目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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118.雷鳴と獣咆の合流

 恨み言を吐き捨てながら、宇髄さんを睨みつける堕姫ちゃんを横目に、妓夫太郎さんは私と宇髄さんを見つめる。

 その間も堕姫ちゃんは苛立ちと自分ばかりがやられている状況に鳴き声とも叫び声とも取れる声を出しているが、妓夫太郎さんは何かを確信したような様子で口を開いた。

 

「お前ら、もしかして気づいてるなぁ・・・・・・?」

 

「何に?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 静かに紡がれた言葉に、宇髄さんは相変わらずの調子で問いを返す。

 そう言えば、私は原作の知識として持ち合わせているから知っていたけど、宇髄さんは戦闘の中で彼らのギミックに気づいたんだっけ・・・・・・と少しだけ思いながらも、刀を構えたまま妓夫太郎さんを見据える。

 

「ちぃっ・・・・・・!!ただでさえこっちの攻撃が掠りもしねぇで毒もありねぇってのに厄介なことこの上ねぇなぁあ・・・・・・!!」

 

「褒め言葉として受け取るとしましょうか。」

 

「そうだな。褒め言葉として受け取っておいてやるぜ。」

 

 未だに余力を持たせている状態の私と宇髄さんを見て、妓夫太郎さんが不機嫌に表情を歪める。

 まぁ、自分達のギミックを見抜かれている上、相手側にはダメージ一つとして与えることができていない状況となると、不機嫌になるのも仕方がないのだろう。

 本来ならば使えたはずの搦手・・・・・・血鎌に含まれている猛毒を与えた上でじわじわと相手の命を削る戦法も、私と言うイレギュラーに阻まれている。

 となると、向こう側が不利になるのは明白である。だが、それでも逃げないと言うのは流石は上弦と言ったところだろうか。

 

 ─────・・・・・・鬼舞辻は確か、毒を喰らわせたらあとは死に逝くだけなのだから、そのまま時間稼ぎをすればいいとか言う臆病者戦法を考えていたんだっけ?

 

 “圧倒的な力を持ち合わせていてもなお、そんな考えを浮かべるなんて、本当にあの鬼は生に執着してるよな”・・・・・・なんて軽く呆れながらも、私は隣にいる宇髄さんに視線を向ける。

 宇髄さんは私の視線に気づくなり、一瞬だけ目を丸くしたのち口元に笑みを浮かべて前を向いた。

 同時に彼は無音の言葉を静かに紡ぐ。“合わせろ”と言う短い言葉を。それを見た私は静かに頷き、その場で炎の呼吸を使用する。

 それを合図にしたように、宇髄さんが地面を蹴り上げたため、私も同時に地面を蹴り飛ばし、彼の攻撃に自身の攻撃を合わせていく。

 それなりの時間、宇髄さんの隣で刀を振るっていたおかげで、彼の動きはある程度把握することができた。

 まぁ、完全に把握できているわけではないため、時折合わせるのが大変だけど、それならそれで修正していけばいい。

 

 そんなことを思いながら、私は宇髄さんと一緒になって堕姫ちゃんと妓夫太郎さんの二人へと猛攻を仕掛ける。

 すると、不意に宇髄さんがこちらに一瞬だけ視線を向けてきた。急に視線を向けられて、少し驚いたが、それが一つの合図であることを把握することができた私は、すぐに自身のベルトに下げていた巾着袋から複数の火薬弾を指に挟んで取り出し、宇髄さんの斬撃に合わせてそれを二人めがけて投げつけ、一時的に後退する。

 同時に火薬は一気に爆ぜ、辺りに煙が広がった。それを確認した私は、宇髄さんのにおいと鬼のにおい・・・・・・それらを瞬時に嗅ぎ分けて、煙の中へと身を投じる。

 

 “炎の呼吸 伍ノ型 炎虎!!”

