俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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天之川の事情説明と結論

 

 

天之川side

 

 

キーンコーンカーンコーン!

 

 

「起立、気をつけ!さようなら!」

 

畑山「はい、さようなら!皆さん、気をつけて帰ってくださいね!」

 

 

よし、学校も終わった事だし柊と涼風のいる高校に行こう。確か○中学の言ってた話では総武高、だった筈だ。よし、龍太郎と雫、香織も連れて行こう。

 

 

坂上「光輝、俺等も帰ろうぜ。」

 

天之川「その前に龍太郎、雫、寄りたい所があるんだ。付き合ってくれないか?」

 

雫「別にいいけど、何処なの?」

 

天之川「歩きながら説明するよ。香織は………またアイツの所なのか。」

 

 

全く……香織は誰にでも優し過ぎる。それが悪いとは言わないが、何故南雲みたいな奴にまで優しさを振り撒くのか、俺には分からない。アイツはもっと努力するべき人間なのに。

 

 

香織「ねっ、南雲君!一緒に帰ろうよ!」

 

ハジメ「い、いや僕は……」

 

天之川「香織!一緒に着いてきて欲しい所があるんだ!来てくれないか?」

 

香織「天之川君………ゴメンね南雲君、また今度一緒に帰ろうね。」

 

ハジメ「僕の事はいいから、早く行きなよ。」

 

香織「うん。」

 

 

香織も毎日のように南雲の所に行っているが、どうして世話を焼きたがるんだ?俺には分からな……っ!そうか、ダメな奴程、面倒を見たがるような性格なのか。南雲は弟とか、従兄弟のような感覚で触れ合ってるのだろう。きっとそうだ。

 

 

香織「お待たせ天之川君。それで寄りたい所って何処なの?」

 

天之川「あぁ、実は「ピンポンパンポン」ん?」

 

畑山『生徒の呼び出しをします。2年○組の天之川光輝君、職員室畑山までお越し下さい。繰り返します、2年○組の天之川光輝君、職員室畑山までお越し下さい。』

 

 

俺が?何もした覚えはないが………

 

 

坂上「どうする?」

 

天之川「行ってくる。俺が10分経っても戻って来なかったら、今日は解散だな。せっかく集まってもらったのに済まない。」

 

雫「別にいいわよ、行きましょう香織。」

 

香織「うん!あっ、南雲君まだ間に合うかな?」

 

雫「ふふっ、相変わらずね。」

 

 

ーーー職員室ーーー

 

 

天之川「失礼します、2年○組の天之川です。畑山先生に呼ばれて来ました。」

 

畑山「あっ、天之川君。待ってましたよ。」

 

天之川「先生、何か俺にお話ですか?」

 

畑山「はい。此処では話しにくいので、こちらについて来てください。」

 

 

ーーー生徒指導室ーーー

 

 

畑山「では早速お話しますね。天之川君、先日に千葉市立総武高校の校長先生から連絡がありました。貴方も少なからず関係しているのですが、何か心覚えはありますか?」

 

天之川「っ!はい、あります。」

 

畑山「天之川君から詳しい内容を聞かせてもらってもいいでしょうか?」

 

天之川「はい、分かりました!修学旅行の2日目に俺はグループ行動をしていました。そして昼になる前に嵐山に行きました。その場に小学生の頃、柊と涼風………仲の良かった女子2人と再会して一緒に回らないかと誘ったのですが、一緒に居た男子に断られてしまって………その場は諦めてグループ行動に移りました。」

 

畑山(聞いたのは確かに嵐山の事でしたが、まだ続きがあるのかもしれません。)続きをお願いします。」

 

天之川「そして同じ日の夜、俺はもう1度嵐山に行って竹林を眺めようと思ったんです。1人で行きたかったので、誰も同伴させずに行ったのですが、その時に昼に会った女子の1人と男子が居ました。男子は女子に迫っていて、女子は無抵抗でしたが、俺は危険だと思ってその女子を助けました。ですが女子はその男子に怪我がないかどうかの確認をとって男子に寄り添ってました。俺もその男と一緒に居るのは危険だからこっちに来るように言ったんですが、男子からは『近寄るな。』と言われ、そのまま行ってしまいました。これが俺の知ってる事です。」

 

畑山「なる程………」

 

天之川「先生!俺は今日今から総武高校に行ってその男と話をしようと思っているんです!なので行かせてください!俺はあの男と話して、柊と涼風を解放してやらないといけないんです!!」

 

畑山「……天之川君、私は総武高の校長先生からお話があったと言いましたね?そのお話と照らし合わせたのですが、どうも辻褄が合いません。幾つか確認です天之川君、貴方と小学生が同じだと言っていた女子2人とは本当に仲が良かったのですか?」

 

天之川「勿論です!何度か一緒にグラウンドや校庭で遊んだ事があります!」

 

畑山「次に、その子達はその男子生徒に対して嫌がるような素振り等は出していましたか?」

 

天之川「もう1人の子は一緒に居なかったので分かりませんが、あの夜に居た時の柊はそんな素振りを見せていました!」

 

畑山「それが勘違い、だとは思いませんか?」

 

天之川「思いません。」

 

 

先生、早く終わらせてくれ!今も柊達は苦しんでいるかもしれないんだ!あの男が今も苦しめていると思うと、俺は早くそれを止めたい!!

 

 

畑山「……最後の確認です。天之川君、彼等が竹林から出る前、その女の子から何か言われませんでしたか?」

 

天之川「………俺が助けようとした時、柊から拒絶されました。嫌と大きな声で。ですがあれはあの男を庇うような声に聞こえました。」

 

畑山「そうですか………天之川君、貴方にお伝えしたい事があります。」

 

天之川「何でしょう?」

 

畑山「金輪際、貴方が彼女達に関与する事を一切禁止とします!!」

 

 

 

 

 





畑山先生からの接触禁止令!さて天之川、どうする?

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