目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
獪岳と一緒に行動を取る約束を取り付け、鬼を狩り続ける毎日。
杏寿郎さんや、宇髄さんの言いつけを守っているのか、相変わらず天王寺からは度々休まされているが、獪岳が実力を少しずつ伸ばし、私のサポートをしっかりと行っている分負担が減っているためか、一般隊士に比べて少しだけ多めに任務をこなしている。
「・・・・・・柱とか甲の連中は、いっつもこんな量をこなしてんのかよ・・・。」
「まぁ、甲は言ってしまえば柱の一歩手前だったり、次期柱候補だったりするからね。
任務の難易度が跳ね上がるのは仕方ないさ。ついでに言うと、柱の場合はここにさらに追加で広範囲の地域の見回りなんかも仕事になってるそうだよ。」
「この任務量に広範囲の見回りまで追加されんのか・・・・・・。」
“よくやるぜ・・・・・・”、と言う獪岳の言葉に内心で同意する。
しかも、柱の場合、私のように誰か他の同行者と一緒に任務に当たるなんてことは滅多にない。
杏寿郎さんや、宇髄さんは例外的に私や善逸たちを連れ回しており、同時に鍛えている流れになっているが、基本的は単独任務がほとんどだ。
「単独で様々なことをする・・・・・・柱に名を連ねる人たちは、本当にすごいし尊敬できるよ。
まだまだ未熟な部分が多々あるから、私には無理だね。」
「・・・・・・優緋でも、そう思うことがあるんだな。」
自分では柱のような仕事量は流石にこなせないことを口にすると、獪岳が不思議そうにしながら、私でも無理だと思うのかと聞いてくる。
その言葉に何度か瞬きをしたのち、小さく笑みを浮かべる。
「当たり前だろう?私にだってできないことが沢山ある。もちろん、柱の人たちにも、できないことはあるんだ。
だからこそ、誰かと一緒に行動を取り、支え合うと言うのが重要になってくるんだよ。
まぁ、今の獪岳なら、私が言ってることがよくわかると思うけど。」
「・・・・・・そうだな。確かに、俺は優緋以上にできねぇことがある。だが、優緋にも欠点はあるし、俺がその隙を埋めることで、効率よく力をつけることができている。」
“それは、紛れもない事実だ”・・・・・・と、告げてくる獪岳に、私は小さく頷き返す。
そう。誰もが沢山の得意不得意を抱えているのだから、自分一人で何もかもできるわけがない。
それこそ、縁壱さんのように才能が溢れているような人間や、鬼舞辻のように、特異な力を持ち合わせているような存在でなくてはできないことがかなりある。
まぁ、それが人間なんだろうけど、獪岳は、それを認めることができていなかった。
あいつにできているのだから、俺にだってできる・・・・・・俺の方ができる・・・・・・なんて考えは、正直言って烏滸がましいにも程がある。
「自分だけが才能を持ち合わせているなんて考えを捨て、自分以外にも確かな才能を持ち合わせている人間は沢山いて、それには優劣も存在していることを知り、自身を見つめ直すきっかけを得たことは成長の一歩だよ。
まずは、自分の実力や、相手の実力を認めることが肝心だ。自分の方が、なんてせっかちな判断をしたところで、巡りに巡って自分に反動が返ってくるだけだからね。悪い意味で。」
事実、原作の獪岳はしっかりと周りに目を向けることも、桑島さんや善逸と向き合うこともしていなかった上、自分には誰よりも強い力があり、それを認めない連中は悪である・・・・・・なんて早足の判断を下したことにより、結局自分自身が悪い方向へと転がり続けて、破滅へと堕ちてしまった。
でも、ここの獪岳は・・・・・・私の目の前にいる獪岳は、自分だけでなく、周りもしっかりと見れるようになっている。
きっと、今の獪岳なら・・・・・・。
─────・・・・・・まぁ、だからと言って、霹靂一閃が絶対に使えるようになる・・・・・・とは言えないし、言うつもりもないけどね。
世の中に絶対なんてものは存在しない・・・・・・あらゆる物語で紡がれる言葉。