 

 嗅ぎ分けることができた鬼兄妹二人の位置。そのうちの片方を狙うように、炎の虎が噛み付くような斬撃を放てば、それを防ぐようにして2種類のにおいが距離を詰めてくる。

 すぐにそれが帯と血鎌であることを把握することができたが、気にすることなく斬りつける。

 

「ギャアッ!!」

 

「ぐぅ!?」

 

 確かな手応えと同時に聞こえてきたのは2つの声。あ、これ、また堕姫ちゃんの頚やっちゃった?と少しだけ思いながらも、瞬時に昇り炎天を放てば、こちらにも一つの手応えを感じた。

 

「派手にやるじゃねぇか優緋!!流石は煉獄の継子だぜ!!」

 

「それ、褒め言葉なんですかね?」

 

「褒め言葉以外に何があんだよ!?」

 

「いや、だって、火力・・・・・・女が出していいものじゃない。」

 

「そりゃ仕方ねーだろ。あの煉獄一家が使ってる技だしな。」

 

「まぁ、そうなんですけどね。」

 

 宇髄さんと言葉を交わしながら妓夫太郎さんと堕姫ちゃんのにおいを感じ取れる方角へと目を向ければ、そこには片腕がなくなっている妓夫太郎さんと、離れた位置まで斬り飛ばしてしまったらしいデュラハン堕姫ちゃんの姿が映り込む。

 

「ううう!!なんであんたまでアタシの頚斬るのよ!?アタシをいじめて楽しいわけ!?」

 

「命の奪り合いしてるのに、いじめも何もあったもんじゃないっての。」

 

 うっそだろ、妓夫太郎さんの腕斬り飛ばしてたの私・・・・・・?と自分がやったことに軽く引きそうになりながらも、堕姫ちゃんからの文句を受け流す。

 いやはや・・・・・・ここまで兄と妹で能力の差があるとは思いもよらなかった。

 まぁ、原作とは違い、室内戦闘になっていない分見晴らしがいいせいで、余計に差が歴然となっているのだろうけど。

 

 ─────・・・・・・堕姫ちゃんが使う帯の攻撃は、かなりの広範囲を攻撃することができる分、若干の威力の低下が発生するけど、帯全体が刃物のようになっている分、油断していたらすぐに体がバラバラにされてしまう。

 

 ─────・・・・・・その上、元が帯というだけあり、屋内戦闘のような見晴らしが悪い場所では躱すのがやっと・・・・・・甲の実力を持ち合わせていても、柔軟性が少ない刀と柔軟性が高い帯状の刃では攻撃できる範囲も汎用性も全くと言っていい程に違いが出る。

 

 ─────・・・・・・だからこそ、見晴らしのいい屋外戦闘であればある程度見極めることができるけど・・・・・・。

 

 そこまで考えて私は自身の刀で防御姿勢を取る。その瞬間勢いよく私の刀には鎌がぶつけられていた。

 

「本当に厄介だなあぁ・・・・・・!!複数の力を持ち合わせてやがるのはなあぁ・・・・・・!!」

 

「それはお互い様でしょ。そっちだって鎌と帯の両刀使いなんだから。」

 

 ─────・・・・・・妓夫太郎さんはかなり厄介だな。使う武器が鎌のせいで攻撃がかなり細やかな上、帯とは違い、力が一点に集中する上、一撃一撃がかなり重い。

 

 ─────・・・・・・室内も屋外も可能だし、猛毒も持ち合わせているんだから。

 

 冷静に堕姫ちゃんと妓夫太郎さんの能力の差を分析しながら、かなりの力で攻撃をぶつけてくる妓夫太郎さんと拮抗させている力を抜きその場で身躱しを使う。

 急に押し返してきた力が抜け、同時に体を捩られたことによりバランスを崩した様子の妓夫太郎さんの細い鳩尾付近を狙って強蹴を仕掛ければ、そのまま彼は近隣にある建物に勢いよく吹っ飛び、建物の壁を破壊してしまった。

 

「お兄ちゃん!?」

 

