にならないとっ!!旅行が終わった後もきっと私に着いてくると思う。『心配だから。』とか『おじさんとおばさんに報告。』とかそういう理由をつけてね、ふふふっ♪

 

 

 

 


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