目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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130.まさか、君と行動を取ることになるとはね

 善逸と伊之助の訓練に、陽の光を禰豆子より先に克服してしまった炭治郎も加わり、杏寿郎さんと宇髄さんをビックリさせながらも、炎柱邸本邸での生活をこなす私たち原作組。

 幸いなことに、鬼がうろつかない日中の間の訓練な上、念のために日中屋敷外を彷徨く際は背負い箱に炭治郎には入ってもらっているため、鬼舞辻の動きは全くない。

 

 さて、善逸と伊之助だが、上弦の陸である妓夫太郎さん&堕姫ちゃん戦をこなしたにも関わらず、無傷、軽傷、中傷で終わらせたこともあり、二人は原作より早く任務に戻れることになった上、ついでとばかりに杏寿郎さんと宇髄さんの任務に連れ回されると言う生活になってしまったので、柱二人のおかげで善逸たちはかなり強くなっていた。

 

 まず、善逸は意識を失わなくても鬼を斬れるようになっていた。確かに怖がっている部分は度々あるけど、杏寿郎さんや宇髄さんが一緒にいると言う状況にあるからか、触発されたように鬼に挑めるようになっていた。

 特に驚いたのは、壱ノ型である霹靂一閃以外の型が使えるようになり始めたことだろうか。

 

 原作では壱ノ型しか使えなかった善逸だったが、杏寿郎さんや宇髄さんが度々どこが悪いのか指摘したり、何が使えない要因になっているのかを話したりと真摯に彼と向き合ったのだ。

 結果的に善逸は、威力は控えめではあるが、他の型を少しずつ身につけるようになり始めた。

 

 次に伊之助だが、彼の場合は型に関してはすでにほぼ完成されているため、威力の向上の方に成長のベクトルが傾いていた。

 詳細に話すとしたら、鬼だけでなく、地面なども度々抉れている。本当に大きな獣でも暴れたのかとツッコみたくなる程に。

 

 ちなみに、善逸はよく宇髄さんに連れまわされており、伊之助は杏寿郎さんに連れまわされている。

 そして、私は時折「お前は今日は自分の任務だけ済ませて嫁たちのところに行っとけ。」と宇髄さんに音柱邸に放り込まれながらも、両方の柱について回っている。

 善逸と伊之助に関しては、一応、自分たちだけの任務をこなして炎柱邸に戻る日もあるが、大抵は柱二人に連れ回されていた。

 なんでも、私の強さはかなりのものだから、ある程度休息を多めに取らせて、いざと言う時(十二鬼月の出現など)の援護役として動いてもらいたいからとのことだ。

 まぁ、それは別に構わないのだが、少しばかり寂しくもあるわけで・・・・・・。

 

 ─────・・・・・・まぁ、炭治郎と禰豆子もいるから完全に寂しいわけじゃないけどさ。杏寿郎さんと宇髄さんに同行するの、かなり楽しかったんだけど。

 

 そんなことを思いながら、私は天王寺に指定された場所に足を運んだ。

 場所は某所の森の中。ここで一般市民や鬼殺隊が度々失踪しているとの話で、鬼が潜伏している可能性があるとのことだった。

 他にもこっちに向かっている鬼殺隊がいるから、一緒に任務に当たれとのことだが、一体誰がこっちに向かっているのやら・・・・・・。

 

「おい。そこのお前。お前が鴉が言ってたもう一人の鬼殺隊か?」

 

「ん?」

 

 知らないモブキャラが来るのかなぁ・・・・・・なんて思っていると、背後から声が聞こえて来る。

 明らかに聞き馴染みのあるほそやんボイスに一瞬固まってしまい、何度か瞬きを繰り返したのち、その場で振り返ってみれば、はい。

 鬼化する前の獪岳がおりました・・・・・・。

 

 ─────・・・・・・ええ・・・・・・?まさかの獪岳が合同任務の隊士だったの?

 

「うん。そうだよ。君がもう一人の鬼殺隊隊士か。」

 

 まさかの人物の出現により、かなり困惑してしまったが、それは表に出さないようにして、すぐに問いかけを肯定する。

 

「初めまして。私は竈門優緋だよ。」

 

「竈門優緋・・・・・・?最近噂になってる炎柱の継子か。」

 

「うん、待って?私って噂になってんの?」

 

「あ?知らねぇのかよ。柱から目をつけられている鬼を連れた変わり者の隊士・・・・・・一般隊士の中じゃ、お前程有名な隊士はいねぇよ。

 度々他の鬼殺隊隊士を助けてんだろ?そいつらがこぞってお前の話をしてやがるぜ。」

 

 ・・・・・・どうやら、私は少々有名になりすぎてしまったらしい。

 ええ・・・・・・?承認欲求拗らせ男子にまでそれ知られているとかかなり致命的では?

