目覚めたらまさかの竈門一家の一人で禰豆子となぜか炭治郎が鬼化していた件 作:時長凜祢@二次創作主力垢
藤の花の家紋の屋敷で、まさかの合流をすることになった、私と獪岳ペアと善逸と宇髄さんペア。
だからと言って、任務が一緒になると言うわけではなく、夕方になれば別々になるため、結局、私は獪岳と二人で任務に当たることになる。
「夕方になったら別々で任務に当たることになるし、獪岳。お前もこっち来い。」
「はい?急に何言って・・・・・・」
「いいからこっちだ。優緋は休んどけよ。」
「は〜い。」
すると、何かを思いついたらしい宇髄さんが獪岳を呼び、私には休息を命じてきた。
素直に宇髄さんの言葉に返事をする私と、何がなんだかと混乱した様子の獪岳。
善逸はと言うと、宇髄さんが何を考えているのかすぐにわかったのか、特に気にしていない様子だ。
「獪岳。折角の機会だから訓練を軽くつけてやる。優緋と一緒に行動を取ってんなら、少しでも優緋に楽させてやりてーだろ?」
「!?それは、確かに・・・・・・でも、いいんですか?」
「駄目だったら声なんてかけねーよ、地味なヤツだな。」
「地味って・・・・・・」
「あ、宇髄さんのそれはある種の口癖だから、気にしなくていいよ、獪岳。」
「お、おう。」
宇髄さんからのまさかの提案に戸惑いながらも、獪岳は返事をする。
現役の柱から、軽くとは言え訓練をつけてもらえるとは思わなかったのか、かなり緊張しているようだが、またとない機会であるとも思っているようで、とても真剣な表情だ。
「獪岳頑張れ〜。」
「ああ・・・・・・!」
「ねぇ、優緋ちゃん、俺は!?俺の応援は!?」
「ん?獪岳を優先するから、今回はなしで。」
「なんでぇ!?」
「当然の選択だろうが!」
そんな獪岳に軽くエールを送っていると、善逸から自分の応援はないのかと聞かれた。
残念ながら、今回は獪岳優先ですとサラッと笑顔で告げてみれば、彼はショックを受けたように声を荒げる。
私が善逸より獪岳を優先したからか、獪岳は上機嫌。宇髄さんからは、賑やかだな〜と言わんばかりの反応を見せていたが、すぐに頭を切り替えては、木刀を手にする。
よく見るとムキムキなネズミが数匹、木刀をえっさほいさと運んでいた。
「あ、宇髄さんのところのネズミさんたち。」
「おうよ。我妻と嘴平にいつでも訓練がつけられるように最近は木刀を運ばせてんだ。
煉獄にも数匹貸してるから、あっちも任務の合間に訓練をつけてると思うぜ。」
「なるほど。だから、善逸と伊之助を杏寿郎さんと宇髄さんが連れ回しているんですね。」
「そう言うこった。んじゃ獪岳。とりあえずまずは打ち込んできてみろ。動きを見て悪いところとか教えてやるからよ。」
「わかりました!」
宇髄さんの言葉を聞き、獪岳は木刀を構える。
そして、力強く地面を蹴り上げ、彼に攻撃を放つのだった。
☽❀☾
「・・・やっぱ現役の柱はすげーが、容赦もねー・・・・・・・・・」
「それはそう。」
宇髄さんによる訓練イベントが発生し、日中に訓練をつけてもらった獪岳。
彼は見事なまでに宇髄さんからコテンパンにやられ、大量のダメ出しまでされていた。
その上、ダメ出し、打ち込み、ダメ出し、打ち込みの繰り返しをさせられ、雷の呼吸の型についてもボロクソに言われていた。
もちろん、それは善逸も同じで、獪岳が弐ノ型から陸ノ型までを綺麗に決める姿を見ては、善逸にあれやこれや言い、壱ノ型を放つ善逸の姿を見ては、獪岳にあれやこれや言うと言ったやり取りが繰り広げられていた。
