目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
後書きに変なオマケがありますが、見なくても大丈夫です。
無限列車の出来事から早くも三ヶ月。
煉獄さんの継子として、日々鍛錬と実戦を重ねたことにより、透き通る世界もだいぶ維持できるようになってきた。
まぁ、だからと言って疲れないわけではないが、無限列車の時に比べたら、そこそこ体力を維持することができるようになった。
ついでに、炎の呼吸も申し分ない火力を叩き出せるようにもなったし、なんか、炎の呼吸を使っていても、短時間だけ透き通る世界へ入ることも可能になった。
あと、着々と煉獄さんの技の練度も上がってきているし、最近、動きもかなり早く、火力もやばいことになりつつあるため、彼もそろそろ一歩踏み出してしまうかもしれないと思ってる。
だって、「最近はなんだか調子が良いな!ワハハ!」とか笑ってたし昨日。
いやぁ……痣を出した者が一人いれば、それに共鳴するように痣を出す人が増えていくって本当だったんだな……。
まだ、彼の痣は確認できてないけれど、なんか、うん、もう少しで出しそうだよ……。
煉獄さんが痣を出したら、鬼側ボッコボコにできそうだな……。カウントダウン始まるけど。
十二鬼月……というよりもはや六鬼月だけど、彼らにも善戦できそうだな……。カウントダウン始まるけど。
これ、いいのかな……?いいのか……。だって、早めの攻略に繋がるわけだし……。
なんて考えながらも、今日も今日とて炎の呼吸訓練、および日の呼吸の訓練を行っている。
本気で炎の呼吸をぶっ放したり、日の呼吸をぶっ放したりするから、広い庭に出て、呼吸使用の打ち込み稽古。
まぁ、流石に真剣は使ってないけど。だって、互いに本気で呼吸を使ってるもん。真剣なんて使ったらどうなることか……。
そうそう……最近は“炎の呼吸・奥義 玖ノ型 煉獄”……これも教えてもらえるくらいになった。
もちろん、煉獄さんのような馬鹿力が出せるわけじゃない。抉り斬れる範囲は彼ほど広くないし、火力もそれなりに落ちてしまう。
もし、これが炭治郎だったのなら、彼と同じくらいの力を出せたのかもしれないけど、女の身である私では、やはり筋肉のつき方の差があるからか、そこまで使いこなせないのである。
ああ、だからと言って、しょぼいってわけじゃない。上弦相手にはどれくらいの力が発揮できるかはわからないけど、指令として舞い込んでくる鬼相手であれば即死させるくらいには火力が出る。
まぁ、こう言ったら申し訳ないけど、数字をもらっていない鬼は、なんというか、即行で終わらせてしまうようになってしまったわけだ。
人をそれなりに食い散らかして、力をつけた鬼に対しても、引けを取るどころか圧倒する能力値になってしまっている。
あと、これ本当に申し訳ないんだけど……水の呼吸がだんだん使い難くなってきてる自分がいる。
いや、本当に鱗滝さんや義勇、錆兎や真菰には申し訳ないと思ってる。あんなに型とか呼吸方法を教えてくれていたのに、使いにくくなってきてるんだから。
錆兎と真菰なんて、水の呼吸でどこをどうすれば火力を出せるかとか教えてくれたし、無駄な動きがあるところは何度もアドバイスしてくれて矯正してくれたのに……。
一応ね?使えないことはないんだよ。呼吸方法も完全に忘れたわけじゃないから。
でもね……いざ使おうとしたら肺がすっごく痛くなる……。多分、自分の肺が炎と日に適応するように変化しちゃったんだと思われる。
……これ、無惨倒したあとどうしよう……?落ち着いたらまた会いに行くって約束したのに、ものすっごく会い難い。気まずくて。
会いに行くの、やめたほうがいいか……あ、だめだ。寒気した。約束破ったらダメな気がする。
なんていうか、夜中に枕元に立たれそうな気がした。うん。
……終わったらちゃんと会いに行って謝ろう…………。
ま、まぁ、ほら、まだ遊郭での攻防も、あるかもしれないし!?いや、あってくれないと困るんだけど!!時間は多分まだあると思うから!!
