目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 後書きに男装優緋の自作イラストを載せてます。
 あまり上手いイラストではありませんが、ご興味がありましたら。
 イメージを崩したくない方は、そのままスルーをお勧めいたします……汗


108.いざ、吉原遊廓へ

 吉原遊廓。男と女な見栄と欲、愛憎渦巻く夜の街。

 遊郭・花街は、その名の通り、一つの区画で街を形成している。

 ここに暮らす遊女たちは、貧しさや借金などで売られてきた者が殆どで、たくさんの苦労を背負っている。

 その代わり、衣食住は確保され、遊女として出世できれば裕福な家に身請けされることもあった。

 中でも、遊女の最高位である“花魁”は別格であり、美貌・教養・芸事全てを身につけている特別な女性。

 位の高い花魁には、簡単に会うことすらできないので、逢瀬を果たすため、男たちは競うように足繁く花街に通うのである。

 

 ……と、漫画に書いてあったナレーションを内心でしてみるものの、私の置かれているこの状況はなんなんだ。

 

「どうしてこうなった……?」

 

「派手に似合ってんじゃねぇか。」

 

「それは、ありがとうございますと言っていい奴なんですかね……。男装が似合うって言われるの、なんか複雑なんですが?」

 

「ゆ、優緋ちゃん……かっこよすぎるでしょ……。」

 

「この服窮屈だ。脱ぎてぇ。」

 

 私の目の前には、原作通り、頓珍漢な化粧を施された善逸と伊之助の姿。私の隣には、化粧を落とし、髪も下ろした色男モードの宇髄さん。

 そして、なぜか男装させられている私という謎の構図がこの場にできている。

 

 ことの発端は、数時間前の藤の家。

 善逸と伊之助がノックアウトしてる間に、私の変装を済ませるといった宇髄さんの発言からだった。

 

 ─────……優緋には男装をして、客として遊郭に足を運んでもらう。

 

 ─────……え?男装?

 

 ─────……安心しろ。化粧は得意だから、立派な色男の姿にしてやるよ。

 

 ─────……いや、安心できないというか、男装って聞いてないんですけど?

 

 ─────……ほら、さっさと済ませんぞ。あとで善逸と伊之助のもしないといけないしな。

 

 ………と、まぁ、こんな会話があったあとに、パパパッと化粧をされてしまったという。

 鏡見せられた時はかなりびっくりした。だって、結構な男前が映ってたからね。

 化粧ってこんなに見た目を変えるもんなのかと思ったよ。で、そのあとは限界までサラシで胸を潰された。

 嫁入り前の女ってこともあったからか、藤の家の女将さんが手伝ってくれましたってね……。

 まぁ、それはそれとして……だ。

 

「私、遊郭とか行ったことないから何したらいいのかわからないのですが……?」

 

「とりあえず、人探ししてるってだけ言っとけ。姉でも妹でもいいから、生き別れた家族がこっちに売られたって話を聞いて調べにきたって感じにな。客としてうろついていれば、常連と顔を合わせる可能性もあるだろうし、店に入れば、芸妓や遊女と話す機会が自ずとできる。その伝を上手く使って俺の嫁を探しをしてくれ。まぁ、中に入るよりかは情報を得にくいかもしれないが……」

 

「わかりました。」

 

 どうやって客として情報を集めたらいいんだよ、と思いながら、方法を問うてみると、どうしたらいいか教えてもらえた。

 とりあえず花街を歩きながら遊びにきた人から話を聞いたり、芸妓さんの接待を受けながら、情報を集めたらいいみたいだ。

 まぁ、やり方がわかったところで、上手く行くかはわからないわけだけど……やれるだけやってみるとしよう……。

 

「じゃあ、まずはこいつらを遊郭に潜入させるか。優緋もついてこい。」

 

「はい。」

 

 多少なりとも不安を抱きながらも、善逸たちを連れて行く宇髄さんについていく。

 そういや、私は男装させられて、客として潜入しないといけないことになったわけだけど……どんな話の流れになるんだろう……。

 原作では、ときと屋に宇髄さんが三人を売り込む形で足を運び、その美貌にノックアウトしたときと屋の女将さんが女装炭治郎こと炭子を引き取ってもらう話になっていたけど……。

 

「ん?オイ!なんかあの辺、人間がウジャコラ集まってんぞ!」

 

 ……あ、そういう流れ?本来なら炭治郎をときと屋に潜入させるシーンが、カットされる感じ?