もし、この場で絶対に使えるよ、なんて口にしたら、獪岳は焦りを抱いてしまうし、悪い方向へと逆戻りすることになるかもしれない。
それだけはあってはならないことだ。これ以上、獪岳を苦しめたくないし、善逸や桑島さんに絶望を与えるつもりもない。
「お前、俺よりあとに鬼殺隊に入ったくせに、随分と複雑なことを考えてんだな。」
そんなことを思っていると、獪岳から鬼殺隊の後輩らしからぬ思考だと指摘される。
言われてみれば、確かに私がこんな風に口にするのはおかしかったかもしれない。
確かに、位としては獪岳より上かもしれないが、入った期間からして、あまりこんなことを言うのはよくなかったかもしれないな。
「あ〜・・・・・・気を悪くしたなら申し訳なかったね。確かに、後輩からこんなこと言うのは、先輩に対してするべきことじゃなかったよ。」
もしかしたら不愉快だったかもしれない・・・・・・そう思いながら謝罪を口にすると、獪岳は小さく首を左右に振った。
「お前、今年で何歳だ?」
「ん?17歳だけど・・・・・・」
「何だ、俺とほとんど同い年か。まぁ、俺の方が少しお前より上だが、今はそんなことはどうでもいい。
・・・・・・別に、気分が悪くなったりはしてねぇよ。達観してんなとは思うが、お前が言ってる言葉は、俺が知らないことを知るきっかけにもなるからな。」
どうやら獪岳は、私の言葉に対して気分を害することはなかったようだ。
桑島さんに教えられたことを身につけるために、沢山の努力を重ねてきた、真面目な彼の部分が強く出ているのかもしれない。
まぁ、全集中の呼吸は、身につけるだけでもかなりの時間を有するし、壱ノ型が使えなくても、それ以外の型はしっかりと身につけているのだから、真面目じゃないはずがないのか。
「それならよかったよ。まぁ、気に入らないことがあったらいつでも言ってほしい。できる限り、改善するように意識するから。」
「そん時はしっかり言わせてもらうが、今は特にねぇよ。むしろ、気楽に話してくれた方が楽だ。
お前とは・・・・・・優緋とは、数日間とは言え、一緒に行動を取り続けてるし、今更堅っ苦しくされたら、逆に気分が悪ぃ。
・・・・・・こうやって、誰かと対等に話して、肩を並べることなんてなかったしな。
お前みてぇな奴と会ったのは初めてだったんだ。基本的に、俺がこれまで接触してきた奴らとはあまり上手くいってなかったからな。
お前みてぇに、ただ、話してるだけで、行動を取ってるだけで、居心地が良いって思うような奴とは、初めて会ったんだ。」
獪岳のことを冷静に分析しながら過ごしていると、彼はぶっきらぼうながらも今のままがいいと口にする。
私から視線が逸れているが、血色が良くなり、紅色に染まる頬や耳から、彼が照れていることがわかった。
匂いで確認しなくても、今の彼は羞恥と照れが溢れており、気難しそうな彼が、デレてくれているのだと感じ取る。
・・・・・・なかなか懐いてくれない警戒心が強い猫が懐いてくれたような、そんな錯覚を覚えてしまった。
「じゃあ、私は獪岳の初めての友人になれたってことかな。だとしたら、光栄なものだね。」
そんなことを思いながら、私は自分は獪岳の友人になれたと認識していいのかを問いかける。
すると、獪岳は一瞬目を丸くしたのち、私の方へと視線を向けた。
「・・・・・・まぁ、そうだな。そう認めてやってもいい。」
しかし、すぐに恥ずかしさや照れにより、再び頬を染めながらも、こちらの友人と言う言葉を肯定する。
そこまで恥ずかしがらなくても、と思わなくもないが、原作内で、獪岳は友人と呼べるような存在を作っているような描写がなかった。
壱ノ型が使えないことや、善逸と一括りに考えられていたこと、協調性を持って、誰かと一緒に行動を取るどころか、コンプレックスをひたすら引き合いに出された上、陰口を言われてきたことから、作れるような状況じゃなかったとも言えるかもしれない。