 建物が壊れる音を聞くなり、堕姫ちゃんが驚いたような声を上げる。

 ちなみに私もかなり驚いている。ここまで吹っ飛んでいくとは思わなかったために。

 

「ひゅ〜。派手に吹っ飛んだな。」

 

「吹っ飛ばした張本人が驚くくらい吹っ飛んでますね。」

 

「地味に驚いてんのかよ・・・・・・。まぁ、炎の呼吸を使えるようになってる時点で足腰がかなり鍛えられてんのは目に見えてるからな。

 多分、その影響で脚に筋力がついちまったんだろ。見た目だけじゃわかんねぇけど。」

 

 どうやら、これは炎の呼吸を身につけたゆえの副産物らしい。まぁ、不知火を使ったら、一瞬にして離れた位置にいる宇髄さんの元に追いつけるスピードを出すことができるんだし、当然と言えば当然か。

 

「優緋!!祭りの神!!」

 

「優緋ちゃん!!大丈夫!?」

 

 これから先、足がゴツくなったらどうしよ・・・・・・なんて変な心配をしていると、伊之助と善逸の声が聞こえて来た。

 声の方を向くと同時に、二人が私たちの元に合流する。

 ・・・・・・あ、善逸やっぱり寝てる。鼻提灯膨らませながら話しかけて来る姿、いつ見てもシュールだな。

 

「見ての通り・・・・・・って言ったところで善逸には見えないな。多少裂傷ができちゃったけど、問題はないよ。

 頼もしい柱の人が一緒だからね。その分、損傷はかなり軽いから心配しなくていい。」

 

「ならよかった・・・・・・」

 

 安心したような善逸の短い言葉に、私も小さく笑みを浮かべる。

 一時的に行方不明になった時、宇髄さんは善逸が無事である確率が低いと言っていたが、彼はちゃんとここに戻ってきた。

 

「善逸も、無事でよかった。行方がわからなくなったって聞いた時はかなり驚いたよ。」

 

「ちょっとしくじって捕まっちゃったんだよね・・・・・・。優緋ちゃんに心配かけちゃったみたいでごめんね。」

 

「いいよ。戻って来たなら。そんじゃまぁ、全員揃ったわけだし。鬼退治に戻るとしますか。」

 

 善逸と軽く言葉を交わしながら、私はすぐに宇髄さんに並ぶ。

 すると、善逸と伊之助が私に倣うようにして、いつでも戦えるようにと刀を構えた。

 

「アタシのお兄ちゃんを蹴っ飛ばすなんて!!許さないわよ!!」

 

「何回も頚切られてる子に吠えられても怖くないんだけど?」

 

「はは!そりゃ言えてんな!はっきり言うじゃねーか、優緋。」

 

「なんですってぇ!?」

 

「・・・・・・下っ端が何人集まろうが関係ねぇけどなぁあ。お前ら二人さえ使いモンにならなくなりゃあ、あとはこっちのもんだぁあ。」

 

 私と宇髄さんの挑発に対して吠える堕姫ちゃんと、私と宇髄さんさえ抑えて仕舞えばどうにでもなると口にする妓夫太郎さん。

 その話を聞きながら、私と宇髄さんは静かに足に力を入れる。

 

「いいか、優緋。お前は俺の支援を継続したまま男鬼の方に攻撃を仕掛けろ。こっちの奴は毒を持ってることが割れてるからな。流石に我妻と嘴平に任せられねぇ。」

 

「わかりました。」

 

「我妻と嘴平。お前ら二人はあっちの女鬼を狙え。あいつが使うのは鋭利な刃物状の帯だからな。

 数で押してくるところがあるが、猛毒を持ち合わせていない以上、こっちを相手にするよかマシになる。」

 

「はぁん!?何指図して来てんだゴルァ!!」

 

「突っかかるな伊之助。宇髄さんが言ってることは正しい。私と宇髄さんなら男の方の攻撃を防ぐことができるけど、伊之助と善逸ではかなり難しいからな。

 毒を喰らって動きが鈍くなるのを覚悟して挑むより、女の方を二人にお願いする方がまだ勝率が高くなる。お願いできないかな?」

 