だが、雷の呼吸の全ての型が揃っていたこともあり、宇髄さんはそれを見ながら獪岳に壱ノ型のコツを、善逸に弐ノ型から陸ノ型全てのコツを的確にアドバイスしたため、二人の技術力の向上には繋げられていた。
「つか、優緋。お前、音柱に何で俺の欠点を教えやがった。昨日の夜に思い切り説教されたじゃねーか。」
「でも、刀を納刀した状態で接近した際、どんな風にすれば反撃に対してさらに反撃をぶつけることができるかとか教えてもらえたじゃん。」
「確かに教えてもらったし、それに関しての技術も身につけるための方法を教えてもらったが、それとこれとは話が別だろうが!!」
“絶対ェに許さねぇからな!?”と私を怒鳴りつける獪岳に、笑いながら謝罪の言葉を告げれば、深く溜め息を吐かれた。
今の獪岳は苛立ちと呆れの匂いがあるが、こちらに対する怒りの匂いはほとんどしない。
まぁ、全くしていないわけではないが、そこまで怒っているわけではないようだ。
それだけ私たちの距離感が変わったと言うことだろう。まぁ、チクったことは申し訳ないけど、しっかりと欠点を克服しなくては、生存するのも難しいのだから仕方ない。
「・・・・・・それで?壱ノ型のコツ、少しは掴めそうかな?」
「!・・・・・・ああ。まだ少し時間はかかりそうだがな。」
「時間はかかれど身につけることができるって言えるだけでかなりの成長だよ。もっともっと頼もしくなっていくね、獪岳は。」
「当たり前だろ。優緋の背中を任せてもらえるように、壱ノ型も使えるようになってやるって決めたんだ。
・・・・・・悔しいが、今回改めて善逸の動きを見て、俺と善逸には体の使い方に差があることがわかった。壱ノ型を使いこなすための体の使い方を、俺はしていなかったからな。
その上、優緋に指摘された、納刀状態で鬼の懐に突っ込んでいくことに対する恐怖心のこともあって、使えなかった理由もハッキリとわかった。
だが、音柱からダメ出しをくらって、何が悪かったのかを今回のわずかな時間で掴むこともできたからな。
絶対に使いこなせるようになってやる。雷の呼吸の型、全部を。」
私の問いかけを聞き、獪岳の瞳の中に鋭く強い光が宿る。自分がこれから何をしていくべきか・・・・・・それを、獪岳はようやく見つけることができたようだ。
その姿に小さく笑った私は、隣にいる獪岳の頭を優しく撫でる。急に頭を撫でられたからか、獪岳は驚いたような表情を見せて、私の方へと視線を向けてきた。
「その意気だよ、獪岳。これからも無理をしない程度に、一緒に頑張って行こう。
獪岳の頑張りは、しっかりと私が見届けるよ。宇髄さんが善逸と獪岳にそれぞれ指摘する姿を見ていたし、雷の呼吸の型も一通り見ることができたからね。
私は私の視点で、これからも獪岳のことを応援し続ける。だから、まぁ、これからもよろしく頼むよ。」
口元に笑みを浮かべながら、これからのことを獪岳に告げれば、彼は目を丸くしながら顔を赤らめる。
程なくして気恥ずかしげな様子で私から視線を逸らしたが、彼からは恥ずかしさと嬉しさが合わさったような匂いがしていた。
「・・・・・・その言葉、絶対に忘れんじゃねーぞ。」
「もちろん。一緒に歩こうって誘った以上、絶対に忘れたりしないよ。」
私の言葉を聞いた獪岳が、どことなくホッとしたような、そんな表情をわずかに見せる。
一瞬のその表情から、獪岳にはまだ、見捨てられてしまうのではと言う不安がまとわりついているのだとわかった。
