八幡side
平塚「そうかそうか、それは何よりだ。君から見ても、夜十神はこうでないと落ち着かんかね?」
八幡「まぁ、そうですね。天真爛漫な柊でないと、柊じゃないみたいで少し………」
平塚「まぁ君からすればそうだろう。彼女の事をよく知る君だからこそ、思える事だろうけどな。」
柊「ふふふっ、ありがとう八幡君♪」ギュー!
平塚「だが1つ言わせてもらう。私の前でその行動は謹んでもらえんかね?」
八幡「いや、俺も止めたんですよ?部屋から出る時に。けど柊がどうしてもと聞かなくて。」
柊「だって八幡君に抱き着いてたいんだもんっ♪」
八幡「………すみません。」
平塚「………言いたい事はあるが、彼女の心情的な事も考えて今日のところは我慢しよう。」
………本当にすみません、平塚先生。
ーーー食堂ーーー
俺等は部屋を出て食堂に行こうと思ってたが、丁度よく平塚先生も出て来たから一緒に行く事になった。昨日の事や、朝の事もとりあえず報告してある。平塚先生には本当に感謝だな。もしあの場で許可が降りなかったら、柊はきっと今日も精神不安定だっただろう。
戸塚「あっ、八幡!!昨日は何処に行ってたの!?ずっと帰ってこないから心配してたんだよ!?」
八幡「あぁ〜済まん。実は………」
ヤバい、コレの言い訳考えてなかった。どうしよう………
柊「……ちょっと色々あったんだ、私も関係あるけど理由は言えないの。ゴメンね。」
戸塚「そ、そうなの?大丈夫?」
八幡「あ、あぁ……今はなんともないから大丈夫だ。心配させて悪かった。」
戸塚「ううん、気にしないで。困った事があったら相談してよ?僕でよければ力になるから。」
八幡「あぁ、ありがとな。」
沙希「……おはよ。」
涼風「おはようございます、お姉様、八幡さん。良い朝ですね。」
八幡「お、おう……おはよう。」
柊「おはよう川崎さん、涼風もね。」
沙希「昨日、アンタの妹から聞いた。大変だったみたいだね。」
柊「っ!?す、涼風!?」
涼風「申し訳ございません。ですが川崎さんなら信頼における人物だと思いましたので、お話しました。それに川崎さんはとても良い方ですので。」
沙希「買い被り過ぎだから。あたしも戸塚の言った通り、なんかあったら相談に乗るから。」
柊「……ありがとう。」
戸塚「あ、あれ……もしかして僕だけ仲間はずれ?夜十神さんの事って……何かあったの?」
………戸塚にも説明するか、けどこの場所だと人が多過ぎる。人が居なくなった時に話すか。
八幡「戸塚、お前にも説明する。だから少し待ってくれ。場所が場所だし、起きた事もそれなりに大きい事だから、大っぴらにはしたくない。」
戸塚「……うん、分かったよ。じゃあ席に着こっか!場所は……もう決まってるんだけどね。」
柊「はい、私は八幡君の隣♪」
涼風「お姉様に同じく、です。」
そんなこんなやり取りがあって、朝食を無事に済ませた。別れる時も皆気を遣ってくれたから難なく抜けられた。
だが横目でチラッと見たが、葉山のグループが少しだけギスギスしたように見えた。由比ヶ浜が少しだけ周りの様子を伺うような視線を常にしていた。まぁ俺には関係の無い事だ。
ーーー生徒指導客室(2人の部屋)ーーー
柊「八幡君、なんか様子変だったね。葉山君達のグループ。ギスギスしてたような気がする。」
八幡「お前も見てたのか?」
柊「少し気になってたから。いつもは騒がしいくらいお話が聞こえるのに、今日はすっごい大人しいんだもん。逆に気味が悪いよ。」
八幡「あぁ、俺もそう感じた。けど今はそんな事は考えないようにするぞ。意味の無い事を気にしても仕方ないからな。」
柊「……そうだね。」
そして3日間お世話になったホテルに別れを告げて、現在京都駅のホールに居る。皆旅先での思い出やら、起きた事を話していてかなり騒々しい雰囲気だった。
八幡「……これで京都も見納めか。」
柊「?八幡君何か言った?」
八幡「いや、何でもない。柊、少し京都の街を眺めに行かないか?」
柊「っ!……うん、行く!」
ーーー京都駅・展望ーーー
柊「………」
八幡「………何も聞かないのか?」
柊「え?」
八幡「何かを察してついて来たんじゃないのか?さっきの顔、そういう顔だったぞ?」
柊「………八幡君にはお見通しかぁ。奉仕部、どうするの?きっと帰って部室に行ったら、八幡君絶対にあの女からネチネチ言われるよ?」
あの女……おそらく由比ヶ浜だろうな。
八幡「まぁ、そうなったらそうなっただ。次の依頼でもしも由比ヶ浜がまた変な行動をするようなら、奉仕部とはそれっきりだ。俺の手に余る。俺はあの2人の保護者じゃねぇから、責任取りなんてしたくねぇしな。」
柊「……今すぐ、じゃダメなの?」
八幡「流石に、な。平塚先生には世話になったから今回は先延ばしにするだけだ。だがもし次にやらかすようなら、その時は辞める。」
柊「………うん。」
八幡「……そんな顔するな。」ギュッ
柊「あっ………」
俺は少しでも柊を安心させる為に、柊の身体を抱き寄せてそのまま抱き締めた。
八幡「大丈夫だ、俺はお前を置いて何処かに行ったりなんてしない。もう俺の中でもお前が居る事が当たり前になってるんだからよ。俺もお前が居なくなったら困るんだよ。だから柊、俺は何処にも行かないからお前もそんな顔をするな。」
柊「………うん。」
そして俺達の修学旅行は幕を閉じた。