そんな獪岳が、正真正銘、初めてのお友達認定をその場で下したのだとしたら、慣れない言葉に羞恥心や戸惑いを抱いてもおかしくないかもしれない。
でも、彼から友人認定されたのであれば、悪い方向に行く前に、彼が闇に引きずり落とされないようにと手を握ることができるかもしれない・・・・・・そう思うと、少しだけ晴れやかな気分になれる。
「・・・・・・俺は、友人だけで終わりたくねぇっての・・・・・・」
「ん?何か言った?」
「何でもねぇよ。ほら、さっさと行くぞ、優緋。藤の花の家紋の屋敷で休むんだろ?」
不意に、小さな声で獪岳が何か言ったような気がして、不思議に思いながら声をかけたが、獪岳本人からは何でもないと一蹴されてしまう。
首を傾げながら、しばらく獪岳をみつめるが、それに対して彼は何も言ってくることはなく、どことなく拗ねたような・・・・・・何となく呆れているような・・・・・・それでいて恥ずかしがっているような・・・・・・そんな匂いを纏っていた。
気にならないと言えば嘘になるが、問いかけたところでスルーされてしまうのがオチのような気もして、一旦は言及をしないことにした。
「はあぁあぁああああ!?何で獪岳が優緋ちゃんと一緒にいるんだよ!!?」
「うお!?うるっせぇぞカス!!キンキン頭に響く声を出すんじゃねぇ!!」
「おっふ・・・・・・」
そんな中聞こえてきた聞き馴染みのある声に、私は一瞬顔を顰める。
しかし、すぐに聞こえてきた声に怒鳴り返す獪岳の姿に、まさかの事態が発生してしまったと引き攣った笑みを浮かべた。
声の方へと目を向けてみれば、月明かりにキラキラな金色の髪を照らされながら、獪岳に指を差して固まる善逸の姿がある。
声でわかっていたとは言え、まさか、善逸がこんなところで合流するとは思わなかった。
「・・・・・・急に走り出したかと思えば、優緋じゃねぇか。」
「あ、宇髄さん。」
「!?音柱殿・・・・・・」
そんな彼の背後から、明らかにどでかい体を持ち合わせている人がゆったりとした足取りで姿を見せる。
そこにいたのは宇髄さんで、彼は、私と獪岳を交互に見ては、何度か瞬きを繰り返した。
「へぇ・・・・・・こいつはまたかなり珍しい組み合わせじゃねぇか。何だ?そっちは合同任務だったのか?」
「ええ。数日前から一緒に行動を取ってる獪岳です。雷の呼吸を使ってる剣士さんですよ。」
「雷の呼吸か。なら、我妻と同じだな。まぁ、俺の呼吸も原型は雷で、そこから派生させて音に変えたけどよ。」
私と一緒にいた獪岳をマジマジと見つめながら言葉を紡ぐ宇髄さんに、獪岳は少しばかりたじたじになる。
まぁ、引退した柱とは出会ったことがあるけど、現役の柱と邂逅するのは初めてのことだろうし、この戸惑いも仕方ないのかもしれない。
少しばかり、しん・・・とその場が静まり返る。そんな沈黙を破ったのは善逸だった。
「す、すす、す、数日前から優緋ちゃんと獪岳が一緒に行動を取ってるだって!?何だよそれ!!ずるいぞ獪岳!!
俺だって優緋ちゃんと一緒に任務に行きたいのに、いつも男とばっか一緒に行動を取らされてんだぞ!?
しかも一緒にってことは藤の花の家紋の屋敷で二人仲良く過ごしてるってことだろ!!
こっちが厳しい訓練させられてる中、何女の子と仲睦まじく仕事してんだよ!!」
「そっちだって柱と一緒に行動を取ってるだろ!!いつもピーピーピーピー泣いて逃げることしかできねぇカスのくせに!!」
「俺だって成長してるんですぅ!!今はもう鬼を見ても気絶しなくなったんだぞ!!」
「俺は優緋から助かるって言われてるぜ。お前なんかよりもずっと優緋の支援ができてるからな!!お前だけじゃねぇぞ成長してんのは!!」
ギャンギャンと響き渡る雷一門こと黄黒双雷の二人組。
私と宇髄さんは、二人の言い争いを見つめながら、困惑の表情で無言になってしまった。
なんとなく思ったのですが、皆さんはキメ学時空の優緋はどんな立場で想像しますか?
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