 え?大丈夫?私、嫌われてない?

 

「お前みてぇな女と一緒に任務に当たることになるとはな・・・・・・。まぁいい。俺は獪岳だ。さっさと行くぞ。」

 

 ・・・・・・と、思ったら意外にも嫌われている様子はなかった。いや、任務をさっさと終わらせて早く離れたいって考えられている可能性あるかも。

 ん〜・・・・・・獪岳は終盤で鬼化するキャラクターだけど、さて、どうするべきか・・・・・・。

 鬼化させないように杏寿郎さんや宇髄さんに預ける?それとも野放し?少しだけ悩んでしまう。

 確かに性格はあれだったけど、彼を取り巻く環境が歪みをもたらしてしまったようなものだから、放って置けないんだよな・・・・・・。

 

「獪岳ね。わかった。じゃあ行こうか。あ、戦闘中に私の弟たちが飛び出す可能性があるけど、斬らないでよ?」

 

「それくらいはわかってる。お前の話をしていた他の隊士が、鬼化してるお前の家族に助けられたって話してたしな。

 だが、いきなり飛び出させんなよ?間違って切ってもしらねぇからな。」

 

「ん。了解したよ。炭治郎達には私が合図するまでは戦闘に参加しないように伝えておこう。」

 

 そんなことを考えながらも、獪岳と一緒に森の中へと足を踏み入れる。

 さて、ここにはどんな鬼が潜伏しているのやら・・・・・・。

 

 

 

 

 

        ☽❀☾

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・鬼が潜伏していると言われている暗い森の中。

 自身の鴉に言われて足を運んだ獪岳は、自身の前を先行して歩く一人の女隊士へと視線を向ける。

 女隊士の名前は竈門優緋。鬼殺隊に入り、一年も経たないうちに鬼殺隊の全ての柱が注目する実力を持ち合わせていた炎柱の継子たる剣士。

 自分より明らかに小柄で、男とは全く違う凹凸のある体つきをしているにも関わらず、柱の継子としてその実力を伸ばし続けている存在。

 

 まさか、そのような剣士と同じ任務に就くことになるとは思わなかった獪岳は、観察をするように彼女を見つめた。

 

 ─────・・・・・・こんな細っこい女があの炎柱の継子をやってんのか。いや、炎柱は、前も女隊士を継子として面倒を見ていたって話だったな。

 

 ただ、その時の継子は、少々特異性のある体質だったとの話も聞いていたため、獪岳は少しだけ信じられないと思っていた。

 目の前を歩く少女は、確かに隙を全くと言っていい程に見せたりはしない。だが、柱の中でも比較的高威力を持ち合わせている炎の呼吸を使えるような肉体をしているように見えなかったのだ。

 自身と同い年か、一つ下くらいにしか見えない女の割には体つきが大人の女性に近いものではあるが、だからこそ、腕の細さなどもハッキリと見えてしまうものだった。

 今は恋柱と言う名で柱を務めている元炎柱の継子のように、特異体質でも持ち合わせているのかと一瞬思ったりもしたが、そのような話は聞いたことがない。

 

 ただ、周りが口を揃えて言っていることが一つだけあった。

 鬼を連れた炎柱の継子は、呼吸をもう一つ持ち合わせていると言う話だ。

 彼女に助けられた隊士達は、基本的に炎の呼吸を使っているように見えるが、気がついたらその太刀筋が一瞬にして変わり、鬼の頚を容赦なく斬り飛ばしていると言っているのである。

 複数の呼吸を扱うなんて・・・・・・と、雷の呼吸だけで手一杯だった獪岳は、少しだけ理解ができなかった。

 

 だが、彼は一度、自身の師であった元鳴柱であった桑島慈悟郎より、呼吸を身につけて鬼殺隊の最終選別を乗り越えた剣士が、後から呼吸を派生させて新しいものを作り上げたり、別の呼吸の方が体質に合うからと変えることがある話も聞いていたため、その流れで複数使える可能性があることを思い浮かべては、優緋から視線を逸らす。

 

「・・・・・・お前、複数の呼吸を使うんだろ?よくそんなことできるよな。」

 

 しかし、やはり獪岳は複数の呼吸を使い分けるという話が現実からかけ離れていると思ってしまい、無意識のうちにそう告げていた。

 獪岳の言葉を聞いた優緋は、何度か瞬きを繰り返したのち、彼の方へと視線を向ける。

 彼女が見た獪岳の瞳には、複雑な感情が宿っているようだった。

 

「・・・・・・まぁ、確かによくやれてるもんだと思うよ。私自身、こんなことができるとは思いもよらなかった。」

 

