目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
─────・・・・・・は?なんで鬼が鬼狩りの刀を持ってんの?
自身の元へと飛び出してきた2人の鬼を見て、堕姫は混乱したような様子を見せる。
しかも、彼女の方へと襲い掛かった2人の鬼のうち、片方は鬼狩り達が手にしている日輪刀が握られていた。
─────・・・・・・無惨様は言っていた。自身の支配から逃れた鬼が2人いるって。片方は市松柄の羽織を着てる子供で、もう片方は麻の葉紋様の着物を着てる娘だって。
ある時の夜、自身の元へとやってきた敬愛している鬼の王の言葉を思い出し、彼から告げられた鬼と特徴が一致している2人の鬼を見る。
殺すように命じられた2人の鬼が目の前にいる。この2人を殺せば、自分はもっとかの王より褒められる。
それは喜ばしいことだ。喜ばしいことのはずなのだ。だと言うのに・・・・・・
─────・・・・・・なんで、この鬼は・・・・・・!!
鬼狩りの刀を振るうと共に、
“ヒノカミ神楽 円舞!!”
☽❀☾
・・・・・・下から見えた堕姫ちゃんの様子に、私は静かに目を細める。
まぁ、“日の呼吸怖っ!!近寄らんとこ!!”な鬼舞辻が1番嫌う呼吸を、まさか、鬼が使えるようになってるとは思わないだろうし、彼の血の影響を強く受けやすい上弦の鬼なら、なおさらあんな反応になるか。
「善逸!!伊之助!!炭治郎と禰豆子がそっちに協力する!!彼女の頚を狙って!!」
「了解!!禰豆子ちゃん!!俺もしっかり頑張るから、無茶だけはしないでよ!!」
「うー!!」
「俺に命令すんじゃねー!!言うならお願いにしろお願いに!!権八郎!!この伊之助様についてこい!!」
「たんじろうだ!!ごんぱちろうじゃない!!」
「うお!?お前喋れんのかよ!?」
「ねえちゃんとがんばったんだ!!」
私の指示にそれぞれ反応を返しながら、炭治郎と禰豆子を加えた本来のかまぼこ隊。
炭治郎が鬼になってしまった上、私も煉獄さんに継子として引き取られたことから、見れないかもしれないと思っていたが、こんなところで見ることになろうとは思いもよらなかった。
「・・・・・・鬼に呼吸を使わせて挑ませるたぁ、また、随分と派手なことやってんなぁ、優緋。」
「炭治郎が使ってるものは、どう言うわけかうちに神楽として伝わっていたんです。
呼吸のことは当初知らなかったので、まさか、これが鬼狩りの技術とは思いもよりませんでしたよ。」
「伊黒と不死川辺りがうるさくしそうだぜ・・・・・・」
「まぁ、そこら辺は覚悟の上でやってます。煉獄さんも協力してくれているので、炭治郎と禰豆子の連携はかなり鍛えられていますよ。」
「煉獄公認なのか。なら、当たりは多少軽くなるか。微々たるモンだろうがな。」
「それに賭けるしかないですね。お館様からの許可もいただいてますし、少しはマシになるといいのですが。」
宇髄さんと言葉を交わしながら、再び私は妓夫太郎さんと向き合う。
“透き通る世界”に入った状態であれば、妓夫太郎さんは抑え込めるし、頚を斬ることも可能だろう。
宇髄さんのサポートもできるし、彼が毒を喰らわぬように立ち回ることもできるようになる。
問題は、堕姫ちゃんの方だ。あっちには、柱と並ぶ実力者がまだいない。煉獄さんのおかげで、炭治郎と禰豆子は強くなってはいるが、善逸と伊之助と同様に、目立って伸びているわけじゃない。
きっと、沢山のダメージを受けるだろう。それこそ、回復にもかなり力を回さなくてはならない程に。
─────・・・・・・できれば、もう1人くらい柱がいてくれた方が楽なんだけど・・・・・・。
原作に描かれていた遊郭編の最後、宇髄さんにお説教をしている伊黒さんを思い浮かべながらそんなことを考える。
妓夫太郎さんと堕姫ちゃんコンビは、私達で倒すことができる存在ではある。
ただ、それはかなりのダメージを負った上での辛勝で、物語上では宇髄さんが片腕を失い、善逸が足にかなりのダメージを抱え、伊之助や炭治郎は猛毒を食らった状態に陥る。
毒に関しては、禰豆子の力もありなんとかなっていたが、被害はかなりのものだった。
