俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

97 / 300
間違いを修正

 

 

八幡side

 

 

八幡「ん?お前は……いつぞやの迷惑男じゃねぇか。しかも何だ、お友達も一緒に連れてよ………この学校に何か用なのか?」

 

天之川「惚けるな!!用があるのはお前にだ!!」

 

八幡「俺に?一体何の用だ?」

 

天之川「その前に、柊と涼風は何処だ?お前に連れて行かれる前に俺達が預かる!」

 

 

うわぁ………もう相手にするの疲れたんだけど。ていうか後ろの連中は事情知ってるわけ?

 

 

八幡「柊と涼風ならもう居ねぇよ?帰ったし。」

 

天之川「か、帰った?」

 

八幡「それよりも後ろのお前等、このご都合解釈男に連れて来られたんだろうが、事情は聞かされてんのか?」

 

雫「えぇ、聞かされているわ。けど私はこの目で見たものでしか判断しない事にしてるわ。だから貴方に会うまではどうするか悩んでたの。」

 

八幡「……つまり?」

 

雫「私の中での答えは決まったわ。」

 

天之川「っ!雫、やっぱり雫もそう思って「何を勘違いしているか分からないけど、きっと間違ってるのは貴方よ、光輝。」なっ!!?い、いきなり何を言い出すんだ!!?」

 

雫「私、比企谷君だったかしら?彼が言った言葉の中に1つとても共感出来る単語が含まれてたの。それを聞いた瞬間に、アンタがまた勘違いをしてるんだって気付いたわ。」

 

 

という事は………このポニーテールの女は苦労人か。わぁ………いつもご苦労様です。

 

 

天之川「そ、そんな筈はない!!俺は確かに見たんだ!!柊がこの男に襲われている所をっ!!」

 

八幡「………これじゃ埒があかない。おい、お前が説明した内容を俺にも説明してみろ。違う部分を真っ向から修正してやる。」

 

天之川「………分かった。」

 

 

そして天之川は手持ちの情報の中で俺と柊、そして涼風がどんな接点や行動をして来たのかを説明してくれた。のだが、いやいやいやいやこりゃ参ったね。直す箇所とんでもなく多いんだけど?しかも中学からやらないといかんのコレ?骨折れるわ〜。

 

 

天之川「これが俺の聞いた話をまとめた内容だ。間違いはあるか?」

 

八幡「うん、間違いだらけ。」

 

天之川「な、何!?」

 

八幡「何に驚いてんだよ?はぁ………もうどっから突っ込んだらいいのか分からんな。じゃあまず中学から。確かに俺と柊と涼風はとあるきっかけで仲良くなった。だが俺が2人を独占した事実なんて何処にも無い。」

 

天之川「あるじゃないか!!柊はお前と関わってから、お前以外の生徒とは関わりを持たなくなったと聞いた!!」

 

八幡「関わりを持たなくなった、っていうのは間違いでは無いが、もっと正確に言うなら柊が他人と関わるのを辞めたっていうのが正解だ。」

 

天之川「な、何だそれは!?」

 

八幡「そうだな………そこの女子、名前は?」

 

香織「え?えっと……白崎香織だよ?」

 

八幡「じゃあ白崎、例えばお前が天之川から告白を受けてそれを断ったとする。そして翌日にはそれが学校中に広まってる状態だがお前はそれを知らない。だがある時、こんな事を耳にした。お前だけを無視する、居ない奴扱いにする、幽霊化させる、それを聞いたらお前はどう思う?」

 

香織「そ、そんな事聞いたら………私、きっと学校に行けなくなるよ。」

 

八幡「まぁだろうな。普通ならそういう反応をするのが当然だ。」

 

天之川「それで、どうなったんだ?」

 

八幡「細かい内容は省くが、柊はその会話を聞いていた。そして公園で1人泣いていた所に俺が出くわした。そしてその翌日から柊は俺と家族以外の人間には殆ど関心や興味を持たなくなった。天之川、お前【幽霊ごっこ】って聞いたのか?」

 

天之川「あぁ……」

 

香織「幽霊、ごっこ?」

 

八幡「何だ、お前等には言ってないのか……簡単に言うとさっき言った通りだが、対象の人物を居ない奴扱いする遊びの事だ。柊はその対象だった、たかが学校の人気者に告白されてそれを断ったってだけでだ。柊はそれを1ヶ月も過ごしている。」

 

雫「1ヶ月………」

 

香織「そんなに………」

 

 

女子なら分かるだろう。友達と話せない、話したとしても無視をされる。その苦痛なんて表現できるものではない。

 

 

八幡「それから柊は俺と居るようになってから徐々に明るさを取り戻した。そして2つ目だ、謝りに来た連中を俺が突っぱねてたって所だ。」

 

天之川「………」

 

八幡「間違いではない。だがこれは柊自身が望んだ事だ。俺はそれに便乗したに過ぎない。」

 

天之川「何っ!?柊が!?」

 

八幡「あぁ。さっきも言ったが、柊は俺と関わるようになってから他人と殆ど関わらなくなった。そんで【幽霊ごっこ】が終息し始めると、柊と関わりのあった連中が柊に対して謝りに行った。それで柊なんて言ったと思う?」

 

雫「………もう関わる気はない、とか?」

 

坂上「もう話しかけるな、か?」

 

香織「うぅ〜ん……もう知らない?」

 

 

まぁ、そんな所だろう。けどヒントは出してあったんだよ、殆ど関わらなくなったってな。まぁ、半分正解で半分不正解のヒントだけどな。

 

 

八幡「何も言わなかったんだよ。何もだ。」

 

雫「え……何も?」

 

八幡「そう、何もだ。まるで何も聴こえていないかのように、そこに誰かがいるのも気付いていないかのように。勘の良い奴ならもう気付いてると思うが、どうだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香織「………嘘。比企谷君、そうなの?」

 

天之川「香織、分かったのか!?」

 

香織「うん……でも、こんなの普通じゃ………」

 

八幡「言ってみろ、お前の出した答えを。」

 

香織「柊さんは……その人達が見えなくなっていた。声も何もかも。」

 

八幡「………正解だ。まぁ人影くらいは見えていたようだけどな。顔なんかは全く見えていなかったそうだ。だが、おかしな話だ。事情を聞いている筈の天之川がそんな反応をするなんてな。お前、一体何を聞いてたんだ?少し頭を捻れば分かる話だろ。」

 

天之川「こんな事だとは思わなかったんだ!!それに俺はその中学の友達からそんな事聞かされてなかった!!」

 

八幡「まぁそれもそうか、ソイツ等に柊の事なんてこれっぽっちも理解出来るはずがねぇ。理解出来ているのなら、ソイツが柊の横に居るはずだからな。」

 

香織「もしかして、今も?」

 

八幡「この学校の連中は大丈夫みたいだ。ちゃんと認識できてる。まぁこれが俺達○○中学の起きた事だ。嘘みたいな話だが、全部事実だ。」

 

雫「………」

 

坂上「マジかよ………」

 

八幡「その上でお前等に聞くぞ。今のを聞いてそれが間違いだと思う奴はいるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天之川「話は分かった。けど、柊はその友達が謝ってきた時にもっと人と関わろうとする努力をすれば良かったんじゃないかって俺は思う。」

 

 

 

 




全く、天之川のアホめ……中学の内容が全っ然違うよ!!

しかも最後の最後のなんだそれは!!?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。