「・・・・・・私は、獪岳を見捨てたりしないよ。キミに必要なのは、しっかりと向き合い、寄り添う人間だと思っているからね。
まぁ、少しずつその不安は消していくといいよ。ちゃんと目が届くようにいるつもりだからさ。」
「・・・・・・おう。」
こちらの指摘は図星だったのか、獪岳が再び恥ずかしげな様子を見せる。
本音を出さないようにしているのに、私が次々と本音を見抜いてしまうからだろう。
まぁ、隠そうとして見抜かれてしまうほど、恥ずかしいものはないだろうし、少しだけ申し訳なく思う。
でも、獪岳が壊れてしまわないように、しっかりと向き合うと決めた以上、私は、自分が持ち合わせている能力を総動員するのも辞さないつもりだし、これからも使い続けよう。
「さて・・・・・・今日の最初の鬼はどんな鬼になるのやら。と言うか、毎日かなりの量を狩ってるのに、全く減らないとは・・・・・・鬼って蜚蠊の親戚か何かなのかな?」
「・・・・・・おいこら優緋。変な想像しちまっただろうが、何してくれてんだ。」
「だって一匹見つけたら次々湧いて出てくるじゃん?真っ黒でてかってる害虫思い出さない?」
「言いたいことはわからなくもねーが余計なこと言うんじゃねぇ!!」
ケラケラと笑いながら、鬼を真っ黒な害虫に例えれば、獪岳から鋭いツッコミを入れられた。
とりあえずバルサン焚いて始末出来ないかな?
☽❀☾
・・・・・・なんて、賑やかにしながらも鬼退治にまわっていたのだが、まさかこんなことになるとはね。
「あーあ・・・・・・二人してぽっきりと・・・・・・」
「・・・・・・だな。」
いつものようにひたすら鬼を討伐して回っていた私と獪岳だが、現在途方に暮れている。
なぜなら二人して今日、最後の任務を遂行すると同時に、刀の刃が折れてしまったのだ。
「よく見たらこれ、軽く溶解してるな・・・・・・。使ってきた血鬼術が触れた場所も・・・・・・」
「酸性?ってヤツだったのかもな。隊士になってあまり時間経ってねー頃、蝶屋敷でそんな文字を見たことがある。
確か、濃いけりゃ濃いほど、皮膚が爛れたり、金属が悪くなったりするって書いてあったぜ。」
真っ二つに逝ってしまった刃を二人して見つめながら、何が起こったのかを分析する。
高濃度の酸性の液体を利用する鬼とか十二鬼月レベルだろ。絶対下弦が続投されていたりしたら、かなりの立場になっていたよな。
「何にせよ、早急に刀をなんとかしないといけなくなったな・・・・・・」
「そうだな。刀って新しく打つとしたら、かなり時間がかかるんじゃねーか?それまで任務どうすんだよ。」
「う〜ん・・・・・・とりあえず、お館様に連絡はしないといけないから、屋敷に着いたら手紙を出した方がいいかもね。」
困惑の表情を浮かべながら、私と獪岳は顔を見合わせる。
「あら?優緋ちゃんじゃない!お隣の子も鬼殺隊の隊士みたいだけど、もしかして優緋ちゃんのお友達?」
「「!?」」
そんな中、背後から聞こえてきた明るい女性の声に、私と獪岳はびっくりして視線を向ける。
そこには、恋柱と呼ばれている柱女子の一人、甘露寺蜜璃ちゃんの姿があった。
「蜜璃ちゃん!こっちで任務だったの?」
「そうなのよー!こっちの方で、隊士が行方不明になるって聞いていたから、駆け付けたの!でも、優緋ちゃんとお友達がやっつけちゃった後だったみたいね!お疲れ様〜!」
まさかの人物との遭遇により、驚いて蜜璃ちゃんに声をかければ、彼女はにこにこと愛らしい笑顔を見せながら、私と獪岳に労いの言葉をかけてきた。