それを抑えるのであれば、遅れてやってくる予定の伊黒さんを早い段階で呼ぶ状況を作り出すのが手っ取り早いわけだが・・・・・・
─────・・・・・・流石に、そんなに上手く行ってはくれないよな。
溜め息を吐きたくなりながらも、私は静かにある場所へと視線を向ける。
終わるまで来ない可能性があるとしても、少しでも水を動かすような小石の一投になればと願い。
私が視線を向けた先には、鎹鴉の天王寺が旋回している。彼は、私の視線に気づいてくれたようで、一つだけ鳴き声をあげて遊郭の外へと飛び去った。
同じく旋回していた宇髄さんの鎹鴉である虹丸は、天王寺を見送ったあとここに残る。
それを見て小さく笑った私は、再び妓夫太郎さんと向き直った。
「どうなってんだあ?なんであの鬼のガキは刀を持ってやがる。」
「彼にも私が使っている呼吸を教えたから。ただそれだけだよ。」
妓夫太郎さんの疑問に答えるように言葉を紡ぎ、“透き通る世界”を使用しながら斬りかかる。
すぐに彼は応戦するために鎌を振るうが、振るう予備動作の筋肉の動きを見極めたのち、鎌を持っている片手を斬り飛ばした。
入れ替わるようにして宇髄さんが私の背後から飛び出し、妓夫太郎さんの頚を狙うが、素早い回避でそれを躱される。
それならと今度は宇髄さんの動きに合わせて私が斬りかかれば、舌打ちと共に距離を取られた。
しかし、距離を取られるのは予想通り。わざと逃げやすい方角へと行くように誘導する斬撃を放っていたこともあり、宇髄さんはどこに彼が移動するのかをすぐに見抜いていた。
その証拠に宇髄さんは下段に斬撃を放ち、妓夫太郎さんの足首を切り裂いている。
本来ならば、雛鶴さんが毒が含まれたクナイを使って一時的に動きを封じてくれるタイミングだが、この場に彼女はいない。
彼女がいなくても、動きを抑制することができる私がいると言う状況にあるからなのか、それとも展開がかなり速くなっているせいで間に合っていないのか・・・・・・。
なんにせよ、彼女の助力はきっと発生しないのだろう。それならばそれで構わない。
それならそれで、真っ直ぐと相手を狙えばいい!!
足を切り裂かれ、動きが軽く鈍くなっている妓夫太郎さんのもう片方の腕を狙うように刀を奮い、四肢の全てを封じる。
そのまま頚を狙って刀を振るう・・・・・・が、それを防ぐかのように堕姫ちゃんの血鬼術の匂いと、妓夫太郎さんの不穏な筋肉の動きを把握してしまい、すかさず踵を返し、呼吸法を炎へと変えて不知火を使い、宇髄さんもろとも妓夫太郎さんの元から離脱する。
“血鬼術 跋弧跳梁”
同時に発動したのは、雛鶴さんが飛ばしてきたクナイを防いだ時にも使っていた血鬼術。
帯の雨に加えて、全方位に放てる攻防一体のそれは、日の呼吸の灼骨炎陽でも、炎の呼吸の盛炎のうねりでも全ては防ぎきれなさそうだ。
「ちぃ・・・・・・!!」
「なんでこれも当たらないの!?さっさと死になさいよ!!」
冷静に防ぎきれない攻撃だったと考えていると、妓夫太郎さんから舌打ちが聞こえ、堕姫ちゃんからは怒鳴り声を浴びせられる。
そんな二人の様子を真っ直ぐと見据えながら刀を構えると、頭に大きな手が乗せられた。
「派手に助かったぜ、優緋。ありがとな。」
「援護は得意だと言ったでしょう。まぁ、呼吸を瞬時に切り替える分、疲労はかなり蓄積されますがね。」
「だろうな・・・・・・。さっさと終わらせっぞ。何度も繰り返したら優緋が危ねぇからな。」
宇髄さんの言葉に小さく頷きながら、再び日の呼吸を使用する。
・・・・・・なんか、この戦闘の中で日の呼吸を使用すると同時に“透き通る世界”に視界が切り替わるようになっちゃったんだけど、どれだけ体にこのハッピーセットが馴染んだんだ・・・・・・。
そんなことを思いながら、宇髄さんと同時に地面を蹴り上げる。誰一人としてかけさせたりはしない、そう思いながら。
☽❀☾
二人の鬼狩りと二匹の鬼。
それを同時に相手にしながら、堕姫はその表情に焦りを浮かべる。
─────・・・・・・なんで!?なんでよ!?なんであの女には攻撃が届かないの!?