「・・・・・・ちっ!!仕方ねーな・・・・・・!!わかった!!蚯蚓女は任せろ!!いくぜ紋逸!!」

 

「善逸だって言ってるだろ!!」

 

 私と宇髄さんからの指示を聞き、伊之助と善逸の二人も臨戦態勢を取る。

 それを確認した私と宇髄さんは、同時に地面を蹴り上げた。

 

「全員死ぬのにそうやって瞳きらきらさせやがって・・・・・・気にくわねぇなあぁ。」

 

「雑魚なんてどうでもいい!!アンタたちさえいなくなれば!!」

 

 私と宇髄さんが動いたのを見て、堕姫ちゃんと妓夫太郎さんがすぐに迎え打つために攻撃を仕掛けてくる。

 無数の帯と、猛毒を持つ血鎌・・・・・・その両方が私と宇髄さんに降りかかる。

 すぐに猛毒を持つ血鎌を宇髄さんと一緒になって打ち払えば、背後から落雷が落ちたような大きな音が聞こえて来て、複数の音を轟かせた。

 よく見るとそれは善逸で、血鎌を無効化した私と宇髄さんの攻撃に合わせて堕姫ちゃんの帯を切り裂いていた。

 そこに重なるようにして、伊之助の刀が堕姫ちゃんの方に放たれる。帯を切り裂かれたことに軽く動揺していたらしい彼女は、すかさずこの場から離脱するように飛び退いた。

 

「我妻!!嘴平!!コイツらの倒し方は同時に頚を斬り飛ばすことだ!!そっちの鬼の頚はお前らが斬れ!!」

 

「グワハハハ!!なるほどな簡単だぜ!!」

 

「・・・・・・簡単なのか?」

 

「比較的簡単だろ。」

 

「そっかぁ・・・・・・」

 

 宇髄さんの言葉を聞きながら、少しだけ苦笑いをこぼしそうになる。

 いや、うん。確かに単純明快な答えではあるけど、かなり斬るの難しいんだよな・・・・・・。

 堕姫ちゃんは割とあっさり斬れちゃうけど、妓夫太郎さんが難しいといいますか・・・・・・。

 まぁ、戦力を分散させることができるなら、多少なりとも難易度は下がるか。

 堕姫ちゃん・・・・・・多分、今の善逸と伊之助には少しばかり厳しい相手だと思うけど。

 

「その簡単なことができねぇで鬼狩り達は死んでったんだよおぉ。柱もなあ。()()()()()()()()食ってるからなあ。」

 

「そうよ!!夜が明けるまで生きていた奴はいないわ!!長い夜はいつもアタシたちを味方するから!!

 どいつもこいつも死になさいよ!!特に邪魔はアンタたちはねぇ!!」

 

 堕姫ちゃんが再び大量の帯を使って私たちへと攻撃を仕掛ける。しかし、その攻撃はこちらに届く前に、複数の落雷のような音と共に防がれた。

 同時に堕姫ちゃんのにおいと善逸のにおいがすぐ近くにあった屋根の方へと移動する。

 それを確認すると同時に、私と宇髄さんは妓夫太郎さんへと攻撃を仕掛ける。

 多少なりとも距離が離れてくれたのであれば、私たちもかなり動きやすくなると言うものだ。

 

「伊之助!!善逸をお願い!!」

 

「ああ!!任せとけ!!この山の神がド派手にぶっ飛ばして来るぜ!!」

 

「なんか宇髄さんに影響されてないか伊之助!?」

 

「おいそりゃどう言う意味だ優緋!?」

 

「そのまんまの意味ですよ!!」

 

 宇髄さんからのツッコミを聞きながら、私は妓夫太郎さんへと自身の刃を振るう。

 さぁ、第二ラウンドと洒落込もうか!!

 

 

 

 

一つの目安としたいので、せめて更新頻度はこれくらいがいいと言うのがありましたら教えてください

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