 なるほど……。

 

「あー……ありゃ“花魁道中”だな。『ときと屋』の“鯉夏花魁”だ。一番位の高い遊女が客を迎えに行ってんだよ。それにしても派手だぜ。いくらかかってんだ。」

 

「嫁!?もしや嫁ですか!?あの美女が嫁なの!?」

 

「近い!!」

 

「あんまりだよ!!三人もいるの皆あんな美女なんすか!!」

 

「嫁じゃねぇよ!!こういう番付に名前が載るからわかるんだよ!!」

 

 ………賑やかだなぁ、この二人組。ある意味でいいコンビなんだろうか。っていうか宇髄さん。

 そんなに本気で殴ったらまた善逸が気絶しますよ……。

 

「ちょいと、そこのお兄さん。」

 

「……ん?」

 

「あんただよあんた。」

 

「……ああ、僕ですか。どうかなさいましたか?」

 

 宇髄さんと善逸のやり取りを他人事のように眺めていると、背後から声をかけられた。

 振り向いてみれば、そこには一人の女性。背格好からして……いや、漫画で見たわこの人。

 『荻本屋』の女将さんじゃん……。原作通り、伊之助を引き取りに来たわこの人。

 

「この子、うちで引き取らせてもらいたいんだ。構わないかい?」

 

「引き取りたい?」

 

「ああ。『荻本屋』の遣手……アタシの目に狂いはないさ。」

 

「なるほど。……兄様。先程の話、聞いていましたよね?」

 

「ああ。荻本屋の女将さんが引き取ってくださるとはありがたい!ぜひ、仕込んでやってください!」

 

「よろしくお願いしますね。」

 

 ここは原作通りなんだな……と少しだけ苦笑いをしそうになりつつも、宇髄さんに声をかければ、彼は、してやったりといった雰囲気を一瞬見せたあと、是非とも仕込んでやって欲しいと、猪子こと伊之助を荻本屋の女将さんに託す。

 立ち去っていく女将さんに対して頭を下げて、見送ったあとは、宇髄さんへと視線を戻す。

 すると、彼は小さく笑って、私の頭を撫でてきた。

 

「派手に演技できてんじゃねぇか。これなら、客として潜入してもうまくいきそうだ。」

 

「ありがとうございます。にしてもすみません。急に宇髄さんのことを兄様なんて呼んでしまって。」

 

「いや、むしろいい機転だったぜ。怪しまれないよう、自然体でできることは、潜入捜査をするにあたり、必要な技術だからな。この調子で、派手に情報収集頼むわ。」

 

「わかりました。」

 

 宇髄さんと少しだけ会話をした後、私は善逸に視線を向ける。

 すると、宇髄さんも善逸に目を向けては、どうするかなこいつ的な目を彼に向けていた。

 私と宇髄さんの視線を浴びた善逸は、ショックを受けたように固まっていた。自分より先に、伊之助が就職しちゃったからだろうか……。

 

「優緋。とりあえず俺はこいつを何とかしてくるから、ときと屋の方に先に行って調べてみてくれ。」

 

「わかりました。善逸……じゃなくて善子ちゃん。頑張ってくださいね。」

 

「え゛!?」

 

「行くぞ。」

 

「い゛ぃやぁああ─────!!ちょっと待って、置いてかないでぇ─────!!」

 

 首根っこを引っ掴まれて引き摺られていく善逸に手を振りながら、ときと屋の方へと足を運ぶ。

 まぁ、場所がどこかまではわかってないから、花街を歩いている男性たちにお店がどの場所にあるか聞きながらだけど。

 ……にしても、何か、一部女性たちの視線が痛いような気もする……。男装ってバレたのかな……。バレてないといいんだけどな……。

 

 

 




 男装優緋。




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