鬼と完全な決着をつけるまで、心の準備をする時間はあるだろうから……
「訓練中に考え事とは感心しないな!剣が乱れているぞ!」
「おわぁあぁああ!?」
「ねえちゃ─────ん!!?」
「う─────!!?」
なんて考えていたら煉獄さんに木刀ごと吹っ飛ばされてしまった。
炭治郎と禰豆子の驚いた声が聞こえる中、私は庭をゴロゴロ転がってしまう。
すぐに地面に手をついて起き上がり、煉獄さんの方を向く。
その表情はどこか厳しく、咎めるような匂いがした。
当然だろう。考え事をしてしまったのは私自身だ。しかも、考えていたことは、今は関係なく、むしろ必要ない内容だった。
煉獄さんはそれに気づいたのだろう。だから厳しい目を向けてきている。
「訓練だからと言って、気を抜くな!もし、これが鬼との戦いだったら、今頃足元を掬われて命を落としていたぞ!」
「……すみません。今のは完全に私に非がありました。」
「うむ!素直に非を認めることができるのは君の美徳だな!では、もう一度最初からだ!次は考え事をせず、本気でかかってこい!」
謝罪の言葉を口にして、頭を静かに下げれば、煉獄さんから咎める匂いが消えた。
それを確認した私は、深呼吸を一度したのち、手にしていた木刀を再び構える。
使う呼吸は炎の呼吸。煉獄さん曰く、これまで水とヒノカミ神楽こと日の呼吸にしか触れていなかったため、まだ、完全に炎の呼吸をものにできていないということから、鬼の襲撃がほとんどない朝方から正午までは、こちらの訓練を重点的に強化するとのことだった。
そして、正午、少しの食事と休憩を挟んだのち、今度は日の呼吸の練度を上げるという話になっている。
ちなみに、日の呼吸の時は、炭治郎と禰豆子の二人の強化も行うからと、室内で私、炭治郎、禰豆子、煉獄さんの四人が入り乱れる複数人の訓練になる。
残念ながら、禰豆子の血鬼術である爆血とかを使った戦い方は室内だと後始末のこともありできないが、日が落ちた頃、たまに煉獄さんから個人指導を受けているあの子の姿を何度か見ているため、大丈夫だろう。
「よし、ここまで!」
「……ふぅ………ありがとうございます。」
「ああ、よく頑張ったな!だが、これからは訓練であろうとも、考え事はあまりしないように!」
「わかりました。」
「それならばいい!ではしばし休息を取るとしよう!」
朗らかに笑いながら、休憩を言い渡してくる煉獄さんに頷き返し、屋敷に入る。
「少し汗を流してきます。」
「うむ!俺も少し水浴びをしてくる!」
そして、私は一時的に風呂場へ。煉獄さんは屋敷の裏手の方にある井戸がある場所へと足を運ぶ。
脱衣所で服を脱いだ後、風呂場に足を運べば、浴槽にはお湯が張っていた。
いつも訓練が終わるたびに、私が汗を流すからか、隠の人が用意してくれていたらしい。ありがたいことだ。
「よし、さっぱりした。」
隠の人に感謝しながら、汗をさっと流せばスッキリ。炭治郎と禰豆子も、汗臭くないよと花丸をくれたので、水浴びから屋敷に戻っているであろう煉獄さんと合流する。
「腹が減ったな!何か外に食べに行くとするか!」
「たまにはいいかもしれませんね。」
「そうだろう!では、決まりだな!」
煉獄さんの元に顔を出せば、外食しに行こうと誘われた。賛成することを伝えれば、煉獄さんが玄関の方へと足を運ぶ。
それについていくように廊下を歩き、玄関までたどり着くと、炭治郎と禰豆子がえっさほいさと箱を持ってきた。
箱の扉を開けて待てば、二人は体を小さくして、するすると中へと入っていく。
「竈門少年と竈門少女は、本当に姉である君が大好きなんだな!」
「ええ、嬉しいことに。」
ワハハと笑い声を上げる煉獄さんと言葉を交わしながら、玄関の外へと足を運べば、煉獄さんもすぐに私の横に並んで歩き始める。
炭治郎と禰豆子の二人が箱の中に入っているため、あまり振動を与えないように歩いている私に合わせてか、煉獄さんも同じペースで歩いてくれている。
こういうことサラッとできちゃうんだな、イケメンって……なんて考えながら、少しだけ煉獄さんの姿を盗み見る。
……彼の気遣いと見えた横顔に、少しだけドキッとしたような気がするけど、気のせいだと思いたい。
オマケ
─────……夕日が寒気を感じる前の狭霧山某所
「優緋が俺以外に惹かれてるような気がする。あと、約束を破りそうだった。」
「……錆兎?急に何言ってるの?」