俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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アンケート結果を見てみましたが………400名以上とは驚きました。そんなに見て下さっているなんて(本当はそれ以上だと思いますけど。)

頑張って名前考えなきゃ!!


診断

 

八幡side

 

 

修学旅行から翌日。俺は夜十神一家と一緒に千葉大学医学部附属病院に赴いている。理由は分かるだろ、柊を診てもらう為だ。もっと早くにこうするべきだったのだろうが、それは今考えても仕方のない事だ。今は柊の状態を把握する事が最優先だろう。それに、特定の人物を嫌いにならないと見れないようにはならないんだ。多分、初対面の先生や看護師なら問題はないだろう。

 

 

ーーー千葉大学医学部附属病院ーーー

 

 

御影「精神科で予約していた夜十神です。」

 

看護師「夜十神様ですね?少々お待ち下さい………お待たせしました、紹介状も預かっておりますので、すぐにご案内致します。此方へどうぞ。」

 

 

?紹介状?

 

 

御影「実は僕と此処の院長は昔からの友人でね、何かあった時には連絡を寄越せって言われてたから融通を利かせてもらってたんだよ。」

 

柊「要するにコネを使ったんでしょ?身も蓋もない言い方をしたら。」

 

御影「柊、容赦ない言い方をしないでくれ。」

 

紫苑「事実でしょ?」

 

御影「………うん。」

 

 

おじさん、もう少し頑張れよ………

 

 

看護師「院長、夜十神柊様をお連れしました。」

 

院長『構わねぇから入れてやれ。』

 

看護師「はい。では中へどうぞ。」

 

 

看護師がスライド式の扉を開けると、目の前には白衣を着たスキンヘッドのヤクザが居た。しかも左の目元に十字傷あるんですけど?

 

 

八幡「すいませんおじさん、おばさん。先生間違えてませんか?見間違えでなければ俺の目の前にヤクザがいるんですけど。」

 

柊「うん、私も全く同じ感想。」

 

涼風「あ、あの………同じ感想です。」

 

御影「あっははは!やっぱり君は少しでも見た目を変えるべきだよ、この病院に配属された新人さん、きっと君の顔を見て1度はこう思ってるはずだからね。」

 

院長「うっせぇ。これが俺なんだ、誰にも文句は言わせねぇよ。てか久しぶりに連絡寄越したと思えば、精神科ってどういうこった?」

 

紫苑「えぇ。その事なんだけど、貴方に娘を診てもらいたいの。」

 

 

院長は神田次矢(かんだつぐや)という名前で、この病院が受け持っている全ての内容を網羅してるとも言っていい程の知識を持ってる人らしい。その中でも特に精神科・神経科を得意としていて、医者になってからずっとその道のエキスパートみたいで、医者の世界でも名前が広まっている程の名医だとか。このなりで。だって見た目マジでヤクザだぞ?

 

 

神田「……つまり嬢ちゃんは嫌いな奴はマジで見えたりしねぇんだな?」

 

柊「はい、人影でしか見えません。」

 

神田「ふむ……これまで夢に出てきたり、幻覚が見えたりとかはしないか?」

 

柊「ないです。」

 

神田「無いとは思うが、暴力を振るわれたりとかはされてないか?」

 

柊「はい、無いです。」

 

神田「っとするとだ……御影、こりゃ難病かもしれん。命には関わらんが、最悪の場合は嬢ちゃんの精神が耐えられなくなるかもな。」

 

御影「何か分かったのかい、次矢?」

 

神田「あぁ。嬢ちゃんの状態だが、今の所は問題ねぇ。精神面も体調面も特に異常はない。けど問題はそこじゃねぇ。対象人物に会った時、もしくは自分で作っちまった時だ。」

 

紫苑「どういう事?」

 

神田「この症状の良い点は、自分で視認した相手を嫌いになんねぇと発生しねぇ。つまりは嫌いにならない限りは問題じゃねぇって事だ。だが悪い点は、その嫌いな奴が出来た時、嬢ちゃんの精神面の影響がデカ過ぎるって事だ。さっきの説明だが、中学の時は同級生または全生徒が対象になって、嬢ちゃんの中ではそこに居る坊主や御影達以外はどうでもいい存在になってたんだろ?」

 

柊「は、はい。」

 

神田「だとしたら、嬢ちゃんはソイツ等の事は嫌いで、どうでもいい存在だから見えなくなったって事になる。そうなると今回のケースは単純だ。ただ単に嫌いだから相手に対しても嫌悪感を抱くようになりながら人影しか見えなくなったってわけだ。つまりは嬢ちゃんの精神の天秤によって変わるって事だ。」

 

御影「なる程………」

 

神田「そしてこの症状は少なくとも新種の病、というよりは障害に近いだろう。最初にPTSD…所謂心的外傷後ストレス障害の可能性もあるとお前達も俺も疑っていたが、嬢ちゃんにはその兆しが無かった。完全に新種だな。俺も聞いた事ねぇしな。」

 

 

新種の障害、か………どの括りにも入らない原因不明の障害。

 

 

神田「幸いにも治療法はすぐ側に居るみたいだから安心だな。坊主が嬢ちゃんを撫でるなり抱き締めるなりすれば、取り敢えずは治まるんだろ?」

 

柊「はい、1日一緒に寝たら治りました。」

 

神田「ん、なら当面の心配はないな。取り敢えず俺から言える事は、出来る限り嫌いな奴は作らねぇ!出会わねぇ!関わらねぇ!コレに限るな。そうすりゃあ問題もなく過ごせんだろ。」

 

紫苑「それってかなり厳しいんじゃないの?関わらないは兎も角、作らないや出会わないなんて「俺も無茶言ってんのは分かってる。けどそうでもしねぇと精神がすり減ってく一方だ。なら出来る限りの事はやっておいた方がいい。」………そうね、分かったわ。」

 

神田「おう。んじゃ診断は終わりだ。」

 

御影「感謝するよ、次矢。」

 

神田「いいって事よ。何かあったらまた連絡寄越せ。嬢ちゃんに限定せずに俺が診てやるよ。特別料金でな。」

 

御影「次矢………」

 

神田「その代わり、「美味しい食べ物やお酒を持って行くよ。」……へっ、流石は御影だな。」

 

御影「20年も付き合いがあれば分かるよ。じゃあ何かあった時は頼むよ。」

 

神田「あぁ、分かった。気を付けろよ。」

 

 

見た目はともかく、中身はかなり良い先生だな。平塚先生と良い付き合い出来るんじゃね?紹介はさすがにしねぇけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで夜十神両親の名前は

父が【御影(みかげ)】、母を【紫苑(しおん)”にしました!!

それとオリキャラの神田次矢先生ですが、イメージキャラは【ナンバカ】の看守主任、双六一です。


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