「は・・・・・・?優緋、そいつは・・・・・・?」
蜜璃ちゃんとキャッキャッと話しながら過ごしていると、混乱した獪岳から話しかけられる。
その様子に、そういや獪岳は蜜璃ちゃんと初めましてだった・・・・・・と思い出した私は、すぐに獪岳と向き直った。
「この人は甘露寺蜜璃ちゃん。九人の柱のうちの一人で、恋柱さんだよ。」
「こんにちは〜!」
「は!?」
現れた人が柱だとは思わなかったのか、獪岳が目を皿にして固まった。同時に私と蜜璃ちゃんに視線を行ったり来たりさせ始める。
おそらく、柱である人とタメ口で仲良く話していたからだろう。獪岳からしたら、柱は学ぶところが沢山ある先達と言った認識のために。
「柱の中でもまだまだ新人に近いの!驚かせてごめんなさいね。」
「あ、いや・・・・・・」
“あまり年齢が変わらないのに!?”と言わんばかりの様子の獪岳に、私は少しだけ苦笑いをこぼす。
まぁ、蜜璃ちゃんと私、それと獪岳はそこまで年齢が変わらないため、驚くのも無理はない。
それに、岩柱、音柱、蛇柱、風柱、水柱、炎柱、恋柱、蟲柱、霞柱と言う九人の柱の中で、恋柱と蟲柱、霞柱の三人は未成人であり、おそらくだが、柱として過ごすメンバーの中では新参に近い、または新参そのものである可能性から、獪岳が知らない可能性も頷ける。
「蜜璃ちゃん。この子は獪岳って言って、最近よく一緒に行動を取ってる隊士の子だよ。」
「そうなのね!じゃあ、改めまして、私は甘露寺蜜璃!恋柱として柱の一人をさせてもらってるの!
優緋ちゃんとはよくお話をしてるお友達よ!よろしくね!」
「あ、えっと・・・・・・俺は獪岳・・・・・・です。」
「ふふ!ええ、よろしくね、獪岳君。」
明るい笑顔で獪岳の名前を口にする蜜璃ちゃんに、獪岳は困惑した様子で私の方に視線を向ける。
向けられた目から、“何でお前は柱と堂々と話せるんだよ”と言わんばかりの感情を感じ取れたが、こればかりは慣れとしか言いようがないのである。
柱とめちゃくちゃ関わりあるどころか、継子だからね。萎縮するような状態は、もはや完全になくなってしまっているのである。
「って、あら?二人とも、刀が折れちゃったの?」
なんてことを思っていると、蜜璃ちゃんが私と獪岳の刀を見て、瞬きをしながら質問をしてきた。
私は小さく頷き返したのち、その場にある溶解痕に視線を向ける。
「今日の最後の任務で当たったここの鬼の血鬼術が、厄介なものだったみたいでね。
なんとか、私と獪岳は連携を取ることで喰らうことはなかったけど、効果が溶解だったんだ。
刀の刃の一部が溶けてるし、多分、隊士がいなくなった理由は、血鬼術で溶解され、そのまま吸収されたんじゃないかなって分析していたところ。」
「そうだったのね・・・・・・。」
私の説明を聞き、蜜璃ちゃんは悲しげな表情を見せる。きっと、ここで犠牲になってしまった鬼殺隊の隊士を憂いてのことだろう。
彼女はとても優しい人だから。
「・・・・・・みんなの痕跡がないか、ちょっと三人で探してみましょう?もし、見つけることができたら、せめて、お墓に入れてあげられると思うから。」
「うん。獪岳も手伝ってくれる?」
「ああ。」
蜜璃ちゃんの案を聞き、私と獪岳も行動に移す。
今は、刀のことよりも、惜しくも命を落としてしまったみんなのことを考えよう。
なんとなく思ったのですが、皆さんはキメ学時空の優緋はどんな立場で想像しますか?
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