目の前にいる二人の鬼狩りのと二匹の鬼・・・・・・この計四体の標的の動きは、はっきりと見えている。
自身の帯の斬撃も、何度も切り裂かれつつもここにいる者達には届いている。
だからこそ彼女は、ここにいる者はいつでも潰せると思っていた。だからこそ、二人・・・・・・自身の兄である妓夫太郎の方にいる鬼狩りになるべく帯を集中させ、攻撃を食らわそうと考えていた。
しかし、彼女の攻撃は、一人の鬼狩りの女の手により、ことごとく防がれてしまい、兄が持つ猛毒も一度も食らわすことができていない。
─────・・・・・・意味わかんない意味わかんない意味わかんない!!なんなのあの女!!なんで全部防ぎ切るのよ!!
耳障りな呼吸の音や斬撃、それにイライラを募らせながら、堕姫は鬼狩りの女へと目を向ける。
鬼狩りの女はまるで自身や兄の攻撃を先見しているかのように刀を振い、柱の男の攻撃を繋げている。
時には柱の男の攻撃の隙間を埋めるかのように斬撃を放ち、息もつかせぬ猛攻へと力を転じさせ、自身の兄たる鬼に防戦ばかりを強いていた。
─────・・・・・・なんなのよあの女は!!
苛立ちのまま堕姫は自身の帯を鬼狩りの女に集中させるように放てば、それに合わせるかのように、自身の兄が血鎌による猛攻を放つ。
今度こそと願い、鬼狩りの女に目を向けた。しかし、その鬼狩りの女は全てを見据えているかのような紅玉の瞳を自身に向け、柱の男と共に、その全ての攻撃を振り払った。
同時に揺れる赤が混じった長い髪と、花札を連想させる耳飾り。その瞬間、堕姫は底知れぬ寒気を感じ取った。
─────・・・・・・は・・・・・・・・・・・・?
感じたことのない寒気に、堕姫は自身の時が止まったかのような錯覚を覚える。
同時に彼女の脳裏には、幾つもの記憶が流れ込んだ。
どこかわからない木々の生い茂る場所。
そこに佇む一人の剣士は、一つにまとめ、高く結っていた髪を靡かせ、赫灼の刃を片手に握る。
見たことがない人間。知らない人間。だと言うのに堕姫は知っているような錯覚を覚える。
その剣士は真っ直ぐと自身を見据え、何か言葉を紡いでいる。しかし、その言葉に音は乗せられておらず、何を紡いでいるのかはわからない。
流れ込む記憶は終わらない。
広がる記憶はあまりにも多く、堕姫の動きを鈍らせる。
赫灼の刀を持つ剣士・・・・・・それが一歩足を踏み込むと一瞬にして目の前にくる。
同時に聞こえてきたのは炎を燃やすかのような耳障りの音。そして広がるは流れるかのような鋭い剣技。
その姿に堕姫は感じたことのない底知れぬ恐怖を覚え、華奢な体を震わせた。一人の赫灼の剣士の幻覚に、耳飾りを揺らす女剣士が重なる。
不意に、自身が伸ばしていた帯に鋭い痛みを堕姫は感じ取った。
その痛みにより意識を引き戻された堕姫の目に映ったのは、自身と対峙していた二人の鬼狩りと、鬼狩りの刀を持つ逃れ鬼。
「な!?」
自身の意識が別の景色に飛ばされている間、動きが鈍くなっていた堕姫の攻撃を、鬼狩りと刀を持つ鬼は次々と切り裂き、全ての攻撃を捌き切る。
その猛攻の中を縫うようにして、飛び出してきたのはもう一匹の逃れ鬼で、その逃れ鬼は自身の手に生えている鋭い爪を利用することで彼女の帯を切り裂いていた。
そして、勢いよく彼女の顔に自身の手のひらをぶつけると同時に、自身の片手に一つの傷を作り上げた。
“血鬼術 爆血!!”
その瞬間、溢れた血液が勢いよく爆ぜる。
切り裂かれた傷跡から飛び散り、堕姫の顔に付着していた血液すらも巻き込んで。
「ギャアアッ!!!!」
一気に広がる燃え盛る赤。
自身の体を飲み込むように広がる焔に悲鳴をあげた堕姫は、その場でのたうつように倒れ込む。
燃え盛る炎。寒空の大地。どこまでも広がる赤赤赤赤・・・・・・・・・
「い・・・・・・や・・・・・・っ・・・・・・いやああああああああっ!!」
脳裏によぎるかつての自身の記憶に大声を出す堕姫。
自身の頚が切り裂かれる感覚は、記憶が巡るのとほぼ同時だった。
一つの目安としたいので、せめて更新頻度はこれくらいがいいと言うのがありましたら教えてください
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週一更新
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月一更新
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