「そうかよ。・・・・・・お前の呼吸ってなんなんだ?元は何の呼吸を使っていた?」

 

「ん〜?元は水の呼吸だよ。基盤となる呼吸の一つのね。教えてくれたのは、元水柱の鱗滝さんで、私は現水柱の冨岡さんの妹弟子だったんだ。

 ・・・・・・でも、どうも水の呼吸は私の体に合わなくってね。折角教えてもらったってのに使わないわけにはいかないし、しばらくは使っていたんだけど、かなり体力を持っていかれたし、威力もあまり出なかったんだ。

 で、どうしたもんかと思いながら、無限列車で現炎柱の煉獄さんと一緒に任務に当たったところ、煉獄さんの目に私は止まったみたいで、俺の継子になってみないかって誘われたんだ。

 それで、最初は断ろうと思ったんだけど、試しに継子の体験版をしてみたら、思った以上に炎の呼吸が体に合った上、かなりの威力が出ることがわかったから、そのまま炎柱の継子になって、炎の呼吸を教えてもらった。

 今では、炎の呼吸の奥義である玖ノ型、煉獄まで使えるようになったよ。」

 

 丁寧に自身の呼吸の変則を教えてくれた優緋に、獪岳は何度か瞬きを繰り返す。

 しかし、すぐに考え込んだのち、自分の腰にある日輪刀へと視線を落とす。

 自身が使う雷の呼吸。日輪刀も黄色となっていたため、雷の呼吸に自身は適性を持ち合わせているのは確かだが、使えない型が一つだけあった。

 それは、壱ノ型である霹靂一閃。認めたくもない弟弟子は使えて、自身は使えないそれは、彼の心に確かな暗雲をもたらしていた。

 それに比べて、目の前を歩く後輩に当たる女隊士は、一つの呼吸を身につけるどころか、新しく教えられた呼吸すらも自身の力へと変え、切り替えて鬼を狩るなどと言う離れ技をしている。

 自分以上の才能の塊。なぜ、そんな奴と一緒に行動を取らなくてはならないんだと舌打ちをこぼしたくなる。

 

 だが、同時に複数の呼吸を身につけることができたと言う目の前の隊士を観察すれば、自分には何が足りないのかもわかるのではないのかと言うわずかな希望も抱きながら、獪岳は女隊士について歩いた。

 

「・・・・・・何か、悩み事でもあんの?」

 

「!?」

 

 そんな中、不意に問いかけられた言葉に、獪岳の鼓動は一際大きく音を鳴らす。

 まさか、そのようなことを言われるとは思わず、静かに優緋に視線を向けてみれば、彼女は赤い宝石のような瞳を自身の方へと向けていた。

 

「・・・なんで、そんなこと・・・・・・」

 

「聞いてくるんだ、かな?それとも、わかったのか?まぁ、どちらでもいいか。

 ・・・・・・私はね。ちょっと常人に比べて鼻が聞きすぎるんだよ。それこそ、その人がどんな感情を抱いてるのかわかるくらいにね。

 割と感情ってものは、変なところで主張してくるところがある。例えば、嘘を言ってる時とか、その際の鼓動の変化や体温の変化、もしくは汗の分泌などでわかってしまうんだよ。

 鼓動が早くなれば体温が高くなり、それに応じて体臭などがわかりやすくなる感じにね。まぁ、そんな特異性な話はどうでもいいか。

 とにかく、今の獪岳は何かに悩んでいるような、焦っているような匂いがある。」

 

 “私みたいな女に悩みを打ち明けるなんて嫌かもしれないけど、話してみるだけでも気持ちは変わってくるよ”・・・・・・と、口元に小さく笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ優緋を見て、獪岳は静かに瞬きを繰り返す。

 同時に、自身と向き合おうとしていることが態度と声音にハッキリと現れている様子に、獪岳は少しだけ考え込むような様子を見せたのち、静かに口を開いた。

 

「・・・・・・あとで話す。」

 

「わかった。じゃあ、鬼を退治したら話を聞こうか。」

 

「・・・・・・ああ。」

 

 優緋の言葉に短く返事をした獪岳は、静かに彼女から視線を逸らした。

 まるで、姉のような、年上の大人の女性のような雰囲気を纏っている彼女に、わずかに鼓動を早くしながら。

 

 

 

なんとなく思ったのですが、皆さんはキメ学時空の優緋はどんな立場で想像しますか?

  • キメ学高等部(しのぶと同級生)
  • キメ学教師陣営
  • キメ学OB(ベーカリーのお手伝い)
  • キメ学OB(社会人として生活中)
  • 煉獄杏寿郎の恋人or嫁(教師陣営)
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