俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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更なる歪み

 

 

天之川side

 

 

畑山「金輪際、貴方が彼女達に関与する事を一切禁止とします!!」

 

 

……今、先生はなんて言ったんだ?彼女達に関与する事を一切禁止?

 

 

天之川「先生、彼女っていうのは柊と涼風の事ですか?」

 

畑山「もう1人です。比企谷八幡君、この3人と関わりを持つ事を禁止します。」

 

天之川「何故ですか!!?あの2人はあの男に苦しめられているのですよ!!?それを黙って指を咥えたまま見ていろと言うのですか!!?」

 

畑山「天之川君、貴方は勘違いをしています。」

 

 

何だって?勘違い?

 

 

畑山「彼女達は比企谷君に対して嫌悪感を持ってはいません。それに悪感情もです。むしろ好意的な感情を持っているとの報告もあります。」

 

天之川「そんなのただの報告です!!現実は分からないではありませんか!!」

 

畑山「では何故、彼女はあの夜に貴方に助けられるのを拒み、比企谷君を助けたのですか?この場面、貴方の言い分ならすぐに天之川君の背中に隠れてもおかしくはありません。ですが彼女はすぐに比企谷君の怪我がないかどうかの確認をした、これについてはどう説明をしますか?」

 

天之川「それはさっき言いました、奴に脅されていたから仕方なくやってたんです!」

 

畑山「……何故そうだと分かるんですか?」

 

天之川「え?」

 

畑山「脅されてしかたなくやっていた、私は総武高側の報告を受けた限りではそんな事はあり得ないと思いました。ましてや夜に人気の少ない所で2人で居るなんて、脅されている身で考えれば、絶対に抵抗するはずです。無抵抗で居るとすれば合意の上としか思えませんが、それ以外で何か理由があるのでしたら、教えて下さい。」

 

天之川「そ、それは………」

 

 

どうして脅されている?そんなの………

 

 

天之川「奴の目を見れば分かります!!あの目はとても下劣な目でした!!それに、妹も……涼風も脅されているんです!あの夜は妹に手を出されたくなければ1人で来いと言われていたんだと思います!!」

 

畑山「………話を続けます。貴方と別れた後、夜十神さんは震えていたそうです。それも翌日になるまで体調は良くならなかったとか。何故か分かりますか?」

 

天之川「……比企谷が怖かったからですよね?」

 

畑山「違います。」

 

天之川「では解放された安堵による震えですか?」

 

畑山「違います。」

 

天之川「?ではなんだと言うのです?」

 

畑山「………天之川君、これはあまり言いたくはありませんが、理解出来ていないようなので先生は意を決して言う事にします。」

 

天之川「?はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

畑山「どうして自分に非があるという考え方が出来ないのですか?」

 

 

………は?

 

 

畑山「彼女達が比企谷君に脅されていたという事実なんてありませんし、震えていたのも貴方のせいです。そのせいで彼女は比企谷君から離れる事はおろか、抱き着いた腕を離そうとする仕草もしなかったとか。」

 

天之川「だからそれは学校の報告で「その言葉が夜十神さん本人からの言葉だったとしても、ですか?」………柊が?」

 

畑山「はい、彼女は翌日の準備時間中にこう言っていたそうですよ。『震えが止まりませんでした。もう2度とあんな思いはしたくありません。彼にも会いたくありません。』………と、担任の先生に話していたみたいです。」

 

天之川「そんな……柊が?」

 

畑山「はい。それと天之川君、比企谷君から何か言われていたのでしょう?それを考えるのなら、さっき行こうとしている所には行かないで下さい。」

 

天之川「ひ、柊………君は………」

 

畑山「天之川君、分かってくれましたか?」

 

 

柊、涼風。君達は………本当に………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天之川「なんて可哀想なんだ………」

 

畑山「え?」

 

天之川「まさかそんな事までさせられていただなんて………俺の詰めが甘かったんだ!しかもそんな虚言まで言わせていたのか、比企谷の奴!!こんなの、見過ごせない!!」

 

畑山「天之川君、止めなさい!!もし総武高に行くのだとするなら、先生は止めます!!」

 

天之川「先生、無理に庇わなくていいんです。比企谷は罰を受けるべきなんです!先生どころか学校まで巻き込んだんですから!学校が許しても、俺は比企谷を許さない!!」

 

畑山「天之川君、いい加減にしなさい!!」

 

天之川「先生、俺は先生の為にも戦います!!あの卑怯者を、偽善者を必ず裁きを与えます!!」

 

 

こうしてはいられない!!すぐに準備をしよう!!いや、今日はもう龍太郎達は帰ったか………なら明日だ!!明日、総武高に行って比企谷に裁きを与えてやるんだ!!

 

 

畑山「天之川君、止まりなさい!!まだ話は終わって「先生!今は時間が惜しいんです!止めないでください、失礼しました!!」天之川君!!」

 

 

比企谷、お前は一体どれだけの人を利用して来た?柊や涼風だけではないだろう?お前には利用してきた人間の数だけ罪を償ってもらう!!

 

 

天之川「龍太郎と雫、香織はきっと明日も来てくれるはずだ。他にも協力してくれそうだけど、大人数で行くべきではないな。この人数で行こう!」

 

 

待ってろ比企谷……今度こそお前を完膚なきまでに叩き潰してやる!!首を洗って待ってろ!!

 

 





うんわぁ………

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